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破壊的日常  作者: 冴河冴
4/4

終わったときに

 最終話です。

 グロい描写が含まれています。苦手な方はもっと別のためになる作品の方に移動していただくことをおすすめ致します。

 みんなずるいんだよ。そんな悩みなさそうな顔しちゃってさ。恵まれてることに感謝しろとかうるさいんだよ。死んじゃいけないなんて、そんな状況になったこともないくせに簡単に言うなよ。毎日夫婦喧嘩してて、兄貴の成績ばっか良くていつも比べられて、自分の人格は破綻してて、才能なんかかけらもなくて、勉強も全然できなくて、変な渾名つけられて。『悩みなさそうに見える』って楽しそうに見えるのかよ?楽しいわけねえだろ!

 お前らに死にたい奴の気持ちなんかわかんねえだろ。お前ら生きてることが苦痛でしかなかったことねえだろ。そんな奴らのこと、わかろうとしたことなんかねえだろ。


 わかってる。八つ当たりだ。

 だけどそんなことはもうどうだっていい。


 人のこと大麻とか言いたい放題言いやがって……だったらマジでそうなってやる。それで全員ぶっ殺してやるよ。


 由美が話しかけてきた。


「怪獣、明日の授業、なん…」「うっせえ黙れ!しつけえつってんだろ!」

「お前、何そんなにマジになって…」「死ね。お前ら全員死ね!」

 鳩尾に蹴り、脳天に全力籠めた踵落としを入れる。だいぶやってなかったけど急所には入った。

 そのまま腹を蹴り、机を由美の頭に振り下ろす。

「寺本!一体何を」その担任の声に、血と脳漿(のうしょう)がぶちまける音がかぶった。

 悲鳴が上がる。

「あんた助けないのかよ」

「………」

「自分の命が惜しくて動けねえんだよな!生徒なんか本当はどうだっていいんだろ」

「違う、俺はそんなんじゃ…」「嘘つくんじゃねえよ!」

 俺は机で所構わず担任の全身を打った。骨の砕ける音が、肉の抉れる音がする。手から机がすべり落ちそうになるほどの体液が手を染める。

 生徒は怖気づいて、動けない者ばかりだ。


 担任が倒れた。それを見て辛うじて口が開いた美咲が叫ぶ。

「嘘、こんなの…潤、どうしちゃったのこんな、こんな…」「うっせえよ!いい子じゃなくて悪かったな」

 俺はその目を狙って机の脚を突き刺す。ぐちゃりという音を、悲鳴が掻き消す。それを見て失禁する奴がいた。

 そのまま反動で引き抜くと、つぶれた目玉が辛うじて視神経でぶら下がった虚ろな眼窩があらわになり、脚が血を止めていたのだろう。刹那、血が噴き出た。脳まで到達したようで、動かなくなった。

 

 祐樹がカッターを向けてきた。

 その手は震えている。

「てら、もと!…やめろ、でないと…」「あぁ?何が言いてえんだよ?」

 俺はカッターを持って向かってくるその勢いを利用して、手を捩り上げカッターを奪いった。そのまま腹部に刺す。脳天を全力で殴り、失神させる。

「お前ら死ね!自分だけは正しいみたいに思い込んでそのまま死にやがれ!」

 そう言って残った恭平と友を、床に落ちていた今は無き野球部の、金属バットで殴った。


 みんなおかしい。みんな間違ってる。みんなは自分だけは正しいって思ってる。



not(ノット) me(ミー) syndorome(シンドローム)



 みんな狂ってる。ただ俺が群を抜いてただけで。


「ああああああああああああぁぁーーーーーーーーっ!」

 呻き声と血煙が部屋にたちこめる。

 体液でバットの色が変わっていく。


 中1はキャンプ、中3は屋外授業でいなかった。先生はその付き添い。


 全員死んだ。

 この学校には今、俺しかいない。


 床に溢れた体液は少しずつ水嵩を増し、死体たちはもう動かなかった。もっとも祐樹はまだ辛うじて生きてるだろうが、すぐ死ぬだろう。


 バットを投げ捨て、そのまま屋上に向かった。

 フェンスをのぼって反対側に降りた。血だらけの手が目に入った。


 殺したんだ。

 俺は、人を殺したんだ。あんま実感湧かないんだけど。


 俺は……何を考えているんだろう。

 後悔してるような気がするけど、何も感じてない気もする。そんな自分を恐れているような気がするけど、悲しいような気もする。

 手を翳すと、赤黒い体液が地面に落ちていった。


 血とかもう全然平気だ。今すごく冷静だよ。

 麻痺したのかな?麻痺しちゃったんだろうな。


 あー。駄目だ。俺終わってる。ていうかさっき終わった。


 なんで俺はあいつらを殺したんだろう。うざかった、憎かったから。生きているのが楽しくなかったから。自分よりも楽しそうだったから。みんなすごくいい奴だったから。

 なんで俺はあいつらとまともに話さなかったんだろう。

 裏切られるのが怖かったから。話しても楽しくなかったから。あいつらの愚痴に付き合ってらんなかったから。自分の底の浅さを思い知らされるのが怖かったから。


 逃げたのかな。

 全員殺して比較対象消して、自分のことから逃げたのかな。自分のこと知るのをやめたのかな。変わろうとすることを諦めたのかな。

 それはやっぱり逃げだよな。人格崩壊したんだな。

 投げ出した足が、支えもなくぶらぶら揺れる。


 でももう逃げでもなんでもいいや。

 自分が最低だってことはわかったから。わかってたけど、思い知って生きていられなくなったから。

 親殺すの忘れたけど、まあいい。


 俺は兄貴やみんなと自分を較べて、全て諦めて潰れた。それが俺の過ち。それが俺の、弱さ。


 俺は携帯で110番をした。係員に喋る隙を与えず、さっさと用件を言う。

「寺本潤。中学校で同級生全員と担任を殺しました」

 何をしても償いにはならない。



 俺は、堕ちた。

 俺は既に、堕ちていた。

 うわあ…何書いてんだろう……。


 人が変わっていってしまう様を書きたかったんですが…はい、これはただ狂っちゃってるだけになってます。文章力なくてごめんなさい。

 これはグロに重点を置いたものではないので、物足りない方がいたかもしれません。もっとグロくしろとかお思いになったかもしれませんがご容赦ください。

 それからグロくて気持ち悪くなってしまった方…すみません。


 ここまで読んでくれてありがとうございました。

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