表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「大好きだった花売りのNPCを利用する事にした」  作者: ひとみんみん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/48

「ダンジョンカジノって素敵な所ね」

※10/15(土)本日二回目の投稿です。最新話からアクセスしている方はお気を付けください。

 クアトくんとダンジョンカジノに入ると、魔導椅子という見た事がないものに乗れた。

『こっちに進みたい』とつよく思うだけで、その方に進む。

 ずっとクアトくんに抱き上げてもらいながら進むのはちょっと気をつかうとこだったので助かった。

 私が色々考えてダンジョンでミスしたせいもあるけれど。

 最近、クアトくんにおいしいお弁当を作ろうと思って、色々試食していたら体重が増えたように思っていたから……。


 あれこれ考えながらクアトくんに着いていくと、黒服の人がカードを配っている所で立ち止まった。


「フローリアちゃん。ここでコインを稼いでフローリアちゃんにプレゼントしたいものがあるんだ」

「そうなの? ここは何をしている所?」

「ここはリリスゲート式大富豪のコーナーだよ。僕、これでなら全国ランキング入った事あるし。任せて!」


 クアトくんは自信満々で席に着いた。


 え、なんのランキングだろう。

 というか、このダンジョンカジノに居るちょっとお金持ちっぽい人たちはどこから来たのかしら……。


 クアトくんと居ると本当に色々不思議なことばっかりで飽きない。

 とりあえず、ここでクアトくんがゲームしているのを待って居ようかな。


「軽食はいかがですか?」


 ボーっとクアトくんを眺める私に、横からチーズやミニサンドイッチが差し出される。

 見るとスタイル抜群のバニーガールが、ニコニコしながら色々載ったお盆を持っていた。


「あ、いえ、結構です」

「失礼いたしました」


 顔が引きつっているのを自覚しながら断ると、バニーガールはあっさり引き下がる。

 軽食が出るなんてどういう運営してるのかな。利益はどうなってるのかな……。


「そろそろステージの方でベリーダンスが始まりますので、どうぞご覧ください。その後は手品ショー、その後は動物たちによるプチサーカスです。ダンジョンカジノはあらゆるお客様に応えます。どうぞごゆっくり」


 バニーガールの横から黒服の人が声をかけてくれた。

 ベリーダンスは何だか分からないけれど、手品と動物は見てみたい。


 ちらっとクアトくんを見ると、カードゲームに熱中しているみたいだ。

 私はステージの方に行ってみることにした。


 魔導椅子に乗ってステージの方に行くと、黒服の男の人が誘導してくれて前の方に通された。

 魔導椅子に座っている人はずっと座っているからなのか前の方に座れるみたいだ。


「レディースアンドジェントルマーン! 今からベリーダンスの始まり始まり~!!」


 ちょうど私がステージ前に着くと、様々なライトで照らされたステージにびっくりする格好をした女の人と男の人が出てくるところだった。


 特に女の人が水着みたいな上を着て、下は長いスカートみたいなのを着ている。

 というか、リゾッタの口笛で水着になった私のような恰好をしていた。

 私の水着に複雑な模様を付けると女の人の服装になる。


 え、私、踊る人の格好していた?


 とりあえずダンサーの人たちを拍手で迎えると、ステージの上で激しく踊り始めた。

 露出がすごいのとなんというか妖艶なのと、体力使いそうでとにかくすごい。

 腰の動きとかびっくりする。


 特にすごいと思ったのは、周りの人たちの声援(やじ?)が特に大きかった、銀髪に菫色の目の美人の踊りだった。

 褐色の健康的な肌色に鮮やかな水着のような衣装が映えている。

 派手なメイクに縁取られた菫色の目の視線がこちらにくるとドキッとした。

 腰や手の動きもすごかったし圧倒されたけれど、後半の腰回りに巻いていた布をひらひらさせながら踊るのがすごいの一言だった。

 自分に語彙力がないのが唐突に恥ずかしくなる。


「………素敵」


 私は本当に小さく呟いた。

 思わず口から出てしまったのだ。


 すると、菫色の目の美人さんが私のつぶやきが聞こえたように、踊りながら確かにこちらを見てほほ笑んだ。

 すごい美人。

 きゅーん、と胸の辺りが苦しくなる。

 あの笑顔は私にくれたんだわ。


 それから私は周りの声援に合わせてなりふり構わずに一緒に声援を送っていた。


 しばらくはベリーダンスと菫色の目の美人さんの衝撃でボーっとしていたけれど、その後のステージも面白かった。

 手品もハトが何故か帽子から出て面白かったし、動物さんたちが一生懸命輪をくぐったり積み上げたキューブの上を飛び移ったり自転車に乗ったりするのも面白かった。


 ……気づけば長い時間楽しんでいた。

 時折お腹が空いたなと思っても良いタイミングで横から軽食が差し出されるし、薄めた疲労回復のポーションのサービスもあるし、良いタイミングでお手洗い休憩になるから自分が何時間ステージを見ていたのかは分からなかった。


 ん……? あれ?

 それにしても私、何でここにいるんだっけ?


 何か大事な事を忘れているような……?

菫色の目の美人さんも、最前列に金髪のおさげで緑の目のお人形みたいな女の子が座っていたら見ちゃうと思う。フローリアちゃん赤いドレス着てるし、きっと目立ったんだ。


読んで下さってありがとうございました。

もし良かったら評価やいいねをよろしくお願いします。

また、私の他の小説も読んでいただけたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