第十五回戦!!大親分
第十五回戦!!
世界代表!四駿四狗、ムカリ!日本代表!大親分、清水次郎長!
誰よりも疾く駆ける騎馬隊。鎧に身を包み王に近しい威厳を持つ万戸長。中国侵略の大将である。
対するはただの博徒。抗争を生き抜き、弱気を助け、官賊問わず交際した義の侠客である。
第十五回戦、開始!!
万人隊は千人単位で陣形を組み万戸長の号令を待つ。
侠客は歩みを進める。
万戸長は侠客を怪しむ。一万を相手に一人で立つ男に諦めの色はない。
何がある?
答えはすぐに分かった。
侠客の後ろに見える陽炎。
そこから現れる人、人、人。
山岡鉄舟を筆頭とする幕末の志士たちや黒駒勝蔵を筆頭とする博徒たち。かつての敵同士は義に篤き男のため好敵手のために刀を取り侠客の背中に続いた。
あれは異常だと万戸長は判断した。
万人隊に号令を掛け敵を踏み潰さんとする。
号砲が鳴る。
侠客に続くのは人だけではない。
巨大な影が現れる。咸臨丸は砲門を開き万人隊を狙い撃つ。
万人隊とぶつかった囚人たちは血路を開き、赤報隊は百人長を斬り伏せる。
幕末の志士は千人長を討ち倒し、侠客は只々真っ直ぐと万戸長に向かって歩み進める。
ムカリは剣を抜き万戸長として大ハーンに認められた者として敵に剣を振り下ろす。
清水次郎長も刀を抜き剣を弾く。
力はムカリが強いが速さは清水次郎長が速かった。
ムカリの一振りは受けるたびに足が地面に減り込む。
清水次郎長の刀は受けきれない。速い一刀はムカリに傷は付かないが愛馬に数多の傷を与えた。
この愛馬が力尽きた時どうなるのか。
時は来る。
倒れる愛馬。汗がムカリの顳顬を流れる。
最大の力を込めて剣を振るう。
受けた刃は折れるが。速さは変わらない。
折れた刀でも十分に殺傷能力はあった。
東海遊侠伝作者・天田愚庵
「親父殿は義侠心に篤くいつでも弱者の味方であった。抗争に巻き込まれた者を助け、元囚人でも差別なく雇い、敵であっても手厚く埋葬した男だった。」




