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049 『元凶』

『元凶』


 新たに現れたのは、制服ではなくスーツを着こなした、中性的な印象の人物。


「えっと、どちらさまでしょうか……?」


 自信満々に登場したところ悪いのだが、心当たりが無い。どこかで見た気もするのだけれど。


「いやいや、君は前にあたしに会ってるだろう! ほら、モモの伝言を伝えたときに!」


「あぁ、あのときの! それで、その人が、いったいどうしたんですか?」


 言われて先輩の友人だと思い至る。スーツ姿で突然現れられたものだから、分からなかった。


「君の質問に答えると言ってるのさ。あと、顧問に対してその態度はどうなんだい?」


「えっ、あなたが新しい顧問の先生なんですか? すいません、そんな年齢に見えなくて……」


 背丈があまり僕と変わらなかったせいで、てっきりスーツを着た学生だと思っていた。まさか、顧問だったとは。前に会ったときは、非常勤で働いていたということか。


「ああ、なんだ、そういうことか。若く見えすぎたあたしが悪いなら、仕方ないな、うん」


 僕の言葉に嬉しそうに頷く顧問の女性。何故だか、機嫌がよくなったようで良かった。


「それより、説明するなら早くしてくれないかしら。じゃないと、私が説明するわよ、姉さん?」


「あぁ、ごめんごめん、モモ。それじゃあ、説明を始めようか」


「えっ、先輩、姉さんって?」


 僕の質問に答えたのは、また先輩ではなく顧問の女性だった。


「あれ、まだ言ってなかったんだ? あたしはこの娘の姉なんだ、年齢はかなり離れているけどね。あんまり似てないかもしれないけど、二人とも、若く見えるとこはいっしょだろ?」


 確かに、先輩は中等部一年でも違和感が無いし、顧問の女性を実際僕は学生と勘違いした。


「ちなみに、先生はわたしといっきーのクラスの担任の先生でもあるよ、兄さん」


 妹が更に補足する。OG、顧問、姉、担任って、色々立場が多すぎるだろうこの人……。


「姉さん、また話がずれてきているわよ、もう」


「おっと。じゃあ、今度こそ、説明をしようか。話してみれば、簡単な理由なんだけどね」


 そう前おいて、彼女は語り始める、そもそもの原因を――、


「この部に思い入れのあるあたしは顧問になりたかった。でも、部員がいない部は潰れるから、存続させるため中等部のモモに色々教えて部員のフリをしてもらい、新入部員を確保しようと思ったんだ。正直ダメもとの作戦だったけど、奇跡的に部員を一人確保できたというわけさ」


 その確保された部員というのが僕というわけか。なんとも簡単かつ身勝手な理由である……。


「私としても、好きでやっていたのよ。内容もだけど、君とする部活はとても楽しかったわ」


 そんなことを笑顔で言われたら怒る気になれない。つくづく僕は、彼女に弱いようだ……。


「もういいですよ……。それで、僕はこれからどうすればいいんですか……?」


 毒を食らわば皿まで。ここまできたら、もう最後まで付き合うことを僕は決めたのだった


つまることは、そんなわけでした。

皆様の予想のほうは、いかがでしたでしょうか?

愉しんでいただけたのなら幸いです。


内容が無いような思考実験小説も、これにてそろそろ幕引きです。

それでは、皆さん、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。


あ、でも、あと一話だけ続きます。


それでは、最後までお付き合いいただけるようどうかよろしくお願いいたします。

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