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短編集【家族のかたち】  作者: 福島ひかり


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まねっこ

俺には、三つ下の弟がいる。

何でも俺のまねをしたがって、どこへ行くにもついてきた。


ある朝、俺が学校へ行ったあと、まだ学校に通っていない弟がリュックを背負って家を出たらしい。母さんには黙って。

幸い、母さんがすぐに気づいて連れ戻したから、事なきを得た。


学校から帰って、リビングで宿題をしていると、弟がお絵かきセットを持ってきた。

俺の隣に座り、らくがき帳を広げて、よくわからないものを描き始める。

それを見て、俺も宿題に向き合った。

ようやく終わって、一つ伸びをしてから隣を見ると、らくがき帳だけでは足りなかったのか、弟はテーブルにまでクレヨンでよくわからないものを描いていた。

買い物から帰ってきた母さんが、そのテーブルを見て固まった。


夕飯に唐揚げが出たときは、俺が二個頬張れば、弟も二個頬張った。

そして、喉につまらせた。

慌てて背中を叩いて、なんとか唐揚げは取れたものの、そのあと二人そろって母さんに怒られた。


そんな毎日を繰り返して、俺も弟も大きくなった。


ある日、弟が彼女を連れてきた。

可愛らしい子だった。

だけど、俺にはまだ一度も彼女ができたことがない。

そこはまねしたくなかったらしい。

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