ヱヴァンゲリヲンという流行に乗れなかった理由について考えてみた
こんにちは加藤良介です。
メインで投稿している「異世界チート知識で領地経営をしましょう」のストーリー展開をお風呂で考えていた時、突然閃きました。
「だから、俺はヱヴァンゲリヲンに乗れなかったんだ」
はい。のっけから意味不明で申し訳ございません。
ヱヴァンゲリヲンについて今更ご説明するまでも無いとは思います。
世紀末の日本に旋風を巻き起こしたエポックメイキングな作品ですよね。
当時、私も思春期まっしぐらでございまして、正にドストライクな世代だと思います。日本中に巻き起こったエヴァ旋風に煽られ、周りに勧められたこともありレンタルビデオで借りて視聴いたしました。
衝撃を受けたのは言うまでもありません。
衝撃を受けたのですが・・・途中で脱落してしまいました。
脱落してしまう人は珍しくないとは思うのですが、私が脱落したのは、かなり早い段階でした。
確か、十話目辺りです。
エヴァがマグマの中で作戦をする話だったと思います。
そこから先の展開は、今でも知りません。
なぜか、観るのを止めてしまいました。
しかし、脱落した私をしり目に、世間では大フィーバーとなりましたね。
凄かった。
何本も映画が発表され、その手のショップに行けば関連グッズで溢れていました。
途中で脱落した私ですが、関連グッズは幾つか持っています。
なのに、本編は十話辺りでおしまい。
後半になるとストーリーが、妙な展開になったらしいという事だけは話に聞きましたが、私が脱落したのは、それよりもはるか手前でした。
普通は、途中で脱落したアニメなど気にも留めないのですが、エヴァに関しては別です。
私の感想とは別に、世間様では大流行いたしましたから。
それに、アニメーションは文句なしにカッコよかったですし、キャラクターデザインも良かったです。メカデザインなどは、流石、庵野監督と思いましたからね。
だけど、付いて行けませんでした。
私は長年、その理由が分かりませんでした。
あれかに何年もたって、色々な有識者の解説を拝聴し、自分なりに色々と思考してようやく、得心が行きました。
私がなぜ、ヱヴァンゲリヲンという、ビッグウェーブに乗れなかったのかが。
それまでも、なんとなく理由らしきものに心当たりはありました。
最初に気が付いたのは「ゼロの使い魔」という、ラノベを読んだ時です。
またもや、意味不明で申し訳ありませんが、「ゼロの使い魔」の作中で、主人公のサイト君が、旧帝国海軍の零式艦上戦闘機を駆って、敵方のファンタジー世界の竜騎士を二十ミリ機関砲で撃墜するシーンがあったのです。
私はこのシーンが大好きです。
あの作品の中で、一番好きなシーンと言ってもいいでしょう。
ここが一番好きという読者の方は少ないと思います。
私はそう言う読者です。
そうなんですよね。私が求めていたのは、空飛ぶトカゲに乗って騎士ごっこをしている痛い奴に、帝国海軍が生み出した航空力学の結晶たる零戦で、二十ミリ砲と言う容赦のない物理による現実を浴びせかけ、地面に叩き落とす事なのです。
誤解を恐れずあえて言い切りますが、幼稚で頭の悪いファンタジーを、夢も希望もない現実でブチのめすことに、大いなるカタルシスを感じたのです。
あの作品の中で、サイト君は二百キロ近くで飛行している竜騎士が、止まって見えると語っていました。
当然です。
零戦の最高速度は初期型でも四百五十キロ。旋回中は減速いたしますが、それでも二百キロを下回ることはないでしょう。竜騎士の最高時速が二百キロ程度であれば、正に止まって見えたでしょう。
撃墜は容易です。
一方、ヱヴァンゲリヲンでの現実的な戦力は、使徒の前に踏みにじられるやられ役。
使徒を倒すのは、使徒と同じく非現実的な存在であるエヴァだったのです。
ファンタジーとファンタジーの戦いだったのです。悪意を持って表現するなら、妄想と妄想のぶつかり合いだったと言えます。
どちらも応援する気にならなかったのです。
どっちが勝っても、妄想なんだもん。
いや、妄想と言うと語弊がありますね。妄想でもいいんですよ。ただし、説得力がない妄想は駄目なのです。エヴァには説得力が無かったのです。
その最大の理由が、実際の兵器を出してしまった事でしょう。
実際の兵器と言う、強烈な説得力をやられ役にしてしまったため、リアルが妄想に敗れる結果となってしまったのです。
現実世界であれば、逆です。
妄想は現実の前になすすべなく叩き潰されます。それが、この世界の真理です。
人を乗せてどうやって飛んでいるのか不明な空飛ぶトカゲは、堀越二郎が完璧に設計した零戦に、赤子の手を捻る様に容易に撃墜されます。「ゼロの使い魔」が私の中では正解なのです。
しかし、ヱヴァンゲリヲンでは、使徒と言う妄想が圧勝してしまいました。
現実を圧倒した妄想をねじ伏せる、さらなる妄想たるエヴァ。
妄想の過剰摂取で中毒症状が起きそうです。
初めから、現行の兵器類が出ない設定であれば、そういう世界だと納得も出来たのでしょう。
