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現代日本人は毛沢東と中国共産党に感謝しましょうw

大人の男が二人集まれば話題は二つ。下世話な話か政治の話し。


今日も、小さな居酒屋で二人の男が酒を片手に益体もない話をしていた。

 なぁ。君。ふと思ったことがあるんだが聞いてくれないか。 

 最近安易に中国共産党の悪口を言ったり、中国崩壊シナリオを喜んで語る連中に一言言いたくなってね。

 僕が思うに、日本人はもっと偉大なる中国共産党に感謝の念を抱かなければならないんだ。

 いいか。心からの感謝だぞ。

 まぁ。まて、話せばわかる。

 その掲げた杯をしばし下ろしたまえ。

 僕の話を聞いたうえで、納得いかぬのであれば存分にすればいいだろう。

 先に言っておくが、僕は共産党員でもないし、選挙で彼らに票を入れたこともない。

 思想の一つとして受け入れることはできるが、自分の生活で実践しようなどとは露にも思わないね。

 君と同じ価値観を有する者だよ。

 昔は自分を革新、リベラルと何の根拠もなく思い込んでいたけど、近頃は伝統と格式を理解しておらぬ僕がリベラルなどと片腹痛いと考えておる次第。狡い言い方になるが中道左派などと嘯いているのさ。


 ここで、この話の中での右翼(保守)と左翼(革新)について定義づけしておきたいが同意してくれるだろうか。

 僕は革新とは古きを知る者のみに与えられた次のステップと考えている。

 理解しやすくするために茶の湯の世界の千利休を例にとろう。

 彼は室町の世で町人の間で流行していた茶の文化に物足りなさを覚え、わびさびを貴ぶ新たな茶の世界を展開して見せた。

 これは革新であろう。

 しかし、この革新を行うためには一つ重要なものが必用だ。

 もう、お分かりであろうが、それまでの茶の作法、伝統、茶道具への目利きの力が必須だ。

 茶の湯のイロハも分らぬ者が、勝手に新たな境地に達したと、嘯いたわけではない。

 僕は思うのだ。

 真の革新とは保守からしか生まれ得ぬと。


 話は変わるが、君は恐らく自身を日本人と認識していると思う。

 だがその根拠は何だい。

 国籍か、言語か、人種か。答えは人によって違うだろうね。

 では、日本国籍を有して日本語を話す黄色人種であれば日本人なのかね。

 違うであろうよ。

 それは、たまたま偶然、日本人として生まれただけの人間でしかあるまい。それだけで日本人を名乗るとは、恐らく君が嫌いであろう在日の方々と何が違うのかね。


 一つ質問だが、君は日本についてどれだけ知っている。

 北は北海道から南は沖縄までこの目で見たのかね。東京、大阪、名古屋、日本を牽引する大都市についてどれ程の知見をお持ちかな。京都、奈良などの古都へは足を運んだかね。

 伝統文化についてはどうだろうか。

 俳句と短歌と川柳の違いについて説明できるかい。

 直接でもTVで構わない。歌舞伎、浄瑠璃、能狂言を一度でも観た事があるかい。

 百人一首は何句諳んじている。僕は子供の頃に頑張って50首ほど覚えたが、今ではその半分程度しか覚えてないよ。

 源氏物語、平家物語、土佐日記、太平記、徒然草、学校で習った程度の事でも覚えている物がいか程ある。

 武道はどうだい。柔道、剣道、空手の経験はお有かな。

 あるなら、君への評価を変えないといけないな。

 僕は体育の授業で野球部のでかいやつに投げ飛ばされた事しか覚えていないのさ。恥ずかしながらね。

 まだまだ、あるぞ、書道、華道、香道の素養はいかに。

 自慢ではないが、僕はは書道を嗜んでおって、展覧会でそこそこの賞をいただいたことがある。だが、残り二つはやったことのある知り合いすらいないよ。

 君はどうだい。

 さて、もう一度問おう。

 君は日本人かね。

 日本で伝統と文化についてどれ程の知見をお持ちかな。

 今、思いつくまま上げた素養の内、三分の一程度の知見しかないのではないかね。

 現代社会の知識や技能だけで手一杯ではないかい。

 それで、日本人と言えるのか。

 君はきっとこう言うだろう。

 

