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048 『妹』

『妹』


「やっほー、兄さーん! 新入部員の入りはどうだいー?」


 扉を開けて入ってくるなり、そのやたらテンションの高い女生徒は言ってきた。そして『兄さん』という呼び方のとおり、こいつは僕の妹である。どうやら様子を見に来たらしい。


「って、あれっ、なんでいっきーがいるの? もしかしていっきー、ここに入部するの?」


「そのいっきー、という呼び方は止めてほしいのだけど……」


「そっか。じゃあ、いーちゃん、キキちゃん、ももかちゃん、ピーチフラワー、のどれがいい?」


「……もう、いっきーでいいわ。それで、あなたはお兄さんの様子でも見にきたの?」


 僕そっちのけで先輩と話しだす妹。先輩も妹のノリに疲れた様子ながら、返答を返している。


「なぁ妹よ、お前、先輩と知り合いなのか?」


「ん? 兄さん、先輩って誰のこと?」


 僕の質問に、首を傾げる妹。誰のことって、お前が今話していた先輩に決まっている。


「いや、お前がいっきーと呼んでるこの人だが。親しげに話しているけど、どんな関係なんだ?」


「えっ、いっきーが先輩って、何言ってるの? どんな関係って聞かれたら、友達だけど」


「いや、先輩は先輩だろ。それに友達って、どうやって知り合ったんだ?」


 少なくとも、二人に接点は無いように思う。だが、そんな僕に妹は不思議そうに言ってくる。


「いっきーと知り合ったのは、修学旅行のときだけど。というか兄さんもしかして、いっきーのこと、先輩だと思ってる? いっきー、わたしのクラスメイトだよ?」


「はぁっ? いや、そんなはずはないだろ、先輩は高等部を卒業して、えっ、もしかして……」


 まさか、と一つの仮定が頭に浮かぶ。そして、それを見透かしたように先輩が言い放った。


「私、一度でも言ったかしら? 自分が高等部の生徒だなんて」


「んなっ!? それじゃ、もしかして先輩は――!」


「えぇ、その通り。私は『中等部を』卒業したばかりの、高等部一年生。つまり、君の後輩ね」


 まるで想像もしなかった答えだ。しかし、そう言われてみれば、確かに色々と説明がつく。


「けど、それなら、どうやって部室に入ったんですか? それに制服は?」


 高等部校舎に中等部の生徒は入れないし、先輩は出会ったときから高等部の制服を着ていた。


「出入りはこの部に伝わる隠し通路からよ。ここは二つの校舎の間に繋がっていて、中等部の窓から簡単に来れるの。あと、うちの制服は元々同じ服を着方やタイで変えているだけなのよ」


 言いながら先輩は空のロッカーを開き、隠し通路を見せる。更に、タイを外してベストを裏返して着ると、あっという間に少し前までの妹と同じ、中等部の制服姿になっていた。


「そっ、そんな……。けど、一体どうしてそんなことを……?」


「――その質問には、あたしが答えよう!」


 僕の問いかけに答えたのは、先輩でも妹でもなく、新たに部室に現れた人物だった。


解決編そのに。

先輩の正体をようやく公開。


ただ、その理由については、次回に。

次で回答編は最後です。


そして、ここにきにてようやく妹登場。


無駄にはりまくっていた伏線をここぞとばかりに回収中だったり。w



それでは、最後までよろしくお願いいたします。

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