それならば私は中毒症状を起こさなかったのではないかと思います。
しかしながら、あれほど見事に戦車、自走砲、航空機などのカッコいい現実的な兵器を表現されると、そちらに意識を引っ張られてしまうのです。
私が応援していたのは、使徒に一瞬で踏みにじられてしまった自衛隊や軍隊の戦力だったのです。
私の感覚では、使徒は音速を越える速度で飛んでくる、無数の装弾筒付翼安定徹甲弾を前に、なすすべなくミンチになるべきなのです。
最新の戦車砲弾を前にしたら、高速道路の立派な橋脚も豆腐とさして変わらない硬さです。
しかし、当たり前ですが、そうはなりません。
何か知らんけど無傷です。
なんで無傷なんでしょうね。人間なら形も残らず消し飛ぶんですけどね。
ATフィールドなる、心の壁で無力化するらしいのです。
心の壁って・・・
大和魂で弾丸を止めるみたいなノリなのですかね。
私は旧軍の精神力の話が大嫌いです。
精神力で現実問題を片付けられるなら、お前が最初に突撃して、精神力の強さを証明しろ。人にやらせるな。
私が仮に大本営だったら、精神力を叫ぶ人間だけ集めて、旅団を作りそのまま南方戦線に送ってやったことでしょう。
この旅団であれば、補給や撤退のことを考えなくて済むので、大本営としても大助かりです。
きっと彼らは、私に精神力の何たるかを示してくれたに違いありません。
話が逸れました。
そして、これまた、何故か分かりませんが、エヴァの攻撃は通じるのです。ここは突っ込む方が野暮なのは百も承知なのですが、妄想を倒すのに妄想を使うのです。
この辺りの発想の飛躍が、大人気になった原動力だったのでしょう。私はその飛躍に躓いたのです。
多くの人たちが軽々と飛び越えられる其の小さな段差を、私は飛び越えられませんでした。
当時は分かりませんでしたが、今なら、分かります。
エヴァと使徒との戦いは、言ってしまえば怪獣対怪獣の戦いであったのだと。
あれは戦闘ではなく、プロレスだったのだと。
私はプロレスの面白さが理解できない無粋な人間です。というよりも人対人の格闘技全般に興味がありません。
私が理解できるのは、ジャッキー・チェンやジェット・リーのカンフー映画と、ガンカタだけです。あの美しいまでの人の動きは好きです。
しかしながら「ドカン、バシン」みたいな肉弾戦はもっさりしていて美しさを感じません。
そんなプロレス的格闘技を、私は戦争と思い込んだのです。
言うまでもありませんが、両者には共通点はほぼありません。
この辺りが付いていけなかった、大きな要因なのでしょう。
そして、岡田斗司夫氏のよーつべで、庵野監督がウルトラマンの大ファンであると聞いたときに、ヱヴァンゲリヲンを受け付けない理由に確信が持てたのです。
そうか。ウルトラマンが好きな人が作ったアニメだったのか。
そりゃ、合わんわ。
これまた何故か不明なのですが、私は子供の頃から特撮ヒーロー物が大嫌いだったのです。
戦隊ヒーローから仮面ライダー、ウルトラマンなどは、何が面白いのかガキんちょの頃から理解できない変わり者でした。
私が許せる特撮は、ごく一部のゴジラとサンダーバード、そしてスターウォーズだけです。
これらの違いは自分でも未だに分かりません。あえて言えば前者は作りが安っぽいですかね。ただ、それだけの理由で嫌っているとは思えません。私が気付いていない理由がありそうです。
荒唐無稽なファンタジーと、何処に感情移入すけばいいのか不明なウルトラマン。
一見、上質なSF作品のように見えるヱヴァンゲリヲンには、こんなにも私が消化できないものが含まれていたのです。
だから、私はあのビッグウェーブに乗れなかったのでしょう。
その後、ヱヴァンゲリヲンは庵野監督の私小説に変化していったらしいですが、私小説もあまり興味がないんですよね。
SFに興味はありますが、庵野監督の個人的な夢や希望や孤独や絶望には、興味が無いのですよ。
ですので、今後も私がヱヴァンゲリヲンの続きを見ることはないでしょう。
勿体ないような気も致しますが、消化できない成分を多量に含んでいますから、仕方ないのかもしれません。
しかしながら、最新作の公開と、その反響を見ると、エヴァ行のバスに乗れなかった自分が、少し寂しいのも事実ですね。
乗ろうとはしたのですが、乗れませんでした。
ガッツリ乗れた人たちが羨ましいです。
何かに夢中になれることは素晴らしい事ですから。
無念。
最後に、途中で脱落してしまいましたが、私はアスカ派です。
おしまい
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ご意見、ご感想などございましたら、お気軽にどうぞ。基本的に返信いたしております。
ヱヴァンゲリヲンについて、その面白さを語るお話や、逆に批判したりするお話は沢山あるので、当時の大フィーバーに残念ながら付いていけなかった、哀れなマイノリティーの呟きを書いてみました。
私も乗れるものなら乗りたかったんですけどね。私の中の価値観が邪魔して無理でした。
この作品は短編投稿いたしておりません。




