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「大好きだった花売りのNPCを利用する事にした」  作者: ひとみんみん


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【踊り子ベリーとの話】「ダンジョンじゃなくて街「リリス」の周りのモンスターを討伐することになった件について」

「我、ダンジョンの外出たい。クアト氏お願いだ」


 ベリーちゃんとはそんな要望もあって、ダンジョンの外、街「リリス」の外でモンスターを討伐することになった。


「分かった。いいよ」


 考えてみればベリーちゃんはずっとダンジョンカジノに居た。

 そりゃあ、外に出たいだろう。


 という事で、やってきましたリリスの街の外。

 久しぶりだ。

 冒険を開始した時に、薬草摘みばっかりやった時以来だ。

 馬車の時はほぼ馬車だったしなぁ。


「な、なんだあの露出度の高いエロい美女」

「ダンジョンカジノの踊り子らしい」

「しっ、気軽に近寄るな。ああ見えても固定職業の奴らしいぞ。爆発しても俺は知らないからな」


 と、他の薬草摘みや低級モンスターを追いかけている冒険者たちが、僕たちを見てひそひそと噂をしている。


 改めてベリーちゃんを見ると、さわやかな草原の中に、露出度の高い踊り子衣装と銀髪に菫色の瞳の女性だ。

 すごく目立つ。

 でも、ベリーちゃんは真顔で特に気にならないみたいだ。


「クアト氏、空だ! 森だ! 森に行こう!」


 ベリーちゃんは目を輝かせて森の方に駆けていく。

 ずっとダンジョンにいるキャラだから、外が嬉しいのかもしれない。


「よし。鳥やウサギ、モンスターを狩ろう! 我、支援魔法する。シャープ、クイック、ウオール」

「了解。火炎剣!」


 森に入ってから、それぞれ僕たちは魔法とスキルを使い始めた。

 周りに誰もいない。

 僕たちの周りには鳥やウサギのような低級モンスターが集まってきている。


 ベリーちゃんの魔法で強化された僕の火炎剣で、さくさくとモンスターたちが倒れ、次々にドロップ品を残して消えていく。

 あ、僕の『魔法騎士』のスキルの炎はモンスターではないフィールドオブジェクトには無効だから大丈夫だ。

 安心して森の中でも火を放てる。

 まあ、ゲームの中でもそうだよね。


 僕は力を使い始めたからなのか、外でも『魔法騎士』の白銀の鎧になった。

 ……この専用装備はダンジョンの外ではすごく目立つ……。

 森の中に来てよかった。


「え……? ベリーちゃん?」


 さくさくと低級モンスターを倒す作業をしていて、ふとベリーちゃんの方を見ると真顔で泣いていた。

 一定間隔で「シャープ」「クイック」「ウオール」「ヒール」の支援魔法を唱えながら泣く踊り子とか怖い。

 もちろん一定時間放っておくと泣く仕様はゲームの踊り子にはなかった。


「どうしたの?」


 ……もちろんこの間も低級モンスターを倒している。


「我、本当に自由だ。クアト氏、クズと言ってごめんなさい。ありがとう。フローリア氏に聞いた。クアト氏が我を連れていこうとした、と聞いた。我、とても感謝だ」

「そんな、実際にベリーちゃんはとても役に立ったしね。クズは……実際僕は、フローリアちゃんのスキルに頼りまくってた、まあヒモというかクズというか。当たらずとも遠からずというか」

「クアト氏、フローリア氏に大事にされている。そんな言うだめだ」

「……うん。そうだね。今後は無理にでも自信をもってフローリアちゃんと助け合って暮らしていくよ」

「我もパーティー仲間。クアト氏、フローリア氏を助ける。クアト氏、我に声をかけるといい」

「うん、ありがとう」


 ベリーちゃんは泣いてはいるが支援魔法を唱え続けている。

 正直、シャープとクイックを掛けられすぎて、周りに低級モンスターのドロップ品が山積みになってきた。

 僕は一体今、何倍速で攻撃力は何倍になっているんだろう。

 集まってくるモンスターが攻撃の端から消し飛んでるんだけど。


 今日はダンジョンの外だから稼げないかな? と思って外に出たけれど意外とそうでもなかった。


 その後、アイテム袋(冒険者ギルドで高額で借りたフローリアちゃんのマジックボックスを袋にしたようなアイテム)に山盛りの低級モンスター(時々中級モンスター)のドロップ品を入れて帰った。

 面倒くさいので、すべて冒険者ギルドで換金した。

 結構な金額になったので、フローリアちゃんに喜んでもらえた。

 ベリーちゃんが泣きすぎて目と顔がはれ上がって、僕が泣かしたんじゃないかと叱られかけた以外は快適な一日だった。

読んで下さってありがとうございました。

もし良かったら評価やいいねをよろしくお願いします。

また、私の他の小説も読んでいただけたら嬉しいです。

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