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幼馴染み姉妹は僕に何を思う  作者: 佐古昭博
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姉妹対決

 昨日はあまり眠れなかったな。


 ……勝つのは至難の業ですが、かといって諦めません


 洋の芯の強さを改めて感じた。

 僕は布団から起き、キョロキョロと見ると、凛だけがまだ寝ていた。

 今日は日曜日。部活も無く、のんびりと過ごせる。

 二度寝しようとしたが、眠れなかったので、1階に降りたら料理が出来上がっていた。


「連ー。凛ちゃんを起こして来て」


 母に言われたので、凛を起こしに行った。

 僕達は静かにご飯を食べた。


「どうしたの皆。何かあったの?」


 僕達はドキッとした。

(母さん余計な勘を!)


「とくに何にもなかったわよ。ねえ、凛。連ちゃん」

「う……ん」

「まあな……」


 朝ご飯を終え、藍は片付け、凛と僕は部屋で自分のことをした。

 そしたら凛が話してきた。


「なぁ、連」

「ん? どした?」

「峰岸さんのことだけどさ」

「う、うん」


 僕はつい身構えた。


「どう思ってる?」

「どうって?」

「好き?」

「いや……」


 好きと言われればまだである。かと言って嬉しくないかと言われればやはり嬉しい。


「まだ好きではない程度だな……」

「……そか」


 凛は少しホッとした顔つきになった。


「けど……」

「?」

「気にはなり始めている」

「! そか。そうだよね……」

「……」

「……」


 僕は一体どうしたら良いんだ! 藍という好きな女子がいるのに。揺れ動き始めている!


「お待たせ~。ありゃ、どうしたの? 部屋がお通夜みたいになって」

「あっ、いや何でもないよ」

「そ、そうだよ。何でもない」

「そうだ。せっかくのゆっくり出来る日曜なんだ。楽しもうぜ」


 僕は盛り上げたが、


「そ、そうね(だな)……」


 二人はいまいち盛り上がらない。

 やっぱり昨日のことを引きずっているのかな……。

 そうだよな。洋の決意のインパクトは十分あったよな。

勝つのは至難の業ですが、かといって諦めません……か。

 ったく、言ってくれるな。


「あのね。連ちゃん」

「? 何?」

「峰岸さんのことどう思っている?」


 また来た。


「好きかどうかってこと?」

「うん……」

「……」

「……好きまではいかないけど、気になり始めている……」

「! そか。そうだよね……」


 僕達は黙った。そして二人が同時に言った。


「じゃあ、こうしましょう(こうしよう)

!」

「ん?」

「今日は私とデートしよう(な)!!」


 二人はお互いを見合った。


「凛。怠けていたら運動不足になるわよ」

「ねーさんこそそろそろ模試が始まるんじゃないか? 校内一位の座から後退するんじゃないか!?」


 二人はぬぬぬと睨み合った。


「じゃあ、三人で一緒に行かないか?」

「それじゃあ駄目なの(なんだ)!」


 二人は珍しく真剣な眼差しで言った。


「ど、どうして?」

「それは……」


 二人はもぞもぞしながら言葉を濁した。


「?」

「とにかく、駄目なものは駄目なの(だ)!」


 凛はともかく、頭脳明晰な藍さんが理由にならないこと言ってます。


「けどそれじゃあ、どうするんだ?」

「それは……」

「なら、じゃんけんで決めよう」


 凛が言った。

 じゃんけん。かなり古典的だが平等に決めるには最適な方法の一つだ。


「最初はぐー、じゃんけん」

「ぽい」

「あいこでしょ」

「あいこでしょ」

「あいこでしょ」

「あいこでしょ」

 ……


 20回しても決まらなかった。流石は双子……なのか?


「じゃあ、次はくじ引きで決めましょう。これなら間違いないわ」


 藍はくじ引きを提案した。

そして二人専用のくじを作り、それぞれ引くと、凛が当たりを引いた。


「やったー。私が連とデートだぁ!」

「そんなに嬉しいのか?」

「!? 違うし! 別にそこまであんたと一緒にいるの嬉しくないんだから。でもまっ、せっかく当たったんだから行くわ」

「はぁ……」


 よく分からんが、今日は凛とデートします。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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