シャルルの恋は粘り勝ちなのでっす!
私はジョルジョさんに連れられて森を抜け、そのままギルドに連れて行かれた。
「クリスティさんにマスター!びしょ濡れで!」と受付のお姉さんやお兄さんに驚かれて、私は「おはようございまっす」と挨拶をしたのだが、ジョルジョさんは「ああ、奥使うぞ」というと、ずんずんと私を引っ張ってギルド職員が使う通路に入って行き、そのまま、なんだか偉い人が使いそうな部屋に連れて行かれると、「おい、奥のシャワー室使え。身体が冷えてるだろ?」と言われた。
「いやいや、こんな立派な所はですね、お金をとられてしまうので、家に帰ってちゃんと洗いまっす」と言うと「うるせえ、俺に洗われるのと、自分で洗うのとどっちがいいか選べ」と凄まれたので、私は「自分で洗いまっす」と、シャワー室へと入っていった。
三日も森で魔物避けを塗ったり使い、その上、雨にぬれて泥だらけになっていた私は、ゴシゴシしながらシャワーを浴びると、シャワーの水を真っ黒にしていた。
身体を綺麗に洗いながらも、温かいシャワーを浴びていたら、ちょっと眠くなってしまって、トロントロンしてると、またどこからか天使の声が聞こえてきた。
「おい!!!遅いと思ったら、なんでシャワー浴びながら寝てんだよ!!馬鹿か!!!」
「ふええ?もう、ここは安全ですね。ふむー、おやしゅみなさい」
「寝るな!!!身体をふけ!!!風邪ひくぞ!おい!もう俺がふくからな!!」
「ふわあ、へい。ごしんせつに。よろしくおねがいしまっす……ぐう」
「こいつは馬鹿か」「本当に俺の事好きなのか?」「危機管理間違ってるだろ」「なんとも思ってないんじゃないか?」とか聞こえながらたくましい腕にころりん、ころりんと転がされて気付いたらふかふかのベッドに寝ていたのだ。
そして、良い匂いで目が覚めた。
「ん?あれ?ここはどこなのでっす?」
見慣れない天井に首をかしげていると、「起きたか?」と言ってジョルジョさんの声がした。
「あれ?ジョルジョさん?おはようございまっす?朝から至高のお顔を眺められて最高でっす」
「ああ。腹減ってるだろ?スープとパンを持ってくる。待ってろ」
「はい、待ちまっす」
起きてすぐにジョルジョさんがいるなんて、最高だ。
私がいい子に待っていると、一度ドアから出て行ったジョルジョさんが、温かいスープとパンを持って戻ってきた。
「ほら、食え」
「はい、いただきまっす」
もぐもぐ、美味しい。これは安定のジョルジョさんの味。最高だ。うん、しかもジョルジョさんがいる。なんて幸せだ。
「あれ?なんでジョルジョさんがいるんですか?」
「おい!!お前!覚えてないのか!!」
「あ!賭けだ!くそぅ!私の負けですね!!三日月の短剣には愛の言葉彫ってジョルジョさんに捧げる事にしまっす!!」
虹色クローバーはみつからなかった。やっぱり伝説級と言われたものはそう簡単には見つからないのか。
「この馬鹿!!!」
「え?バカ?人気のD級冒険者にジョルジョさん酷いのでっす。まあ、確かに賭けには負けましたけれども。しかし、負けを潔く認めるのもかっこいいのでっす。私はかっこいい冒険者なので、負けは認めるのでっす」
うむうむと頷いていると、「おい!この馬鹿って言ってんだよ!」と、また悪口を言われたので、少し小さな声で反論をしてみた。
「バカバカ酷いのでっす。でも、今日だけですよ。明日から悪口を言ったら、こっそり私もジョルジョさんの事、愛するバカジョルジョと言うのでっす」
「おい、うるせえ。で、なんで、そんなに虹色クローバー欲しかったんだ。お前の願いは何だったんだ?」
私のほっぺを引っ張りながらジョルジョさんが聞いてきた。
酷い。質問して引っ張るのは酷いと思う。
「しょれはでしゅね、きゅろーびゃーをあげりゅと、しょのひとがしあわしぇに、なりゅからでっしゅ」
「あ?」
「じょりゅじょしゃん、しゅきでしゅよ。しあわしぇになってくだしゃい」
私がそう言うと、ジョルジョさんは私の頬から手を離して自分の顔を覆った。
「お前、本当に馬鹿だな」
「私、ずっと悪口しか言われていません。ちょっとジョルジョさん、酷いと思いまっす」
「じゃあ、お前、俺の事嫌いか?」
「いえ、大好きでっす。それとこれとは別の話でっす」
「そうか、俺もな、お前、馬鹿だけどな。シャルルの事好きだ」
私が悪口を言われたくらいでジョルジョさんの事を嫌いになるわけがない、私もこっそりバカジョルジョと言えば問題なし、と思っていると、突然、耳の調子がおかしくなった。
「ん?なんだかバカジョルジョさんの幻聴が聞こえまっす」
「おい、お前、俺の事バカって言ったな?」
「あれ?治ったみたいですね」
なんだ、雨に打たれたせいで耳の調子が悪くなったのかと、思って耳をほじっていると、今度は耳をジョルジョさんに引っ張られた。
「毎日毎日!!!こんなおっさんにお前は大好き大好き言いやがって!!!お前、俺の告白流したろ!!おい!俺もな!シャルル!お前の事が好きなんだよ!!!」
「ふええええええ!!!!!なんですとおおおおお!!!!聴き間違いじゃなかったのでっすかあああ!!!」
驚いていると、ぎゅっとジョルジョさんに抱きしめられた。
「お前、こんなおっさん、落としたんだからな。覚悟しとけよ」
「ふわあああ。ジョルジョさんの胸があああ!!ジョルジョさん大好きでっす!!」
「うるせえ、俺も好きだ」
私はその後、ジョルジョさんの美味しいご飯を食べながら改めてジョルジョさんの事を聞いていると、ジョルジョさんがギルドの食堂マスターではなくギルドマスター兼食堂でご飯を作っている人と言う事に驚く事になった。
「勘違いしてんだろうな、とは思ってたが、おもしれえから放っておいた」
「美味しいご飯作る人ではなかったのですか…」
「いや、美味い飯は作ってるから間違ってはないだろ。お前、ギルドマスターの名前くらい覚えておけよ」
「マスターの名前はクロムウェルさんです」
「ああ。おれはジョルジョ・バレット・クロムウェルだ。本当、お前、馬鹿だな。でも、そんなお前を好きな俺も本当馬鹿だな」と言われてしまった。
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そしてこれにて完結です。イケオジと、そのイケオジが大好きな女の子が描きたくて作った物語です。
続きもあったり、なかったり。シャルルは童顔なだけで、少女ではありません。立派な冒険者なので、ジョルジョはロリコンではありません。
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