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【連載版】連勤術師の悠々自適な生活  作者: ラクシュミー


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39/40

39.王都の携帯食

久々の更新です

「よっ、イツキ」

「あれ? リュウ、ナーガ、どうしたの? 非番?」

「そう。だから、気分転換にな」

『グルゥ』


 ウッドデッキで栗の下拵えをしていると、リュウとナーガがやって来た。彼らが来るのは、かなり久しぶり。


「はい、どうぞ。ナーガはミルクね」

「ありがと。……ん、やっぱりイツキのコーヒーはうまいな」

「それは、ありがとう」

「あ、そうだ。これ、買って来たんだ」


 そういってリュウが出してきたのは、最近、王都で売り出されたという携帯食。見た感じは、私が作るおにぎりとそっくり。


「あー、これが噂の」

「なんだ。こっちまで噂になってんのか?」

「そりゃあ、冒険者相手だと色んな噂は多いよ。で、食べて良いの?」

「あぁ、いいぞ」

「じゃあ遠慮なく、いただきまーす。……うっ、しょっぱい……それに肉固い。ご飯もちょっと固めだ」

「あはは、だろ?」


 おにぎりの具は肉の佃煮だったが、しょっぱくて固かった。しかもご飯はちょっと固め。リュウが言うには、ウチの店と同じでおにぎりの具は日替わり。でも、他の具も似たり寄ったりで味は今ひとつらしい。


「ちなみに、これいくらなの?」

「中の具にもよるけど、今食べたのは500Gだ。ジェットブルだからな」

「……王都って何でも高いね」

「まぁな。でもイツキの携帯食を食べたことがあると、尚更高く感じるぞ」


 ウチの携帯食は一律300G。竜騎隊や冒険者達が材料を持ち込みで注文の場合は、400G。赤字に思われているけど、持ち込み素材が余れば販売しても良い約束になっているので、以外と黒字だったりする。


「これだったら、別に対策取らなくていいかー」

「対策?」

「うん。王都の方が安くておいしいって言うなら、こっちで販売するのももう少し考えた方が良いかなぁと思ってたんだ」

「あー、なるほどな。大丈夫だろ。ここは王都からも離れているし」

「でも買ってくれる冒険者は、王都からもやって来るからさ」


 いくら王都から離れているとはいえ、買い求める冒険者達はどちらも行き来する人も多い。だから競合店との差別化を考えないといけないかと、本気で心配していた。


「でも、さっき爺様に聞いたけど、イツキのおにぎりとか携帯食屋で売っている料理は商業ギルドに登録しているみたいだぞ?」

「え? そうなの?」

「なんだ、知らなかったのか?」


 私が頷くとリュウは呆れたように説明したくれた。この世界では、料理のレシピなど商業ギルドに登録することができるらしい。登録することで、そのレシピを他人が使用したからといって使用料が支払われることはないが「レシピの発案者は自分だ」と言い出す人間に規制ができるということらしい。

 ちなみに、唐揚げやハンバーガー、豚汁、ミネストローネなど既に先の迷い人が登録してあるものは登録不可らしい。今回登録したのは、おにぎり、おにぎらず、シュウマイ、アメリカンドックなどだ。どうりで新しい携帯食を作るたびに村長達が、試食や作り方など詳細を聞いてきた訳だ。


「村長たちにお礼言わなきゃね」

「また何か新しいメニューでも作れば喜ぶだろうよ」

「そうだね。リュウは、今日泊まれるの?」

「あぁ。今日から三日休みをもらったからな。あ、夜にあいつらも来るかも知れない」

「あいつら?」

「リークとホクルトだよ」

「そうなの? じゃあ、きっと宴だね」

「あー、だろうな」


 私とリュウは、村長の家に向かいリークさんとホクルトさんが来ることを伝えた。すると案の定、村長が「宴だ!」と言ったために、私は厨房へ向かいヴェスターさんの手伝いを始めた。メニューは、村長の提案でバーベキューとなったので、リュウは村長とハデスじぃちゃんの指示で外に宴会場を設置することとなった。



 

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