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鎧の魔物奮闘記  作者: 晴れ甲羅
第一章 転生編
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第五十八話〜大鎌って実用性あるの?〜

投下です!


***


「お待たせしてすみません」


「いえいえ、久しぶりだったのでしょう? 意思疎通は大切なことですからね」


「そう言って頂けるとありがたいです」


輝夜も久しぶりに会ったが元気そうで何よりだった。

これで俺の用事は特に無い。

あ、そうだ。


「アンナちゃん大丈夫ですかね?」


「はい、さっき見てきましたがぐっすり寝てましたね」


「おお、寝る子はよく育つ、と言いますからね」


シーニャさんがこの諺を知っているかはわからないが少なくとも意味は伝わるはずだ。

それにしてもやっぱりシーニャさんは気が利く人だな、良いお嫁さんになりそうだ。


「今日はどうしますか? 泊まって行きますか?」


「ああ、そうですね。アンナちゃんも疲れてるようですし、そうさせてもらいます」


というわけでシーニャさんのお部屋に泊まらせてもらうことになった。

こういうお泊まりは久しぶりだからか、なんだかやけに嬉しい。



シーニャさんの部屋に向かう途中、


「夜ご飯はどうしますか?」


「あー……」


今日はあんまり動いて無いからな、何か軽いものでも良いかもしれない。

シーニャさんも休日だという事だしな。


「そう言えばここって食堂とかあるんですか?」


「はい、ありますよ。少し前までは無かったのですが転生者の方々が来てから兵舎の近くに新たに増築されたのです」


「そうなんですね。じゃあそこに行ってみても良いですか?」


「はい、私は構いません。アンナちゃんも連れて行きましょうか」


「ありがとうございます」


兵舎の近くにあるのか。じゃあ兵士とかも見かけるかもな。

ていうか転生者達が作ったのか、じゃあ逆にそれまでどうやって食事してたのだろう。

まあ良い、この国の料理が出てくるのかな。


旅の揺り籠亭では煮込み料理が多かったな、特に豆やらじゃがいもやらと一緒に牛肉を煮込んだようなものだ。

そこから察するに食文化もヨーロッパに近いようだ。

まあそりゃそうか、気候風土が似るとその他の文化も似てくるよな。

またいつかこの食の面だけでなくこの国の文化を調べてみたい。


そういえばシーニャさんの武器を作るやらなんやらという話があったな、果たしてどんな武器を作れば良いのだろうか。

まだ部屋まで時間もある事だし聞いてみるとするか。


「シーニャさん」


「はい、なんですか?」


「この前武器を作るという話をしたじゃないですか、一体どんな武器を作れば良いのですか? 俺もどんな武器か知ってるのと知っていないのでは仕上がりが違うと思うので……」


「ああ、まだ伝えていませんでしたね。私が作って欲しいのは、“大鎌”です」


「大鎌ですか⁉︎」


大鎌とはこれまた珍しいものを……

確かに格好良いし、強そうではあるが。突き難いし重いし……扱いは難しく無いのだろうか。

確かにあれを持った相手と戦うのは嫌だがな。


「難しいですか?」


「いや、大丈夫だと思います。だけどちょっと珍しいなー、と……」


「確かにあまり私以外に使ってる人を師匠以外に見かけたことはないですね」


「師匠?」


「はい、部隊では自分にあった教え役が一人つくのですが、その人が少し変わり者でして……自分のことは師匠と呼べ、と言っていました。普通は名前で呼ぶのですけどね」


心なしかシーニャさんの顔が緩んでいる。

ほえ〜、そりゃあ変わった人だ。

ユーモアがある人なのかな?


「では、話を戻しますが、前に職人たちが武器を作ってくれない、というのもそれが原因です。前に使っていたものは壊れてしまったのですが、ちょっと大鎌は作るのが難しいようで……」


「そりゃ大変ですね……」


職人だって忙しいだろうし、そこまで余裕がないのだろう。


「じゃあまた考えが纏まったら連絡しますね」


「よろしくお願いします」


と、そろそろ寮に着きそうだ。

もう日も落ちてきたからだろうか、玄関にランタンが灯されていた。

ガラスに紋章でも描いてあるのか。壁石に写った綺麗だ。

気が付か無かったが、シーニャさんに聞くとどうやら王城の至る所に同じものがあったようで、毎晩メイドさんが手作業で火を灯しているようだ。

やっぱりこういう綺麗なものがあると印象がすごく変わるな。


ドアを開けて中に入り、シーニャさんがアンナちゃんを呼びに行く。

と、その時、


『あー! わかりましたよ!』


シージアが叫び出した。


(と、突然どうしたんだ?)


『アンナちゃんを襲った奴らの正体ですよ! さっき寮に入る時にランタンが玄関先にあったでしょう?』


(あー、あれ綺麗だったよな。あれがどうかしたのか?)


『あの紋章、どこかで見た事あるなー、と思っていたんですね。それでずっと考えていたら思い出したんですよ! あの紋章、あの三人組が持っていたナイフの柄に描いてあった紋章にめちゃんこ似てるんですよ!』


めちゃんこって、きょうび聞かないぞ……

それは良いとしてだな、あの暗闇の中でナイフの柄の紋章まで見つけるなんて……一体どんな動体視力してるんだシージアは……


( でも、それだとしたらおかしくないか? あんな隠密行動するぜ! みたいな奴らが同じ紋章を使うなんて身バレするするかな?)


「それがですね、全く同じというわけでもないのですよ、王城にある紋章にはに鳥と法皇が被っていた冠が描いてあったのですが、三人組が持っていたものには王冠ではなく角が描かれていたんですよね』


うーん……うーん……全然わからん。

あ、そうだ。


(シーニャさんに紋章の意味を聞いてみるっていうのはどうだ?)


『おお! それは名案ですね!』


「お待たせしました、では行きましょう」


ちょうどシーニャさんが来たようだ。

寝ぼけ眼のアンナちゃんも一緒だ。


「あのー、シーニャさん。突然なんですけど、ランタンに描いてある紋章の意味ってわかりますか?」


「もちろんわかりますよ。鳥はこの国の神である天神サルフィの姿を表していると言われ、法皇の冠はこの国とサルフィの繋がりを表しています」


「ありがとうございます」


天神サルフィか……

そう言えば名前知らなかったな……こんなに俺らと関わりが深いっていうのに……


『天神サルフィですか……知らなかったですね』


シージアも知らなかったようだ。

ていうか作ったのはシージアじゃないのか……?


「あの紋章がどうかしましたか?」


「いや、単純に好奇心ですよ。じゃあ食堂に行きましょうか」


少し不思議そうな顔をしていたが納得してくれたようだ。

さあ、気分を切り替えて食堂の飯を楽しもうじゃないか。


いかがだったでしょう?

今回はあんまり話が進まなかったです……orz

でも、次回からきちんと進めますのでご安心ください!

感想、評価、ブクマ等頂ければ作者のモチベーションがめっちゃ上がります!

次回投稿は一月二十九日の予定です。


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