第十六話〜シージアの特訓Part1〜
投下です!
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『じゃあ今日の特訓メニューを伝えますね』
「お、頼む」
『今日は初日なので軽めに基礎体力作りをしていこうと考えています』
軽めに、ねぇ……
「で、今日はどんな特訓をするんだ?」
『まずは筋力と持久力の両立を目指すために走って筋トレをすると言うのをひたすらやりましょう! その後は狩りにいきましょう! 今の貴方の身体ならばそのトレーニングで大丈夫でしょう』
「走って筋トレ……走るのと筋トレはどのくらいの割合でするんだ?」
『二十分間走った後に腕立て、腹筋、背筋ですね』
いわゆるサーキットというやつか
『もちろん走るのは全力疾走ですよ? 腕立ては切り良く百回、腹筋は二百回、背筋も二百回して貰いますね。それを十セットです』
え?
『はーい、じゃあいきますよ』
「ちょ、ちょっとしんどくないか?」
流石にこれは……しかもこの後狩りに行くんだよな?
『はいはい、グズグズ言っていても体力はつきませんよ』
「まあそうだけどさ……分かったよ! やってやらぁ!」
『その意気で頑張りましょう!』
「やるぞ、おー!」
***
「もうダメだ……なにも出来る気がしない……」
『今から狩りに行くんですよ、シャキっとして下さい。今日は川に行って魚を捕まえますよ』
「ちょ、ちょっと……休憩させてくれ……全身つ、つりそうだし……い、息が……」
『息苦しさはバイザーをあげたら解決するのでは?』
バイザーを上げる……思い付かなかった……
あー、手が重い……
カシャン、とバイザーを上げると息がかなり楽になった
「あ、かなり楽になったぞ」
そうして息を整えているとあることに気がついた。バイザーを上げ下げしてみても景色が変わらないのだ
『そんなにバイザーを上下させてどうしたんですか?』
「いや、イザーを上げ下げしても景色が変わらないことに気がついて色々と見え方を試してみてるんだよ」
気がついてしまうともの凄い違和感だな……
『ああ、それはですね貴方が鎧の魔物だからですよ』
「鎧の魔物だから? どういうことだ?」
『いや、だって貴方の本体って鎧ですよ? だから鎧にも感覚器官がついていますし。しかも鎧が本体なのでもしやられても鎧が一欠片でも残っていたら時間はかかりますが再生できますよ』
「大概俺もチートだったわけか……確かによく考えたら触覚とかあるもんな」
『これも魔力が必要にはなりますが私が鎧に干渉して情報を投影することもできますよ。分かりにくいだろうしやってみましょうか? 魔力の関係でそんなに長時間はできませんがね』
「お、やってみてくれ」
近未来のヘルメットみたいになってるのかな
『じゃあバイザーを下ろしてください……いきますよ、三、二、一、はい』
「おお! これは……サーモグラフィか?」
目の前の景色がサーモグラフィの青と赤で表されるあの景色になってる!
なんだかプレデターになった気分だな
『こんなこともできますよ』
そう言ってシージアが画面を切り替えると……
「おお! 画面が白黒になったぞ! これは……赤外線か?」
『はい、そうです。じゃあ魔力残量が心許なくなってきたのでそろそろやめにしてておきましょう』
「そうだな、それにしても便利だな」
近未来の兵士になった気分だ
『他にも魔力濃度や音響やレーダーのような情報も投影することができますよ』
「それはすごいな、特に魔力濃度を可視化できるというのは役に立ちそうだな」
『じゃあそろそろ一息つけたでしょうし魚を獲りにいきましょうか』
「そうだな、じゃあ魚を獲るのはこの近くの川でいいのか?」
『そうですね、砂漠地帯から帰ってくる時に遡ってきた川で良いでしょう』
実は最初の頃に見つけた川と遡って来た川は同じ川だったのだ
「よし、じゃあ早速向かおう」
***
「着いたのはいいけどどうやって魚を獲るんだ?」
ちなみにこの川は幅十メートル、深さ二メートルほどのかなり大きなもので浅いところは浅いが深いところは深い、と言った具合だ
『やはりスタンダードに潜って掴み取りですかね』
「いやいやいやいや、どこがスタンダードなんだよ。思いっきり超上級者向けじゃないか。しかも鎧着込んでるから泳げないんじゃないのか?」
『まあ日本の武士も鎧を着たまま泳げたと言いますし大丈夫でしょう! 気合ですよ!』
「適当だな……ええい、ままよ!」
ドボン!
