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鎧の魔物奮闘記  作者: 晴れ甲羅
第一章 転生編
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第五十五話〜この国の人って礼儀正しいんだな〜

投下です!


***


「今日はどのような御用件で?」


門番兼受付のような人がそう尋ねてくる。門番さんは精悍な顔付きの青年のようで槍を持っている。

警備の問題だろうか、王城の内側から出るのとは仕組みが違うようだ。

もちろん隠すこともないので正直に伝えてさっさと通過したい。


「これをシーニャという侍女の方に届けにきました」


「はっ、少しお待ち下さい」


そう言ってカゴを受け取り、中を検めていると手紙を見つけたようだ。

そしてその蝋印の印を見ると急に目付きが変わった。

なんだなんだ、まさかここで止められるとかはないよな……


「お通り下さい、一応お名前だけお聞きしてもよろしいでしょうか?」


「はい、俺がアキト、この子がアンナです」


「ありがとうございます、ではどうぞ」


そう言って門を押し開けてくれた。

言葉遣いも丁寧で好印象な門番さんだったな、それにしてもあの手紙のお陰でこんなにすんなり通れたのかもしれないな。

俺のラノベとかからの勝手なイメージだともっと雑な扱いを受けるかと思っていただけになんだか嬉しい。


そういえばシーニャさんがどこにいるかとか全く知らないな……

その辺のメイドさんに聞いて見るとしよう。


少し歩くと居た、ちょうど手が空いてそうなメイドさんが。

後ろから近づいて声を掛ける、もちろん物腰柔らかにだ。


「あの〜、すいません」


「はい、どうかヒッ……あ、すいません」


「大丈夫です、気にしてません」


嘘です。

実はめっちゃ傷つきました。そりゃね、こんな大男にいきなり声を掛けられたら怖いかもしれないよ?

だからってそんなあからさまに怖がられるとね? そりゃ傷つきますよ。


「どうかされましたか?」


その顔のはもう笑顔が張り付いている。

流石はプロだ、本音を言うともうちょっと早く笑顔でいて欲しかった。

だがまあ、詮ないことだ、深く考えないでおこう。


「シーニャという侍女の方を探しているのですが、ご存知ないですかね?」


「えーと、そのシーニャさんというお方は知らないのですが……侍女寮が裏にあるのでそこに行ってみてはいかがでしょうか?」


そう言って道順を簡単に教えてくれるメイドさん、助かった。

メイドさんにお礼を言って別れる。


「シーニャお姉ちゃんがどこに居るかわかったの?」


「ああ、おそらくそこに居るだろう、というのはわかったよ」


「じゃあ行こう!」


「そうだね」


さっきのメイドさんの説明によると王城の北西の端にある建物だそうだ。

メイドさん達が出入りしているからわかりやすいはず、とのことだ。


***


「ここかな?」


歩くこと十数分、それらしき建物を見つけた。

にしても王城は広いな、一体どれくらいの面積があるのだろうか。


入り口というか寮母さんがいそうなところは……

あそこかな?

それらしい小窓がある。


周りからジロジロ見られてるから早く済ませたい。

まあ全身鎧の男が小さい女の子を連れてたらそりゃ怪しいよな。

でも気にしてたらキリがない、ここはもう気にしないようにするしかないな。


「すいませーん」


「あ、はい。どうかしましたか……?」


手元の本から目を離し、こちらを向く。

茶色ボサボサの長髪に鼻眼鏡で少しラフな印象を受ける。


「ここにシーニャさんという侍女の方はいらっしゃいますか?」


「ああ、シーニャさんですね……今日は非番なのでいらっしゃるはずです……出掛けたのは見掛けていませんので……部屋にいらっしゃると思います」


「ありがとうございます、どこの部屋とかはわかりますか?」


「三階の右から三番目のお部屋です……表札があるのでわかりやすいと思います……」


「ありがとうございます」


そうお礼を言って向かおうとすると……


「あっ、あの、ご用件はなんですか?」


「ああ、このカゴを渡しに来ました」


「ありがとうございます……少し中を見ても宜しいですか?」


「全然構いませんよ」


やっぱりセキュリティーがしっかりしている。

この国はそういうところに甘いかと思ったが意外ときちんとしているようだ、俺が言うのも何様だ、という感じではあるがな。


「はい、大丈夫です……」


「はい、ありがとうございます」


では早速向かうとするか。

そう思い歩き出すが、


「えーと、階段はどこだ……」


この寮、かなり広いのだ。

寮というよりもホテルのような雰囲気だ。

ホテルならエントランスに階段があるはずなのだがここには無い。


「こっちだよ!」


アンナちゃんに導かれて少し入り組んだ廊下を進と階段があった。

かなり大きく、踊り場の窓も光が入るようになのか大分大きい。


階段を登る時に何人かメイドさんとすれ違ったが、私服のような格好をしている人も多く居た。

そして三階に着いた。


「えーと、右から三番目の部屋だったから……」


「こっちだね!」


アンナちゃんが先に走って行く。

久しぶりにシーニャさんに会えるのが嬉しいようでテンションが高い。


それにしても基本的に建物がしっかりして大きいな。

俺が歩いても床が軋みすらしないし、高さにもかなり余裕がある。


そんな事を考えていると、


「ここだよ!」


どうやら到着してようだ。


いかがだったでしょうか?

感想、評価、ブクマ等頂けるとヒジョーに励みになります。

次回投稿は明後日、一月十九日を予定しております。


追伸:一度試しに長文サブタイトルをつけてみようと思っています。

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