 「それでも私は日本人だ」


 もちろん認めよう。君は立派に日本人だ。全面的に同意しよう。当然だな。君が日本人でないなら僕も日本人にあらず。ただの、間抜けなモンゴロイドだ。

 議論が成り立たなくなってしまうよ。

 結論を言おう。

 社会システムは別として、その人が日本人と名乗れば、それは日本人なのだ。


 では、もう一つ問おうではないか、君は保守かね革新かね。

 今あげた知識が十分であれば保守と名乗れるだろう。日本の伝統文化についての知識や国土についての知見があるのだから誰からも文句はくるまいよ。

 では、その知識が無いものは何だい、彼らは革新か。そんな訳なかろよ。世の中みんなリベラリストになっちまう。

 

 理解してくれたかい。僕の考える保守とは、今あげた程度の知識がある人間のみが保守と名乗れると思うのだ。

 何を守るか分からぬ者が、なぜ、保ち守ることができるのかね。

 仮に守っているとしたらなんだ。恐らくそいつの取るに足らぬ自尊心と自己愛だけだろうよ。そんなものが日本か。

 伝統と格式を知る者のみが、保守と名乗れるのだ。

 そして、革新とはこの知識を土台として次のステージに向かえるものを指す。イノベーションとは無知な者には決して起こせないのだ。

 故に多くの大衆は、僕や君を含めて革新でも保守でもない無知蒙昧な一市民でしかないのだ。

 

 前置きがかなり長くなったね。まだ、続くがご容赦願いたい。

 益体もない話が続いているけど付いてきてくれてるかい。

 まぁ、付いてこれなくても仕方がない。

 僕が悪かったよ。

 だが、僕は最近巷に跋扈しておる自称保守や自称リベラルにうんざりしているんだよ。

 君はどうだい。気にならないって。羨ましいよ。

 僕は思うんだけど、彼らは大概、我々と同じく保守でも革新でもないただの地下人だ。

 あえて分類するなら狭隘で根拠薄弱な民族主義者と自分で賢いと思い込んでる自称進歩主義者の馬鹿者のどちらかだ。

 ああ、でも共通点もあるんだ。彼らはどちらも人の話は聞かないよ。自分の耳触りの良い言葉だけを口に含んで飲み込むのさ。毎日ジャンクフードばかり食べてる不健康な連中さ。そう言った意味では一周回って御同輩だね。仲良くすればいいのに。

 商売で成功したから祖先の家系図を探す、成り上がり者の卑しさを感じるわ。

 なぜ、僕が安酒片手に本題でもない話を長々としているかと言えば、君は聞いたことがあるだろうか。

 

 「正しい歴史認識」


 とやら呼ばれる言葉を。

 色々な連中がほざいている、この不思議な日本語。君はどう思う。

 今更だが、君は歴史が好きかい。

 僕は好きだ。子供の頃は考古学者になりたいと思っていたんだよ。

 いや、笑わないでくれよ。子供の頃の夢なんだからいいじゃないか。


 この言葉なのだが、僕の知る限り歴史を研究している先生方からこの言葉を聞いたことが無い。いや、僕のように歴史をかじった程度の人間でも、この言葉の不自然さに一発で気が付く。なぜなら歴史に関する認識などその時々の研究成果で構成され、一つの碑文、一つの遺跡、一つの文書でいとも簡単にひっくり返るからだ。そんなもの認識に、正しいなとどいうものがあろうか。言ってしまえば全て正しくない。ただの仮説だ。

 歴史学とはよりマシな、納得できる仮説の集合体でしかない。

 正しいも正しくないも無いのだ。

 おっと、待ちたまへ。君の言いたいことは分かっているよ。

 明らかな虚偽を真実と語る者たちがいるから、このような不思議な言葉が創られたのだ。

 だがね。僕は思うのだ。

 誰かが程度の低いことを言っていたとして、なぜ、我々も一緒になってその階段を下らねばならないのかね。

 彼らの出した証拠や根拠とやらを科学的に検証して、駄目なら、もっと頑張りましょうと答案を返してやればいいだけではないか。次はもう少し、ましな言い訳を出してくるであろうよ。

 僕の言葉に君はこういうかもしれない。

 

 「彼らの言葉に騙される人間がいるからだ」


 勿論おるだろうな。僕も何度か経験したことがあるよ。

 だが、なぜ騙されるのか。

 知らぬか、大して興味が無いかのどちらかだろうね。

 知らぬ者には教えればよいし、興味の無いものは興味が出るまで放っておけばよろしい。

 教えるにしても、虚偽を申し立てる者への反論ではなく、科学的に実証されている事柄についてだけ述べればよい。余程の大バカ者でもない限り虚偽に気が付く。その方がより歴史学的だと思うね。

