【遊び人のリゾッタとの話】「リゾッタとはお互いあんまり好きじゃない。フローリアちゃんに言われなかったら行かなかったかもしれない」
次はちょっと経ってから、リゾッタと話をするように言われた。
今日も今日とてリリスのダンジョンに潜っている。
今日は二人で火のステージを攻略している。
リゾッタが居るからスキル「パラダイスリゾッタ」のおかげでさわやかな空気だ。
ただしリゾッタはピエロ姿のまま、僕は水着姿だ。
一人でこんな格好で剣を振るっていてそれはそれで恥ずかしい。
今日のリゾッタのパフォーマンスはインラインスケートだ。
ダンジョンを嘗めきっていると思う。
でもレベルが上がった僕たちは、11階以降にいる宝箱型モンスター「トレジャーハンター」も楽に倒すことができている。
「ダイヤ! ルビー! エメラルド! 剣! 盾! 鎧!」
「トレジャーハンター」が喋りながら迫ってくる。
けれど、前のように慌てたりしない。
こっちのレベルが十分に上がっているというのもあるけれど、前世の事を思い出した際に、「トレジャーハンター」の弱点を思い出したのだ。
普通に口の中が弱点なので、開けている口めがけてどんどん攻撃を仕掛ければいいだけだった。
「そーれ☆」
幸いリゾッタの投げナイフは狙った所に正確だ。
……インラインスケートを履いているのに。
何度もトレジャーハンターのレアドロップ「聖人のローブ」を狙って倒しているけれど、思ったより落ちない。というか全然落ちない。
「ははっ☆ 実は自分、クアトくんの事あまり好きじゃない☆ もちろん魔王を倒せて感謝はしているんだけどね☆ ありがとう☆」
「僕もリゾッタのせいでフローリアちゃんが倒れたことあったしあんま好きじゃない。もう固定職業の呪い? 解けたならピエロメイクとかパフォーマンスとか終わりにしたらいいのに」
お互いさまという事で、僕は本音を言った。
「ははっ☆ 自分達気が合うね☆」
リゾッタはこげ茶の目を見開いた後にっこりと笑った。
「なんでもっと早く来てくれなかったんだろう? クアトくん☆ 魔王はずっと昔から居るのにね☆ 寂しかったよ☆ 自分は解放されたけど寂しいピエロだよ☆」
「知らない。この前魔王の戦闘後に喋ってた女の人のタイミングだろう」
「もっと自分みたいに寂しい固定職業の人たちがいると思うんだ☆ クアトくんだけなんだよ☆ 救えるのは☆ 酷いよね☆ でも、自分は、一番最初にクアトくんと魔王を倒す列に無理やり割り込んだ☆」
「……」
リゾッタが思わせぶりな事を言う。
この前に皆で話したときに、僕にお願いされた件の関連だろう。
その件についてはまた改めて皆で話すことになっている。
「ダイヤ! ルビー! エメラルド! 剣! 盾! 鎧!」
「トレジャーハンター」がまた喋りながら迫ってくる。
僕はとっさに属性剣を振るった。
「流水剣!」
僕はあっさりトレジャーハンターを倒せた。
そしてフローリアちゃんがいないけれど、パーティーがクリスタルフラワーを持っている扱いなのか『幸運値小アップ』があるのかレアドロップ「聖人のローブ」が落ちた。
僕が冒険を始めた時に夢見ていた無双の強さを手に入れられていた。
だけれど、高揚感や無双感はなく、リゾッタのせいで結構気持ちが重かった。
「気持ちを切り替えるためにリゾッタが男か女か教えて。せっちゃんが教えてくれなかった」
「ざんねーん☆」
リゾッタの決め台詞「ざんねーん☆」を久しぶりに聞いた気がする。
やっぱりちょっとムカついた。
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