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鎧の魔物奮闘記  作者: 晴れ甲羅
第一章 転生編
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第十五話〜帰ってきたぞ!~

遅れて本当に申し訳ありません……


***


「なあシージア、輝夜に飯とかあげたほうが良いのかな?」



『ご飯ですか、今すぐにあげる必要はありませんよ。まだ消化器官が完成していないので今のところ光合成だけで充分ですね』


光合成で大丈夫なのか、便利だな

でも光合成ってどこでするんだろうか、見た感じ光合成できそうな器官が無いな……よし、シージアに聞いてみるとしよう


「シージア、輝夜ってどこで光合成してるんだ?見た所、光合成が出来そうな器官がないんだが」



『お、良い質問ですね。じゃあ貴方はどこにあると思いますか?』


うーん……一番太陽光が当たりそうな場所は……


「甲羅か?甲羅なら背中にあるから太陽光も当たりやすそうだしな」



『正解です、ベヘモスは甲羅に光合成を出来る仕組みがあるのです』



「でも甲羅って面積が小さいけど充分に光合成を出来るのか?」


一見広いけど平面だしな……


『お、よくぞそこに気が付きましたね。じゃあ輝夜ちゃんの甲羅をじっくり見てみてください、中々に面白いことになっていますよ』



「そうなんだな、どれどれ……」


そう言いつつ輝夜の甲羅に触れてみると


「おお⁉︎ なんだこの感触は⁉︎」


なんだかフワッとしているぞ!

ん?これは……


「毛が生えているのか?」



『そうなんですよ、この毛自体も光合成は出来るのですがその毛に植物、主に樹木を生やして光合成を行わせたりその木に住みつく生物の死骸などの有機物を吸収して栄養にもするんですよ』



「そうか! だから成体のベヘモスは背中が森っていうか山みたいになっていたんだな」


あれはちゃんと意味があったんだな……なんかいつの間にか生えてきたのかと思ってた……


『ですね、だから輝夜ちゃんが成長したら輝夜ちゃんの背中で暮らすのも良いかもしれませんねぇ』



「それも良いかもしれないな。小屋とか建てたら快適そうだなぁ……と今はどうやって森に戻るか考えないといけないな」



『それについてはですね、ここがどこか分かったので問題ないですよ!』


え、ここがどこか分かっただと!


「一体ここはどこなんだ、シージア?」



『ここは……カナタリ渓谷です!』



「なるほど知らん!」



『ですよね〜』


逆に知っていたら怖いだろうに……


「で、そのカナタリ渓谷とやらはどんな所なんだ?」



『カタリナ渓谷はですね高地の森林地帯と低地砂漠地帯の差がはっきりと分かれているのが特徴となっていますね。だから一度低地の砂漠地帯に落ちてしまうと高地の森林地帯に戻り難いわけなんですがそれには例外があるんですよ』



「その例外ってなんなんだ?」



『川です、最初は滝だったのですが長い年月をかけて侵食されて傾斜になってきたんですね。だからその傍を通れば上の森に帰ることができるはずです。幸い川はここにありますのでこれに沿って遡っていけば森に帰ることができるはずです』



「そうなのか! じゃあ早速森に戻ろう!」



『その前にトカゲ肉をとってきてからですね』



「おっと、忘れるところだった……危ない危ない」



***


「よっしゃー! 帰ってきたぞー!」


結論から言うと森には何事もなく帰ってくることが出来た

十時間以上歩いてきたので逆に何もなさすぎてつまらなかったほどだ

ワルドサーペントの縄張りを迂回してきたので襲われることもなく無事だった


「これからどうしよう、もうそろそろ寝ようかな……かなり疲れたからな」



『輝夜ちゃんの背中で寝たらどうですか? かなりフワフワで寝やすいですよ。輝夜ちゃんが嫌がらなければですがね』



「輝夜の背中か……良いかもしれないな」


とりあえず登って見よう


「よいしょっと」


背中に登られた輝夜はというとこっちを少し見ただけで特に嫌がったりはしなかった、嬉しい


「おお……これは!」



『どうです? 気持ちいいですか?』



「ああ……これは凄いぞ……フワフワで柔らかくてあったかくて包み込まれるような……って本当に包んで来てる!?」


背中の毛が這い上がってきたぞ⁉︎


『お、なんだか王蟲とナウシカみたいな感じになってますよ』



「それはそうとだんだん眠くなってきたな……おやすみ、シージア」



『はい、おやすみなさい』



***



『起きてください! 大変ですよ!』



「ん……どうしたんだシージア?」


朝から一体どうしたんだ?


『転生者がこっちに向かってます!恐らく後半年ほどでこの森に到着するものと思われます!』


転生者? なんでここに向かって?


「な、なんでここに向かってきているんだ?」



『恐らくこの世界の神々が輝夜ちゃんが生まれたのに気が付いてこの辺りを調査して私たちに気がついたのでしょう。だから自分たちの脅威になる私たちを排除するために転生者を送り込んできたのでしょう。妨害魔力を出して一帯を見にくくしておければよかったのですがいかんせん魔力が足りなくて……』



「その妨害魔力とやらはその名の通りジャミングみたいなものなのか?」



『はい、そうです。ですが探査を妨害するだけではなく魔法全般を妨害しますね』


魔法を妨害……色々と役に立ちそうだな


「そうなんだな。そういえば転生者がこの森に来るまで半年後と言っていたが半年もあれば十分じゃないのか?」



『いいえ、全然足りませんよ! いっぱいすることがあるんですよ!』


いっぱいあるのか……大変そうだなぁ


「例えば?」


聞くのも怖い……


『この世界の言語を三言語ほど習得して貰います、それから体力をつけて武術、体術を習得して武器を製作してサバイバル術を習得して……』



「そりゃ半年じゃしんどいよな……」



『そうですよ! と言うわけで……』



「と言うわけで……?」


なんだか嫌な予感が……


『今日から特訓です!』



「ええ⁉︎ 今日から⁉︎」



『もちろん今日からですよ! 善は急げです!」


物凄くしんどそうな予感がするぞ……



次回は余裕を持って二日後の投稿とさせて頂きます……25日に投稿です

次回:シージアの特訓Part1

です!


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