「ああ……ちょっと待って! 溺れ……ない」
『だって一番深いところが二メートルで貴方の身長が二メートルちょいですよ?』
あ……
「自分の身長を完全に忘れてた……」
『ふふふ、間抜けですねぇ。じゃあ足がつくのもわかったところで魚を捕まえちゃいましょう!』
「間抜けって……まぁ、否定はしないけど……」
『否定しないんですね……』
「そんなことより早く魚を捕まえるぞ!ほら、魚影が見えてるんだから!」
それにしてもでかい魚影だな……全長百二十センチはあるんじゃないだろうか
このサイズならむしろ簡単そうだ
「そういえばこの魚ってなんて言う魚をなんだろう」
『あれは……恐らくイトウですね日本では中々見かけませんよしかもあの魚は北海道とかに主に生息しているのですがここに居るとは……適応力が高いですね、これも歪みの影響でしょうか』
「こんな所にも影響が……それはそうとイトウって確か鮭の仲間だったよな、なら焼いたら美味しそうだな」
『おお、良いですねぇ』
「よし、考えると腹が減って来たしちゃっちゃと捕まえますか!」
『頑張ってくださいね!』
ザブンと水の中に潜ればイトウの群れが見える
息を止めながらゆっくり近づく
掴むのはエラの辺りと尾びれの付け根だ
こっちの方に近づいてくるのを待って……
おりゃ!
「獲ったどー!」
俺の手の中にはしっかりとイトウが握られていた
『やりましたね!活きのいいうちに捌いてしまいましょう!』
「そうだな、そうしよう。確か小型魚より大きい魚はエラの根元の膜にナイフを突き込んで締めるんだったよな」
『合ってますけどそんな知識どこで手に入れるんですか……普通に生活してたら使うことなんて殆どありませんよ……』
「まあまあ、そんな事はどうでも良いじゃないか」
そう言ってナイフを取ろうと腰に手を伸ばすと……
「ナイフが、無い……」
『ええ!? 大変ですよ!鉈はあるんですか?』
「鉈も無い……」
『あちゃー、やっちゃいましたね……』
「とりあえずイトウは手で締めるか……」
そう言いつつイトウのエラの付け根に指を突き込む
そして川につけて血抜きをする
血抜きをしながらボーッとしていると
『後ろに飛んでください!』
「わ、わかった!」
何の事かはわからないが反射的に飛び退る、すると━━━━━
「ガアアアア!」
ガチンッ!と目の前で顎が閉じる
「なんだコイツは⁉︎」
『ふむ、コイツはクロコダイルですね。なんでこんな所に居るのでしょう……あ、このクロコダイル僅かに魔力反応がありますね。だから普通は居ない場所にも居るのでしょう』
「マジかよ……」
『恐らく血の匂いにつられて来ただけでしょう、なのでちょっと攻撃したりしたらすぐに退いていくでしょう。だから実戦訓練だと思ってこっちから仕掛けましょう!』
「ええ……危ないことは嫌だぞ……」
こんなところで怪我でもしたらたまったもんじゃない
『まあ、いざとなったら輝夜ちゃんを呼べば大丈夫ですよ』
「……わかった、やってやろうじゃないか」
次回は戦闘回ですよ!
感想はログインしていない人でも書けるようになってますよー!
次回投稿は火曜日に投稿する予定です!




