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星は僕を見ていない  作者: 雪道 蒼細
十章 最後の戦い編
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最後の戦い part2

 「だからもう話はいいだろう・・私は魔王様の復活のために戦うんだ。同士はもう死んでしまったからな」

 「そう。なら僕も戦うよ。自分の想いと・・」


 戦闘再開の合図は無かったが、僕が雷をリボン様に向けて落とすと、ソアン達はもう動いていた。

 ソアンは回転をしながらリボン様に攻撃を入れ、キラは毒が塗ってある短剣でリボン様の足を狙っていた。

 スフィーアは二人の斬撃に巻き込まれないよう数秒遅れでリボン様に向かって薙刀を振るう。


 一方リボン様はというと光の魔法で森に眩しいくらいの光を放った。

 結界魔法を張ろうとしたが、光の届く速度は速い。結界を張る暇もなく光は僕達に届き反射的に目を瞑ってしまった。


 ーーだがそれがいけなかったのだ。


 目を瞑るということは敵から目を離すということ。


 目を結界で覆ったときにはもう遅く、リボン様が放ったであろう鉄の剣に腕を刺されていた。


 ソアン達は無事だろうかと思い必死に探すが見当たらない。


 ・・ソアン達は見当たらなかったが代わりにリボン様を見つけた。僕はリボン様に向かって炎の玉を打つ。水や風などは分かりにくいが火なら熱からリボン様がどこにいるか分かるはずだ。


 僕にはよくわからないが戦士などは肌でそういうのが分かるらしい。本当に不思議だ・・


 「ーーっ!」

 

 僕の攻撃は当たったらしく、光が眩しさを失っていくと同時にリボン様がよろめいた。


 そのすぐ後にキラが短剣をリボン様の腕に突き刺していた。


 ーー今気づいたがもしかするとリボン様がよろめいたのはキラの毒のおかげかもしれない。

 

 きっとキラの毒は効いているのだ。

  (ならこのまま攻め込められる?)


 僕は思いっきり水の玉を鋭利に変えリボン様に狙いを定め放った。だが・・


 「えっ?」


 リボン様の元へ行く前に水の鋭利が分解されただの水になってしまった。そして雨となってこの地に降り注いだ。

 (?僕の攻撃を結界で防ぐなら分かるけどなんで分解したのだろう?)


 リボン様の目的が分からず動向を確かめていると、リボン様は口角を上げた。


 ソアンは何かに気づいたのか何かを叫んでいる。


 「何!?何を言っているの!」


 距離が遠すぎるあまりソアンの声が聞こえなかった。今僕はリボン様を挟んでソアンの位置と真逆にいるのだ。僕がリボン様から距離を取っているのもあってその距離は遠い。


 もう少し前へ進めが聞こえると思い僕はソアンの方へ歩いて行った。


 数メートル進んだのち僕はやっとソアンの声を聞き取ることができた。


 「雷だ!今すぐ水を防ぐ結界をーー!」

 「わ、わかーーー!」


 返事をするよりも早くリボン様が雷を放った。急いで結界を張らなきゃという焦りで上手く計算ができない。魔術を使うという手もあるがリボン様の攻撃に対応できる結界は魔術に存在しない。


 まだ人類の魔術は強い魔物の魔法に対抗できるほど威力が強くないはずだ(僕が知らないだけの可能性もあるが)。


 攻撃が来ると思い僕は腕で顔を覆った。


 何の意味を持たないがしょうがない。人という生きものはとっさに防御のポーズが出てしまう生き物なのだ。

 

 その体勢を取った数秒後・・。僕の体には電気が通った。・・っ威力は強いが・・


 「よしっ!」


 このまま雷を浴びていれば感電する恐れがあるが、ちょうど計算が終わった。僕は急いでソアン達に結界を張る。自分の分を張ろうとした時には僕の意識は無くなっていた。


 ーーーーーーーーー


 (!結界ティルディー様の・・だけど)

 

 「ティルディー様!」


 結界を張ってくれた張本人であるティルディー様は雷で感電してしまったのか地面にぐったりと横たわっていた。

 あのままにしておくとリボン様の標的になってしまう。

 私は急いでティルディー様の傍に駆け寄り、私の来ていた上着をティルディー様に被せ茂みに寝かせておいた。

 絶対に安全とは言い切れないけどあのまま放置しておくよりかはましだろう。

 私はティルディー様の寝顔を見た後、またリボン様へと視線を移す。

 先程ティルディー様がリボン様に向かって「例え蘇らせたとしても、それは魔王ではない別物」という感じのことを言っていた。

 だが、それでもリボン様は魔王に会いたいと言っていた。普通なら本物がいいと思うのだろうが・・

 (私は少しだけその気持ちがわかる)

 偽物だとしてもその人の顔と声なら私はいい。私のことを忘れてたってなんだっていい。

 大切な人が生きているんだ。死んで無かったんだ。そう思えるだけで私の心は満たされる。

 だって死んでしまったらもうその人の顔を直接見ることも、声を聞くことも不可能なのだから。

 ーーでも気持ちがわかるというだけでティルディー様を魔王復活のために使うのは許せない。

 (だって私は魔王よりもティルディー様の方が大事だから!)

 

 私は思いっきり地面を蹴り、詠唱を始めた。作り出す魔術は氷の魔術だ。 


 成功率は十%以下。魔力だってこの魔術を発動させたらもう底をつく。


 だけど私はその十%以下に賭ける。奇跡が起これば可能?そんなことはどうだっていい。

 だって奇跡は自分が信じた時に起きるものなのだから!


 私は氷を纏わり付かせた薙刀でリボン様の腕を斬り落とした。

 

 「やぁぁっ!」


 「ーーっ」


 「よしーーっぐっ」


 腕を落とせたのは良いが。斬り落とした腕が私の足をひっかいた。


 熊のような大型の動物にひっかかれたような感じだ。思わず眉をひそめたが、リボン様に斬りかかろうとしているソアンさんが見えたので、ひとまず斜め後ろへ下がった。


 (痛みを感じるのは後・・)


 私は応急処置だけをしてまたリボン様に斬りかかった。

 

 ーーリボン様は強い。魔法を使うってのもあるけど体術も優れている。


 隙を狙おうとするけど、ほぼ隙なんて存在しない。


 (基礎的なことができているからまた面倒くさい!)


 私は足でリボン様の肩を蹴り飛ばした後、リボン様の足に薙刀を振り下ろす。


 「あ・・いっ・・・」

 

 足に斬りかかろうと大勢を低くしていたせいか、地面から生えてきた氷の槍を防げなかった。


 (モロには食らってないけど左足がかなりやられた。)


 左足に重心をかけていたせいで避けるのに遅れたのだ。


 このまま大勢を立て直すことも考えたけど、そんなことはしない。


 私は左足の痛さなんて考えず、右足に重心を乗り換え、リボン様の足に斬撃を入れた。


 それと同時刻兄さんとソアンさんがリボン様に攻撃を入れた。


 私も負けじまいとリボン様の足に薙刀を刺したまま、上へと斬っていく。

 

 だが腰辺りまで斬ったとき、雷の魔法が来たので最後までは斬れなかった。


 雷に当たっても斬ろうかと考えたが、もうティルディー様の結界の手助けは無いのでさすがにやめた。


 (あの雷だけは当たったら死ぬ気がする)


 さっきは数秒だったから生きていたのだ。あれが十数秒だと感電死しているだろう。


 私はもう一度リボン様に薙刀を向けながらそう思った。

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