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5話:皇太子パーティー



 

 結局あの後、僕は設計図作りにめっちゃ手間取った。

 金属の管と木の棒の長さ、マレットの作り方まで、現地に行って考えた。

 あ、マレットっていうのはバチっていうか、叩く棒ね……

 で、今に至るわけですが――


 「あ〜〜疲れた。」


 もう、疲れました。はい。

 疲れたときって、何も考えられなくなるんだよね。


 「パーティーにも呼ばれちゃったしな〜」 



 時は遡り三十分前―――


 「―――そう言えば、ユウマよ。」


 「……なんでしょうか?」


 何だ……楽器の他にまた何か?


 「わしの息子のガレスがパーティーを開くんじゃよ。」


 国王陛下の息子って……皇太子!!?

 ちょっともう察しがついてるんだけど……


 「そのパーティーでガッキを吹いてくれないか?」


 あ〜あ、やっぱりか~。

 しかも、一般高校生にやらせるもんじゃない!


 「……わ、分かりました。」


 「何?嫌なら断っても良いが?」


 ……それ『断らるな』の枕詞ってやつですよ!

 絶対断わらせる気ないじゃん!


 「いえいえ、精一杯やらせていただきます!」  


 「そうか、よろしく頼む。」



 そんな事があり……


 「―――まさか今日だとは思わなかった。」


 いや確かに日程なんか言われてないよ!?

 でも、今日じゃないと思うでしょ!普通!

 

 ということで、そのパーティー会場まで馬車で移動している。

 思ったより僕は酔わなかった。

 てか、何で隣に王様がいるんだよ!


 「……どうした?気持ち悪かったら、馬車を止めてもいいんだぞ?」

 

 「いいえ、結構です。」

 

 ……今日ずっと気を張ってるな〜

 そう思いながら、馬車に揺られるのだった。




 「……着いたか。」


 気付けば寝ていたようだ。

 あ、別に王様の肩借りてた訳じゃないよ!別に!

 そんなアウトな恋愛とか始めないからね……!

 しょうもないことを考えているけど、気づいたらもう夜か……

 綺麗な月が浮かんでいる。

 ……2つあるけど。


 「では、行くぞ。ユウマよ。」


 あ~来る途中、何吹こうかなんも考えてないや……

 とりあえず中に入ってみた。

 




 「ふおぉぉ……」


 超高級そうなドレスや、ド派手な服をきた貴族みたいな人が沢山いる。

 超おいしそうなステーキとか、馬鹿でかいケーキとか、とにかく派手だ。


 「え……?この世界にもシャンパンタワーってあるんだ……」


 しかもめっちゃ積まれてる……

 というか、人多っ!!

 わらわらと人がいる。


 「……よくぞ来た!この皇太子パーティーへ!!」


 パーティー会場の舞台で人が話している。

 もしかしてこの人が皇太子?

 派手な服装に金髪、その高貴なふるまい方はまさに王族という感じだ。

 ……しかもイケメン!!


 「ぜひとも、今夜は楽しもうではないか!」


 こうしてパーティーが始まった。

 貴族の人が皇太子に話しかけている。

 

 「以後、お見知りおきを。皇太子様。」


 「あぁ、お前は、最近名を上げた貴族ではないか。」


 「はい!ご存じだったので……」


 皇太子に顔を知ってもらおうとする貴族がたくさんいる様だ。

 大変だな……貴族も。

 


 やべー……流石に緊張してきた〜)

 未だ何を吹こうか決まってないけど……


 「ソーマよ、そろそろ行くぞ。」


 「はい?」


 「何とぼけておるのだ?もう出番だぞ?」


 はえぇぇ……

 やっぱ怖ぇ~よ。


「……い、行ってきます。」


 今回はトランペットで行こう。うん。


「吹く曲は……」


 うん。決めた。


 『華麗なる幻想曲』


 アーバンによって作られた、アーバンの金管教則本の第2巻に収録されている曲だ。

 まぁ……見た目ほど難しくはない。

 ……とか言ってるけど、普通に、難しいからね?これ?

 本来休みであるはずの場所もピアノがいないから吹かないといけないし。

 

 「ふぅ~……」


 覚悟を決める。

 やるか。


 まずは一礼。

 

 本来、初手はピアノなのだが、残念ながらピアノはいない。

 ……ということで、初手から音を出すことになる。


 幻想曲というにふさわしい少し暗くも華麗なメロディーを奏でる。

 連符をできるだけ美しく、伸ばしにはしっかりとビブラートを。

 後は、喉を開けてのびやかに、響かせる。


 ―――約八分間


 終わりを示す一礼までしっかりとこなす。


 ―――瞬間、パーティー会場が拍手で埋め尽くされた。


 (はぁ〜何とかやり切った……)


 そこそこな難易度の曲だから、結構な技術が要求される。

 まぁ、この世界に楽器が無いから技術もクソも無いんだけど…… 

 拍手が終わった後、コソコソ話が後を絶たなかった。


 (何かヤバい事しちゃったかな?)


 「ふふ……ははははは!!素晴らしい音だ!」


 皇太子が声をあげた。


 「……後で話をしようではないか!ぜひ、この後も楽しんでくれ!」


 え?俺!?


 

 とりあえず舞台から降りた。


 


 「ソーマよ、素晴らしい演奏であった!」


 王様が喜んでいて良かった。

 それは良いんだけど皇太子さまからの呼び出しって……


 「では、行くか。」


 「……へ?」


 「何とぼけてるんじゃ?ガルムのとこじゃよ。」


 あれ……”後で”って言ってなかったっけ?

 僕の聞き間違いかな?

 とりあえず演奏は何とか……なったわけでもないけど、皇太子の所に向かうのであった。







『華麗なる幻想曲』アーバンの金管教則本の曲です!有名でカッコいいので、ぜひ調べてみてください!!

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