第十九回戦!!大怨霊
第十九回戦!!
世界代表!水原華城、チョン・ヤギョン!日本代表!大怨霊、平将門!
李氏朝鮮時代の民族衣装を着た秀才は古今東西の学問に精通し理解を深めた。正祖に仕え、世界遺産を作り上げた実学者である。
対するは黒い靄を纏う鎧武者。首だけになっても日本を飛び回った怨霊は日本を思うが故に朝敵になった平氏の将である。
第十九回戦、開始!!
「武者は1人で戦うものではない。
出でよ。我が信念を受け継ぎし系譜よ。
この新皇に続いた馬鹿者共よ!!」
涙を流しながらも感謝の念を込めて呼ぶ平将門。
体に纏う黒い靄から彼に続いた愚かな系譜は現れ出出る。
桔梗の前、平良門、滝夜叉姫、春姫、如蔵尼。
妻に息子に娘達。彼女達は死してなお平将門を慕い付き添ったのだ。そしてその子供達に更に続く者があった。妖刀、河童、人魂、鬼にがしゃどくろ。ありとあらゆる妖怪が続く。
此処に怨念と妖怪の連合軍が成った。
チョン・ヤギョンは連合軍を見て防御固める。
彼は学者であって軍人ではないのだ。
「私の答案を見て重用して下さった王様。この大事業は東西技術を混合させた王の夢。
実学の理想都市、水原華城!!」
チョン・ヤギョンを中心に迫り上がる煉瓦の壁。全長5キロメートルの城壁は当時の最先端を行く技術の結晶。
新気鋭の学者は当世に認められその知識を活用した。
ぶつかる城壁と連合軍。
人外のを剛力を強固な防壁は受け止める。
剛剣は煉瓦のを削り、巨大な重量は石材を押し潰す。
妖力が尽き妖怪の実体は空気に消えて行く。
刀は刃毀れして鈍になる。
「今回は勝つぞ!」
平将門は消える麾下を見て発破をかける。
「決して落とさせん!」
チョン・ヤギョンは華城城役儀軌を用いて城壁に強化修復を施す。
異能か技術か。
妖怪はいなくなり、娘もいなくなった。
壁は健在。息子は罅を入れて倒れる。
妻は自分の背中を押して天に上った。
朝敵なれど親族に愛された彼の靄は限り無く薄くなり怨霊としての力は無くなっていた。
「未練はない。我の勝利也。」
勝敗は壁の崩壊によって決まった。
俵藤太・藤原秀郷
「平将門は国を想っていたが藤原玄明、いや毒害を味方したせいで朝敵になった部分もある。まあ、元から仲は良くはなかったけど。
ところで桔梗の前って将門裏切ってたよね。完全に靄がなくならなかったのって桔梗の前のせいでは?」