 それで十分なのかだって。問題ないさ。君は気が付いたのだろう、彼らの虚偽に。それが答えだよ。

 余程の大バカ者はいつでも少数派だ。気にするな。

 君は僕がなぜ本題に入らず、長々と前口上を垂れているのかと首を傾げているがるかもしれないが、これを述べておかないと不毛な口論になる事が目に見えているからだよ。それを回避したいのさ。

 100年前の日本人の歴史観と200年前の日本人の歴史観は違う。これは文書的に立証されているから異論はないだろう。それなら100年後の歴史観も違うのは容易に類推できるだろう。100年後の日本人はきっと今の我々の事を憐れんで笑うのだろうよ。


 「まぁ。昔の人だし、しょうがないよね」と。


 「正しい歴史認識」なんてものはその程度の価値しかない。拘泥しても仕方あるまい。

 もう一度言うが、この不思議な言葉は非常に情緒的で非科学的で歴史学とは相いれない。

 ああ、因みにだが君も知っての通り、歴史学や考古学はロマンではなく科学だよ。言うまでもないとは思うが念のため。

 ああ、すまない。常識だったね。


 やっとこさ、本題に入れるね。長かったよ。迷惑をかけたね。

 現代日本人は毛沢東と中国共産党に感謝しましょう。

 これが、僕の結論ともいえる。

 なぜか、今の日本があるのは偉大なる毛主席と中国共産党が中国大陸でのさばってくれたからだよ。

 彼らがどれほど現代中国に打撃を与えたか考えたことはあるかい。

 手始めに毛沢東から行ってみよう。

 彼の人物説明はしないよ。あまりに有名だからね。

 簡単に言ってしまえば彼は皇帝だ。

 そんじょそこらの弱小国家の自称皇帝とは訳が違う。中国の長い歴史の中でも指折りの絶対君主さ。

 彼の命令は神の言葉と同じかそれ以上。異論、疑問、質問、すべてお断り。

 返事は「はいか、Yesか、喜んで」のどれかだよ。

 そのおかげで、彼は大躍進政策と文化大革命という二つの大失態をぶちかましてくれた。正確な推計はないけれど数千万人が犠牲になったそうだね。よくそれで、国体が維持できたな。逆に感心するよ。もちろん日本で同じことが起こったら確実に亡国だよ。人口が半分になっちまう。

 それもこれも国共内乱で共産党が勝利したからだね。

 日本人として礼を言うよ。中国の方々には心からのお悔やみを。


 君は考えたことがあるかい。

 仮に国共内乱で国民党軍が勝利していたらその後の中国がどうなっていたか。

 ここからは、非科学的な想像の話さ、歴史学的価値は微塵もない戯言。


 太平洋戦争1945年終結。

 日本は焼け野原さ。

 国共内乱1950年ごろ収束。

 同じく中国も日本以上に長い戦乱でぐちゃぐちゃだったろうね。スタートラインは同じぐらいと仮定してもいいかい。

 ああ、あくまでも仮定さ。

 太平洋戦争後、日本は連合国、主にアメリカの援助で国を立て直し、朝鮮戦争の特需をきっかけに高度成長期に突入したことに異論はないよだろう。

 その後の米ソ冷戦構造により、日本列島の地政学的戦略価値は鰻登り。多くの投資がアメリカからなされ、奇跡的とも呼べる復興を成し得た。

 もちろん当時の日本人の血と汗と涙の結晶でもあるよ。いくら投資が盛んでも適切に運用できなければ無意味だからね。


 さあ、本題だ。中国が国民党統治下だったらどうなっていただろう。

 僕が思うに、そもそも朝鮮戦争が起こらなかったんじゃないかな。仮に起こったとしたら連合軍の反攻作戦で北朝鮮が占領されてそこで、ゲームセット。大韓民国で統一していたと思うよ。

 なぜなら、アメリカの影響下にある国民党政府は北朝鮮に援軍なんて送らないだろう。火事場泥棒的に国境線を南に押し込むぐらいだろう。

 ソ連が援軍を送ったらどうなったかな。少数なら駆逐できるし、大軍なら第三次世界大戦さ。パリ、ロンドン、モスクワに核爆弾が落とされて、千羽鶴の送り先には困らないだろうな。

 御免よ。少し、言い過ぎたね。


 米ソ対立の国境線は満州からモンゴルに渡るラインになり日本の戦略的価値は激減。米軍基地は減るだろうけど、投資も激減。産業復興に先立つものが無いと、高度経済成長は無理なんじゃないかな。

 考えてもみなよ。君がアメリカの投資家ならどちらに投資する。日本か中国か。僕なら迷わず中国一択だね。日本には保険を掛ける程度の投資て済ませるよ。資源量、市場規模、戦略的価値から言っても圧倒的に中国だろうよ。

