プロローグ
「暑いな、、、」
そう感じると共に目を覚ます。今日は12月29日。冬休みということもあってゆっくり寝れた。スマホで時間を確認すると11時58分だった。ベットから出たはいいもののそれでも暑い。勉強机の上に置いてある時計で温度を確認した。34℃だった。
暖房の温度を確認すると20℃だが、部屋が暑くなりすぎていて動いていないようだった。部屋から出て洗面所に行って顔を洗う。部屋の中だけかと思ったがどうやら家の中すべて暑かった。まるで夏かと思うほどに。そうこうしているうちに段々と部屋が涼しくなってきた。冬なのに涼しい部屋に喜んでいることに違和感を覚えながらも朝暑かったのはたまたま何かがおかしかったのだろうと安堵していた。
明後日にはおばあちゃんの家に行かないといけないので早めに宿題を終わらせておこうと思って部屋に戻ると、起きたあとすぐ部屋を出たのでぐちゃぐちゃのままだった。ベットメイキングをしてカーテンを開ける。
「え?」
遠くに見える山には緑、黄、赤が入り交じっていた。まるで秋のような景色だった。でも、今は冬だ。それに昨日見た時には茶色の木の枝しか見えていなかった。
「今日はなんか変な日だな。」
そう思いながらも外も涼しかったので窓を開けながら宿題をすることにした。時計を見ると17時50分だった。気温がちょうど良かったからかいつもより集中できて気づけば5時間ほど経っていた。
「あとはすぐ終わる宿題だけだな。」
気づけば冬休みの宿題はほとんど終わっていて明日には全部終わらせられるだろうと思った。机の上を片付けてゲームを始めた。
「寒っ。」
時計を横目で見ると時刻は18時だった。
ついさっきまで見えていた夕焼けはもう見えず、
涼しかった部屋は一瞬のうちに寒くなっていた。僕は急いで部屋の窓を閉めて暖房をつけた。今日はどうにも気温の変化がおかしい。昼間は34℃だった温度計も今見ると6℃を指していた。ここは砂漠でも険しい山脈でもない。東京の都心からは少し離れたところにある家に僕は住んでいた。だというのに1日で28℃も温度が変わっている。
「やっぱりただごとじゃないのかな。」
そう呟くも、僕にはどうしようも無いので難しいことは考えずにいた。食事、お風呂を済ませたあと特にすることもなく暇だった僕はベットでスマホを触って時間を潰していた。日付が変わる。
「もうこんな時間か。」
その時の部屋の気温は16℃で涼しいくらいだった。
気温が大きく変化することに不快感を覚えながらも僕は寝ることにした。5時くらいに目が覚めた。少し暑いと感じたからだ。室温は20℃だった。冬のパジャマで20℃は当然暑い。僕はジャージに着替えて二度寝した。
翌朝目が覚めたのは9時だった。昨日より早い時間だからか昨日よりはマシだったがそれでも30℃に近い気温である。普段テレビも見ない僕もさすがにニュースを見ようと思いテレビをつけた。どのチャンネルでもこの異常気象の話ばかりだった。気象庁が観測したデータによると昨日は0〜6時は春、7〜12時は夏、12〜18時は秋、18〜24時は冬に近い状態だったらしい。そしてそれは今現在も継続されていると状態だという。それなら今のこの暑さも夏と言われれば納得だ。僕はふと昨日見た山のことが気になり自室のカーテンを開けた。山は緑が深々と生い茂っていた。6時より前に起きたら桜が見れたりするのかな、なんて思いながら僕は部屋を後にしてニュースの続きを見ることにした。
昼ご飯を食べたあと僕はまだやっていない宿題に手をつけることにした。僕は部屋の暑い空気を入れ替えるために窓を開けて宿題に取り組んだ。宿題が終わった僕はお菓子を食べようとリビングに向かった。リビングのドアに手をかけた時、突然後ろに何者かの気配を感じた。僕の家には僕と両親の3人しかいない。両親は共働きで今家には僕しかいないはずだ。そして僕は恐る恐る後ろを振り向いた。
しかし、そこには誰もいなかった。気のせいかと思い再びドアに手をかけようとすると、そこにドアはなかった。代わりに、狐の面を被った少女がそこに立っていた。
「ねぇ、あなたこんなところで何してるの?あなたの居場所はここじゃないでしょ?」
狐の面を被った少女はそう言って僕に包丁を突きつけた。あまりにも突然のことで僕は何を言うでもなく固まったままでいた。
「何とか言ったらどうなの。」
そう怒るように言った狐の面の少女は僕に包丁を突き刺したのであった。
「あなたの居場所はここじゃない」
その言葉が頭から離れない。
そっか、そういえば、そうだ
そう気づいたのと同時に痛みも感じないまま僕の意識は闇へと吸い込まれていったのだった。




