闇属性の再認識
毎日19時頃投稿予定です。
セレスティアとの緑属性に関する研究は、日々、俺の仮説を補強し、この世界の魔法の根源にある真理へと着実に近づいていることを実感させていた。植物の生命活動を操るその力は、確かに「イメージ」に強く反応し、微細な魔素の流れを再編するようだった。その現象を解析するたび、俺の頭の中では、前世の物理学の知識が活性化され、新たな閃きが生まれる。
「魔素の性質…これは……」
しかし、緑属性の深淵を覗けば覗くほど、俺の内に秘められた、もう一つの「異質」が、呼応するように微かな共鳴を始めた。それは、帝国の人間には決して備わらないはずの、「闇属性」の気配だった。
学園にいる間、この能力は徹底して抑え込み、存在そのものを意識の外に置いていたはずなのに、緑属性の、生命の根源に触れるような繊細な魔素の動きを解析するたび、闇属性の力がまるで自身の存在を主張するかのように、意識の底からじんわりと、あるいは深淵の底から響くような、抗いがたい引力をもって脈動する。
闇属性。これもいずれは解析しなければ……。
それは、まさしく俺の紛れもない本質の一部。魔族とのハーフであるという、この世界における「異物」たる証明だ。
(……この闇属性の力は、少しでも表面に出れば、学園どころか帝国全体から追われることになる。最悪の場合、捕らえられ、実験台にされる可能性だってある)
俺は冷静にリスクを分析する。アトレイディス家の名誉も、ジークハルトの功績も、俺の存在が露見すれば一瞬で地に落ちるだろう。ましてや、戦争をなくすという最終目標を達成するどころではなくなる。
俺の知的好奇心は、この闇属性の力そのものにも向けられていた。その本質、緑属性との共通点、そして帝国がこれを徹底して「悪」と断じ、理解しようとしない理由……。探求すべき謎は尽きない。しかし、今はまだ、その時ではない。
LPによれば、何か仮説を立てるにしても闇属性については情報が少なすぎるため難しいと言っていた。
俺が闇属性を自在に扱えるようになれば、もっと解析は進むだろう。だが、現状でそれは難しい。
(今は、何よりも隠蔽を優先する。俺の目標のためには、この力を決して表に出してはならない)
俺は、意識の奥底で脈動する闇の共鳴を、より深く、より強固に封じ込めることを改めて強く決意した。まるで、透明な分厚いガラスの壁で、その存在を外界から完全に遮断するかのように。
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