 日本に投資した10ドルは20ドルになるかもしれないけど中国なら100ドルになるんじゃないかな。

 しかし、そうはならなかった。中国共産党が勝ったからね。彼らは東側陣営に属した。アメリカの投資は日本に流れ込んだのさ。

 経済感覚に乏しい共産主義と毛沢東のダブルパンチで中国は内戦の痛手から立ち直るどころか、さらに追加ダメージのボーナスタイムだよ。

 この間に日本は明治維新から積み上げた近代化社会の灯を再び灯すことができたんだ。

 でも、さすが中国。本家本元のソ連が崩壊したのに彼らは持ちこたえた。それどころか1980年代からは資本主義的社会構造に舵を切った。彼らには共産主義を何だと考えているのか聞いてみたいよ。

 2000年代に入ってからの彼らの真の大躍進については説明不要だよね。正直、統制経済下であそこまでの経済成長ができるのかと脱帽ものだよ。

 君だってそう思うだろう。民主化もせず表現の自由を認めず、あまつさえ戸籍の統一もしないでどうやって経済発展するんだよって。

 でも、これは驚く方が失礼だよね。

 彼らは、人類史上最強の経済感覚を持っている民族なんだ。

 君も知っていると思うが紀元前1000年以上の昔に貨幣を発明したのは彼らだよ。最初は貝殻だったらしいけどそこから銅銭を発明していち早く貨幣経済に移行したのさ。正確には僕も知らないが8世紀の大唐帝国の頃は完全に貨幣経済だったはずさ。日本が国内鋳造の貨幣経済に移行したのは江戸時代からだよ。鎌倉から室町の頃は宋銭を輸入し流通させていたって話だからね。お話にならないよ。

 そんな彼らにかかれば共産主義でも金儲けできるのさ。共産主義のゲシュタルト崩壊だな。

 ここいら辺から、日本で反共連中がぴーちくぱーちく囀り始めたんた。

 反日教育がどうしたとか、知的財産の侵害だとか。

 それらは、全て事実だったけど、なぜ騒ぎ出したんだ。

 理由は簡単さ。経済規模で追い抜かれることが確定したからだよ。

 だから彼らは、騒ぎ立てるのさ。

 でも、歴史をかじった僕から見て見たら、これで普通なんだよ。


 日本の歴史が正確に何年かは測定不能だけど、歴史学的には2000年ぐらいあるはずなんだ。その長い2000年の間で経済規模で中国を上回ったなんて珍事はこの百年ぐらいの出来事さ。

 残りの1900年間はずっと後ろを走っていた。

 F1レースで例えるなら先頭が中国だとすると日本は二番手三番手ですらなく周回遅れさ。後ろから中国のマシーンが来たら道を譲る義務があるんだ。

 中国の統一王朝が滅んだ後の長い内乱の時代でさえ日本は足元にも及ばなかった。

 よく、江戸時代の経済構造とその規模について絶賛して日本凄いみたいに囀る人がいるけど、中国から見たらちょっと凄いぐらいだよ。当時清朝のGDPは世界の半分だったていう計算もあるんだ。言っておくけど大英帝国全盛時代の話だよ。一番調子に乗っていたイギリスですら経済規模では清朝に及ばなかったのさ。彼らが中国を蹂躙できたのは科学力に裏打ちされた軍事力のおかげだ。

 日本は常に中国の背中を遠くから追いかけていた国なんだ。

 そんな中国が本来の立ち位置に戻る過渡期に我々はいるんだ。

 騒いでいる連中は日本が世界第二位の経済大国として存在した幸福な時代に生まれたから、それを当たり前のものと思っているんだろうね。

 いいか、もう一度いうぞ、そんな、珍事は二度と起きないと思った方がいい。

 マイアミの奇跡が起こったからってサッカーでブラジルと互角に戦えるって思っている人は少ないだろう。それと同じだ。

 今の日本人は人類社会で日本が世界第二位の経済規模として存在した稀有な時代に生まれた人間なんだ。だがこれからは違う。悪いことは言わないからしょうもない大国意識は脱ぎ捨てろ。変化の時代に差し掛かっているんだ。そしてそれは、日本には止められない。出来るのは衰退のスピードを緩やかにするぐらいだ。1000年後また逆転するための布石だ。


