第四十四話 解けない暗号
第四十四話 解けない暗号
あの地下道を出た日から、一週間が過ぎた。
夜空先生に頼まれた話も、ちゃんとレイナに話した。
レイナは私と同様、守り石の使い手ではなかったことにショックを受け、涙をぽろぽろ流しながら私の話を聞いてくれた。
私の話が終わると、
「もうっ、先祖は私達を騙して世界征服しようとたくらんでいたのね!!ホント、何でこんな家に生まれて来ちゃったのかしら?」
と、怒っていた。
長い間、ライバルとして対立していたが、この事件をキッカケにいろいろな話をして仲良くなった。ライナが家具を送ったおかげで、レイナはきれいな部屋で生活できているという。
ある日、ツーシンに一通のメールが届いた。
「見知らぬところから、謎の本が送られてきたの。お父さんは『私は他の本の解読に忙しいから、これはおまえに頼む。おまえは最近、解読の力がついてきたから、大丈夫だろう。』って言うけど、魔女の血が目覚めた私が見ても、分からない字が並んでるの。もしかしたら、ライナちゃんなら分かるんじゃない?とにかく、その本を見てほしい、今すぐ魔法公園に来て。」
私はほうきにまたがって、空へ飛び立った。
「かなちゃん、どうしたの?」
「ライナちゃん、これを見て!」
本を突きつけられた。
「・・・・・・。」
「どう、読める?」
確かに、これは魔法文字ではないから、かなちゃんが読めないのも無理もない。
しかし、これはどこかで見た文字。
そう・・・、これは自然文字。
私が過去に読んだ本に書いてあったはず。
自然文字とは、大昔に栄えていたという星・緑星の文字のこと。しかし、何らかの原因で次々に緑が消え、ついには緑星の命の源だった楓の木が枯れてしまい、滅亡したといわれている。
けれど、緑星は滅亡したはず。
なぜ、今頃自然文字のかかれた本が送られてくるのだろう。
私は、何かが再び起こる気配を感じた。




