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幕間3~ハルカさんの大冒険

本日二話目の投稿です

この話の前に一話投稿していますのでそちらも合わせてお読みください。


智大とハルカさんが魔石を取りに行った時のハルカさん視点です

セリフは一緒ですが智大が感じた事とハルカさんが感じた事が違いますので遡って比べて頂けると嬉しいです


け、決してPVを稼ぎたいからじゃないですよ

 今日は使徒の智大君と魔境で魔石の採取の為にお出かけです。


 ハイエルフとして生まれて今までは蝶よ花よと大切に育てられていた私がこうやってお出かけできるのは凄く嬉しい事です。しかも年の近い男の子と二人でなんて・・・キャッ、はしたないです!


 一時期はストーカーの被害にも遭っては居ましたが、新しい世界はそんな恐怖よりも楽しい事に溢れています。そういう意味ではこの出会いのきっかけを作った若君(バカぎみ)にも感謝です


 私の少し前を歩きながら周りに警戒をしてくれる人間族の少年。異世界から来たと言いますが見た目は普通の少年です。


 女性を守るように行動するとかはこの世界ではあまり一般的ではありません

 一緒に冒険の世界に出るのであれば性別など関係なしに仲間として平等に扱うのが普通なのですが、やってもらうと自分が特別扱いして貰えるみたいで結構嬉しいです。ましてや森の中でハイエルフ以上に気配に敏感になれる筈無いのに・・・嬉しいから黙っておきましょう


 あっこの先に熊さんが居ますね、風下ですから気付かれないでしょう。


 智大君も気付いたようで口に人差し指を当てながら声を掛けてきます


「ハルカさん、前方に気配」


 はい、知ってます。取敢えず無言で頷いたのですが静かにのジェスチャーしながら声を出しちゃ意味ないですよ。


 ゆっくりと近づくと大きい熊さんが居ました。流石に魔境にいる熊さんです。こんな大きい熊さんは初めて見ました。


 気配を殺したままゆっくり刀を抜く智大君。私の役目は先制の攻撃ですね、うまい事熊さんにダメージを与えなければいけません


 私が弓を引き絞りながら魔力を込めていきます。智大君はいつでも飛び出せるように前に集中していくのですがその横顔があまりに凛々しくて、つい見惚れてしまいます


 アッと思った時には魔力を込め過ぎた矢が熊さんの頭を吹き飛ばしてしまいました


「ハルカさん、魔力込め過ぎ・・・」


 智大さんが私の魔力の強さを褒めてくれます。まさか横顔に見惚れてたなんて言えないので慌ててしまいますが返した私の言葉に呆れた様な言葉が掛けられます・・・グゥヌヌ解せぬ


 それからも魔獣を見つけては倒していきますがもう力加減?この場合魔力加減でしょうか?ともかく丁度いい加減で矢を放ち智大さんにも花を持たせます。フフン~出来る女は男を立てるものとローラ姉さまが言ってましたわ


 しかし、伶さんのいう大きさの魔石はなかなか見つかりません。かなり森の奥まで来たので少し疲れてしまいました


 そうこうしている内に怪しげな洞窟を見つけました。本来エルフはこういう土で出来た日の射さない空間は苦手です。でもこのまま森の中を探してもお目当ての魔石は見つからない気がします


「流石に二人じゃ危ないか・・・」


 智大さんが私の身を案じてくれます。


「大丈夫ですよ。危なかったら引き返しましょう」


 ここは期待に応えなければいけない所です。私の苦手意識など些細な問題です


 ゆっくりと二人で中に入っていきます。光の精霊ウィル・オ・ウィプスを浮かべて辺りを照らしますがやっぱり苦手です。つい智大さんの服の裾を掴んでしまいます


 暗闇の中ウィル・オ・ウィプスの灯りだけを頼りに進んでいきますが、森の中では発揮される鋭敏な感覚も土に囲まれた洞窟の上、魔素が濃密過ぎて気配も感じ取れない不安だけが募る探索です


 智大さんが先導しつつ奥へ向かうと少し開けた天上の高い部屋の様な場所に出ました


 奥からは何かの物の音だけがグチャグチャ、ギチギチと響いてきます


 ウィル・オ・ウィプスを手元に戻し、少しづつ前進してみた物は・・・


 エルダーリッチに率いられたアンデッドの軍団とジャイアントビートルが率いる巨大な蟲達が争っている場面に遭遇してしまいました。


 アンデッド達はスケルトンやゾンビたちが、蟲達はでっかい甲虫やムカデたちが入り乱れる様に組み合っており恐怖よりもその(おぞ)ましさに鳥肌が立ち根源的な不快感に、ただただ逃げ出したい気持ちに後退(あとずさ)りした時に小石を弾いてしまいました


 たいした音はしなかった筈です。寧ろゾンビの呻き声や蟲達の放つ異音の方が大きかった筈なのに、動きを止めた両陣営がこちらを向いたのが判ります。


 一瞬の後、エルダーリッチとジャイアントビートルが獲物を変更しこちらに迫ってきます


「嫌~こっちに来ないで下さい!!」


 刀を抜いて身構える智大さんの姿よりも恐怖と不気味さが振り切れた私は叫びながら天雷弓にありったけの魔力を込めて狙いも付けずに次々と放ってしまいました


 直後、標的に真っ直ぐに飛ぶはずの矢は部屋の天井に集中しその魔力を雷へと変え地面へと降り注ぎ辺りを蹂躙していきます


 限定された空間に降り注いだ雷はその余波を部屋の外へと掃出(はきだ)し、残ったのはアンデッドや蟲達の死骸とオゾン臭だけでした。


 その衝撃に気を失っていた私が気が付き見た物は、あちこち(すす)けた様に成りながらも魔石を探している智大さんの姿でした


 見ると私の身体には煤一つ付いていません。きっと智大さんが守って下さったのでしょう・・・身を挺して守って下さるなんて、まるで物語の騎士(ナイト)様の様です



 あぁ、智大様・・・私の騎士(ナイト)


 でも、私が憧れを込めた目で見つめる智大様が若干引き気味なのは何故かしら?

 ムフフ、きっと智大様も照れてらっしゃるのですね。そんな智大様も可愛いですよ


読んでいただいて有難う御座います

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