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キラキラ光る義弟の顔よ








もう義弟とは言ってはいけないかな。


可愛かった義弟が今や許嫁。


ていうか年齢が年齢だから婚約者?


自称社長で魔法が使えてイケメン。


正直思うわけですよ。







「そんな男の嫁が私でいいのか…?」






特に努力して来たこともない、挫折を味わったこともない。義弟失踪も魔法の修行に出たのだとポジティブに思えたし、悲しいことなんて特にない。

そんな私が、ハイスペックなローレンスと結婚だなんて…。

優しい女なら他にたくさんいるし、ルックス重視ならローレンスの愛想笑いで十分だろうし。








「僕はサリー以外と結婚する気は無いよ。」

「一途だね。」

「サリーが嫌がってもサリーの記憶に残らない間に子供を授けるくらいはするつもりだったから。」

「最低かよ。」



前言撤回、コイツ危ない奴だわ。

能力を持ってはいけない人間が持ってしまった感じ…。



「サリーはどんな人と結婚したかったの?」

「おじさん過ぎず子供過ぎず、突然私の目の前から消えたりしない人。」

「二度とあんなヘマはしない。なんならずっとサリーの目の前にいるよ。これからずっとね。」

「あ、嘘、適度に消えてくれる人がいいわ。」




こんなやり取りをしつつもなんやかんや話は進み、式の日取りなども決まりつつあった。



結婚式場はバラの庭園と小さくて可愛らしいプールのある教会。

正式な由緒ある教会というよりかは結婚式場専門の教会だけれど厳かで美しく、また可愛らしい雰囲気もある若い人たちに今人気の式場。





「そういえばさ、招待客にジャックがいないけどなんで誘わないの?昔仲よかったよね?」



最近では珍しく、真面目バージョンのローレンスが痛いところをついてきた。

いや。ほんと藪をつつくねー。



「よ、よく覚えてるねー、…ほらもう子供じゃないし?今はもう仲良くないから…誘わないというか、まぁその…」

「…え、なに?その慌て方なに?まさか、なんかあったの…?」



やばいバージョンのローレンスがログインした。くっそ流せよローレンスだって彼女の一人や二人いたでしょうよ。



「まぁ、世間的に言えばその、いわゆる元カレですね。」

「ふーん、どこまでしたの…?」

「A…いやBか…?」

「まどろこっしいこと言わないでよ、肉体関係はあったのかって聞いてんの。」

「ヒィイッ!!ない!!ないです!手を繋いで街ブラデートくらいよ!しかもエバンと許嫁になるよりも前なお子様時代のことだし!!」



こっわ!美人の怒り顔こっわ!!



「手を、繋いで…街ブラデート…」



おおぉおおこわいなんでこいつ復唱するんだなんだなんだなんだっていうんだ…!!



「僕もしたい…」

「え?…あ、ああ、いいよ」

「ほかは?」

「んー?えーっと…学校後に制服デートが主だったしなぁ…なんだっけ…」

「制服…デート…」

「(…だからなんで復唱するんだ)とりあえず…街ブラする?」

「制服!!!!」

「着ません」




一生二度と絶対に。

いや、制服に食いつくとは思ったよ?思ったさ、うんまぁでも言った後にな!!!気がつくの遅かったわ、ハハハ。















それからというもの、結婚式が来る日まで毎日なんやかんやとデートをさせられ、式の前日にはないものだと思っていた生まれて初めてと最初で最後の一世一代の告白をされた訳ですよ。

婚約期間もなにもあったもんじゃないから婚約指輪も貰えるとは思っておらず、サプライズすぎて不覚にもちょっとこれには感動してしまった。



そんなこんなで、



私の人生はどうやら愛で溢れたものになりそうです。













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