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「魔王」  作者: 豊川颯希
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勇者と仲間たち

むかし、このせかいにまだ「まおう」がいたころ。

とてもなかよしなさんにんのしょうねんがいました。

ひとりはまほうにすぐれていました。

ひとりはけんをつかいこなしました。

ひとりはふたりほどではありませんが、どちらもおなじくらいつかえました。

さんにんはおなじとしにうまれ、おなじむらですごしてきたちくばのともでした。

さんにんがせいねんになるころ、むらにせいじょがやってきました。

みらいをみることができるせいじょは、さんにんが「まおう」をたおすゆうしゃとそのなかまたちであることをつげました。

さんにんははじめはしんじられませんでしたが、せいじょがのちにゆうしゃとよばれるせいねんがもっていたぼくとうをせいけんにかえるのをみて、「まおう」をたおすたびにでることをけついしました。

「まおう」をたおすたびには、さまざまなしれんがありましたが、よにんはきょうりょくしてたちむかい、とうとう「まおう」をたおしました。

しかし、「まおう」をたおすさい、ゆうしゃはじぶんが「まおう」のまつえいであったことをつげました。

ゆうしゃをのぞいたさんにんは、もちろんひどくおどろきました。

ですが、ゆうしゃは「まおう」のいちぞくであるまえに、くなんをともにのりこえてきたなかまです。

ほかのさんにんがきにしないことをつげると、ゆうしゃはあんしんしたようにほほえみました。

しかし、「まおう」がきえても「まおう」にたいするうらみはすぐにはきえません。

「まおう」のいちぞくであるゆうしゃにふくしゅうしようとするひとや、つらくあたるひとはあとをたちませんでした。

ゆうしゃのしんゆうであったふたりは、はじめはゆうしゃをかばっていました。

しかし、きしはやがてゆうしゃをにくむようになりました。

きしがこいをしたせいじょは、ゆうしゃをしたっているようにみえたからです。

また、まほうつかいはゆうしゃをねたむようになりました。

ゆうしゃのまほうが、たびのあいだにせいちょうし、まほうつかいよりもはるかにつよくなったからです。

せいじょは、かわっていくさんにんのかんけいをなおそうとしては、こじれていくのをかなしそうにみていました。

こうしてゆうしゃとそのかぞくは、いまわしい「まおう」のいちぞくとして、ひとびとにきらわれるようになりました。

ゆうしゃはいちぞくをつれてせけんからすがたをけし、ひっそりとかくれてくらすようになりました。

のこったさんにんは、それぞれをしたうひとびとのしどうしゃとなり、くにをつくりました。

きしのくには、ゆうしゃのいちぞくをあくとみなし、せいぎのなのもとにようしゃなくはくがいしました。

まほうつかいのくには、ゆうしゃのちからをもとめ、ゆうしゃのいちぞくをあくまとよんでまほうのけんきゅうにりようしました。

せいじょはだれともけっこんせずに、ただひたすらじぶんのくにをまもることにちからをそそぎました。

しきがちかくなったせいじょのめに、ひとつのこうけいがうかびました。

ゆうしゃのなかまたちがしんでからも、ひとびとはゆうしゃのいちぞくをきらい、きずつけていした。

それはかつて、ひとびとのいのちをなんともおもわず、かんたんにきずつけていた「まおう」のすがたにうりふたつでした。



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