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その12 図書館にて ルース視点

せっかくシャーリーと勉強していたのに邪魔が入ってきた。レイクルーゼ嬢だ。

なんか僕は教え方が下手だとかディランに教えてもらえとか余計なことを言う。僕は教科書を読めばだいたい頭に入るからからシャーリーが何がわからず困っているのかがわからない。その点彼女は要領がよかった。彼女は目の前で黙々と線を引いているが的確に重要なポイントをついている。

まあ仕方ない今回はレイクルーゼ嬢に任せよう。点数が悪くて落ち込むシャーリーはあまり見たくないしな。でも魔科は僕が教えるよ。ディランには任せられないからね。


しかし、さっきなんて言った??聞き違い?とぼけてはいたが確かに言った。ルート?溺愛?そう聞こえた。そういえばバラ園の時も僕を見て何か変な顔をしていたな。彼女も転生者なんだろうか?僕はじっと彼女に突き刺すような視線を送る。


そうしているとシャーリーのクラスメイトのデェリス嬢が呼びに来てシャーリーは席を外した。

レイクルーゼ嬢と二人とか。変な組み合わせだ。


「そんな怖い視線で見ないでいただけるかしら?」

シャーリーがいなくなった途端彼女は手を止めて僕を見た。

「そんなに怖い目でみていましたか?シャーリーに良い先生ができてとても感謝しているのですが・・・。」

僕は笑顔を張り付けた。

「この頃シャーリーと仲良くしていだいてありがとうございます。」

「あなたにお礼をいわれる筋合いはなくてよ。で、何がいいたいの?」

「あなたは僕のルートを邪魔するんですか?」

「あら、邪魔する気は全くないわよ。むしろ大歓迎よ。存分に利用させていただくわ。」

「あなたはやはりそうなんですね。」

「あなたもでしょ?」

「いえ、僕は違います。ただいろいろ教えていただける方がいるんです。」

「教えてくれるって?でも、これは……」

彼女は少し考え込んだ。何か気にかかることがあるんだ?

「その方は誰なの?って私は言えないわね。」

彼女はかなり頭の回転が速そうだ。

「まさかね・・・でも一体誰に・・。まあそのうち話していただけると嬉しいです。私は是非その方に会いたいです。」

ルイクレーゼ嬢はいつもの笑みではなく子供っぽく笑った。何か思い出して喜んでいるみたいだ。


無言のまましばらくペンの音だけする。いろいろ聞きたいことがあるのだが何を切り出せばいいのかわからない。

「そういえば、薔薇園でお会いしましたよね?あの時は失礼しました。」

「盗み聞きはあまりお勧めしませんわ。あと、早くシャーリーに本当のことを知らせないと彼女が困ることになります。あなたが楽しむのは構いませんが彼女が悲しむのは心苦しいです。」

「シャーリーが僕ルートなら王太子妃はあなたになるのですね。」

「あら、よくおわかりで。本当にあのリボンがあなたが贈ったと聞いたときは驚きました。そして安心しました。この先シャーリーとは仲良くさせていただきますからよろしくお願いしますね。あ、せっかくお近づきになったので一つだけご忠告をしておきますわね。あの人にはお気をつけくださいませ。ふふふ。」

「あの人?…ああ、そうだね。忠告ありがとう。」

…ああ、あいつか。

レイクルーゼ嬢が席を立った。

「あなたとゆっくりお話ししたいところですが私はこれで失礼します。シャーリーにお渡しください。わからないようなら生徒会室か教室に来ていただいても構わないです。では。」

彼女はすっとシャーリーの教科書を僕に渡した。


彼女がシャーリーに近づくのは何故だ?陛下や王妃に良い印象を持たれる為だろうか。だってシャーリーは将来僕と結婚するんだからね。シャーリーと仲が良ければ当然彼女を王宮に呼ぶこともできる。それなら僕の様子だってわかるし、何かある毎に夫婦ともども呼び出すこともできる。陛下や王妃にとっては願ってもないことだ。あまり顔を見せにこない実の息子、親友の息子に会える機会が増えるんだからね。

それともシャーリーは女の子も惹きつけるんか。


「ザイン様、こちらにいらしていたんですか?」

よく人と会う日だ・・・。

「ルピアさん?どうしたんだい?なんか制服が破れているじゃない?」

「私・・私・・ううっ」

泣き始めた彼女を冷たい目で見る。

「ヴィクトレーゼ様と先ほど廊下ですれ違ったのですが私はただ挨拶をしただけなのですが突然突き飛ばされて・・・。」

「それでシャーリーは?」

「笑って去って行かれました。」

手をパチンと合わせる。彼女の制服が元に戻る。

「申し訳ないね。制服は元通り綺麗にしたよ。シャーリーはそんなことする子じゃないから偶然当たってしまったんじゃないかな?」


…突き飛ばされてスカート破れる?


「でも…平民のくせに生意気だとか…言われて。」

「彼女は倒れそうになった人に手を差し伸べて一緒に倒れてしまいそうな子だよ。僕のシャーリーはそういう子なんだよ。ごめんね。行くよ。」


口は災いのもとだよ。よく覚えておいた方がいい。


僕は席を立った。


あ・・・僕もレイクルーゼ嬢も席を立ってしまった。シャーリーが戻ってきたら戸惑うってしまうな

仕方ないボガルノ先生の教室の前で待つか。







「ほらほら、私頑張ったわよ!

ちゃんと実技も合格点貰えたし。

何よりこれこれ!」


「ん?シャーリー…何なの。この点数は?」

「だから頑張ったって!」

「精製学と魔法学、魔法歴史学、薬草学。魔科の専門教科がみんなギリギリ合格じゃない。本当に調合師になりたいの?かなり無理だよ。」

「大丈夫!今回力を入れたのはこの四教科!」

ばぁぁぁん!

「政経、歴史、文学、聖学。全科共通の科目!!どうだ!!」

「本当だ!頑張ったね。」

「ルースはどうなの?ふふん私の勝ちかしら。」

「ん…歴史は負けたけど他は僕の方が2点から5点上かな?」


みんな90点超えてますが!

チートはあなたなんですか?!



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