 思えば戦後体制は経済力、科学技術力、文化力、全てにおいて中国に勝っていた夢のような時代だったね。

 そして、その状態を作ってくれたのは他でもない。

 中国に対して誰よりも大ダメージを与えてくれた。毛沢東と中国共産党の功績だ。

 彼らの内どちらかだけなら中国はもう30年早く今の立場に入れたと思うよ。そうなったら今の日本の立場はもっと弱かっただろうね。でも、違った。中国史上稀に見る特大のオウンゴールだ。

 日本はウサギとカメのカメのように堅実に前進していたら、ウサギさんが崖から飛び降りたようなものだ。流石にここまでしてくれたら追い抜いちゃったよ。

 もちろん。江戸時代からの高水準の教育と、日本人特有の素晴らしいものは海の向こうからやって来るあるあるのコンボで近代化に成功し、敗戦後の焼け野原から砂をかむような思いで立ち上がった先人たちのおかげもある。そうでなければ二位なんて順位にはなれないからな。

 だからと言って、毛沢東と中国共産党の功績を忘れてはならない。彼らがいなければどんなに頑張ったって中国を追い抜くことはできなかったのだから。

 我々は彼らに心からの感謝を捧げよう。


 尖閣諸島で漁船の空ぶかしぐらい大目に見てやろうよ。

 反日映画ぐらい笑ってみてやれ。

 ディスカウントショップで中国人の団体に出会ったら道を譲ってやれ。彼らはびっくりするぐらい散財してくれるからね。

 そうだね。これは君の言う通りこじつけか。インバウンドに関しては政府は関係ないか。

 沖縄の海をバッタの運搬船で通過したって問題ない。あんなの只の飾りだよ。

 韓国をカバーにして圧力かけてくるのも微笑ましいじゃないか。

 本来であれば一方的に蹂躙するほどの力の差があったはずなのに、ちまちまとした大国らしからぬ嫌がらせぐらいで済んでいるんだからな。


 ああ、でも君の言う通りだ。中国の人権問題に大して真剣に憂いている人は違うな。

 彼らの人権侵害は許容できない。

 しかしだ、日本で反中で騒いでいる奴のいったいどれほどが、中国共産党の少数民族や一般民衆への人権侵害に真剣に憤りを覚えているかは疑問だな。あいつらはそんなこと気にしない。自分の立場が脅かされることだけ心配しているのさ。

 そして、恩知らずにも中国共産党をあしざまに罵る。

 彼らの日本への功績も考えずにね。

 そしてこう言う。


 「正しい歴史認識」


 100年後どころか今の日本人にも笑われていることにも気が付かない幸せな連中だな。

 正しい歴史認識があれば、金平が来日したら赤旗振って出迎えてやれよ。

 あなた方のおかげで今の日本があります。ありがとうございました。ってね。

 中国が資本主義陣営にいたら、日本がG7の椅子に座れていたかは疑問だね。良くてギリ滑り込んだとかだと思うぞ。

 西側第二位の経済大国なんてとてもとても。建国以来の伝統にのっとって、今まで通り中国の後塵を拝する立場だったろうさ。

 まぁ。後100年後には確実に元の立ち位置に戻って、100年後の日本人に笑われるんだろうな。


 「100年前の日本人は身の程知らずだったんだね。相手の自殺点を自分の実力と思い込んでたらしいから」


 もしかしたら、これが100年後の歴史認識かもしれないな。

 あまり愉快な未来とは言えないけど、歴史的必然性は高いように思える。

 君はどう思う。

 何だい。疲れたって言うのか。

 僕も同感だよ。つい感情に任せてペラペラとしゃべってしまった。こんなことでは地下人のままだね。反省してるよ。

 そろそろ、帰って寝よう。明日も早いんだ。


 僕は店主に向かって「おあいそ」と、声を掛けた。



                     終わり




炎上するかな。するだろうな。

異論、反論、どんとこい。

誹謗中傷はお断りしますのであしからず。


内容が内容故に日和って短編では出さなかったエッセイです。

だって燃えたくないもん。( ̄д ̄)// (なら書くなよ)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 最初の保守革新の定義の話は面白かったですし、その後の日本の投資先としての価値の「もしも」も興味深く読ませていただきました ただ、正しい歴史認識 これ言ってるのむしろ向こうの人達のような印象…
[一言] 中国やインド、ロシアが弱い国だと ほんとに思ってる人はそんなに居ないんじゃないかなぁ 国土と人口と人権意識の無さは強い
[良い点] 雪子さんと同じで、タイトルにインパクトあるから読んじゃうよね。このエッセイ集で、一番最初に読んだ。っていうか、まだ他のは読んでない。 [一言] 日本の戦後の繁栄が、朝鮮半島と中国の犠牲の上…
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