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ゴブリンの異常個体

拙作ですが読んで頂けると嬉しいです。



本話には少し微エロ表現があります。苦手な方はご注意ください。

「私の知っていることは以上です」

 メイは至極冷静に語ってくれた。

 話し始めこそ、疲弊し切っていた彼女だが、今は少し回復したようで顔色が良くなっていた。


 メイの話を聞いてもまるで実感が湧かなかった。

 ファイを一撃で昏倒させるゴブリン。

 魔法が使えなくなったのもそのゴブリンが原因の可能性が高い。

 そんなことがゴブリンに可能だろうか?

 ウォリアも同じことを考えていたようだ。

「異常個体かもな」

 私と目が合うと、そう教えてくれた。

「異常個体?」

「モンスターの中の変わり者さ。身体的特徴が通常と異なる場合もあれば、性質が異なる場合もある。この場合は後者だろう。メイの感じた感覚が確かなら、そいつは人間の女を性的対象と見る奴なんだろう。異常性癖って奴だな。稀だが全くいないってわけじゃない」

 人間にだって同じような奴がいるだろ、とウォリアは言う。

 一切反論出来ないほどのド正論だ。性癖は無限大である。

 だが今はそんなことよりも重要なことがある。

「ゴブリンの性癖談義は置いておいて、ファイを倒すことができるゴブリンなんていると思う?」

「事実は事実だ。いるんだろ。どんな反則技を使いやがったか検討も付かないがな」

 ウォリアはお手上げとばかりに天を見上げた。

「はぁ、そんな化け物ゴブリンどうしたもんかな。ファイがやられるならアタシらが束になっても勝ってこねえよなぁ」

 彼女はわざとらしく大きな声でそう言った後、メイに向かって優しく呟く。

「だから、メイ。オマエのせいじゃないから気にすんなよ」

 メイはそれまで懸命に冷静さを保っていたのだろう。

 ウォリアのその一言で彼女は体をびくりと震わせ、瞳に涙を浮かべたかと思うと、堰を切ったように泣き始めた。

「うううううううううっ! ご、ごめ、ごめんなさい! わ、私が不甲斐ないばかりに! ファイさんが、さら、攫われて! 私、私は……うわあああああああん!」

 どれだけ大人びていても彼女は11歳の女の子だと改めて思わされた。

「ほら、私の胸で泣いていいわよ」

 そう言ってプリスはメイを抱きしめた。その姿は正に聖女だった。

 メイは彼女の胸に顔を埋めて泣き続けた。

「ううううううううっ! ……固い」

 聖女の額に青筋が浮き出るのを私は見逃さなかった。



「これからどうしますか〜?」

 ジェスが手を上げて発言する。

「ファイさんを助けに行きますよね〜?」

「もちろん」

「では村の人達をどうしますか〜? このままここで放り出すわけには行きませんよね〜」

「それは……」

 私達は彼らを早く村まで送り届けなければいけない。

 特に女性達は少しでも早く処置を施した方が負担が軽く済むはずだ。

 一方ですぐにでもファイを助けに行きたいという思いもある。

「それでは二手に分かれませんか〜? 村の人達を送り届けるチームとファイさんを救出するチームに分かれて行動するんです〜」

 もう、それしかない。リスクがどうとか言っていられる状況はとうに終わっている。

 私は頷いた。

「アタシも異論はないぜ」

 ウォリアも同意してくれた。

「では、私とヒイロさんでファイさんを探しに行きますので、他の皆さんは村の人達をお願いしますね〜」

 ジェスの提案にウォリアが待ったを掛ける。

「ちょっと待った」

「何でしょう〜?」

「アンタの強さは知ってる。だが、ファイを探すなら、ゴブリンの痕跡を辿る方が効率がいい。それならアタシの方が適任だ」

 ウォリアの意見は尤もだった。

 ジェスは少し考える仕草をした。

「う〜ん、そうですか〜。そうですね〜。ではウォリアさんお願いします〜」

 そしてあっさりと折れた。

「おう、任せとけ。しかし珍しいな、アンタがやる気だなんて」

「いえいえ〜。ゴブリンの相手だけではちょっと消化不良だっただけですよ〜」

「ねぇ、私はいいの? 私はファイを探しに行く方でいいの?」

 何だか2人とも、最初から私はファイ捜索隊で確定しているような口ぶりだ。

 すると2人は顔を見合わせた。

「オマエなぁ。そんな顔されてたら大人しく待ってろなんて言えるわけないだろ」

「はい〜。ファイさんをよろしくお願いしますね〜」

 ……私、また顔に出ていたのか。


「私もファイさんを探しに行きます!」

 私達の話を聞いていたメイが立ち上がった。

「メイ! あなたはまだ無理よ」

 プリスの言う通りだ。メイはすぐにふらつき始める。

「メイ」

 私は倒れ込むメイを抱き支えた。

「すいません……」

「安心して。ファイは必ず私達が助け出すから」

「……はい。よろしくお願いします」


 ファイ、どうか無事でいて。



 XXX XXX XXX XXX XXX XXX XXX



「うっ……」

 目を覚ますと、そこは薄暗くて、ジメジメした所だった。

 身動きが取れない。足と腕を縄で縛られていた。

 この太さじゃ力づくで千切るのは無理かな。


 ここはどこ?

 僕はどうなったの?

 さっきのゴブリンはどこかへ行ったの?

 辺りを見回すと、1匹のゴブリンがこちらを見つめながら地べたに座っていることに気が付いた。

 さっきの奴だと直感した。

 そいつは僕を見てにやりと笑った。

 ゴブリンって笑うの? でもあれは絶対に僕を馬鹿にしてる笑い方だ!

「くそー。縄を外せー!」

 笑われて腹が立ったから、こっちもわーわー喚いてやる。

「ん?」

 そいつは手に何かを持っていた。

 それは汚い壺だった。

 その壺を持ってこちらへ近づいてくる。

 そして僕に向かって壺の中身を振りかけてきた。

「うわっ! 何? 臭っ!」

 それは水みたいな液体だった。

 でもその臭いが酷い。今まで嗅いだことがないほど臭い。

 夏場のヘドロ沼よりももっと酷い!

「もう! 何するんだよ!」

 そいつは首を傾げていた。

 何だろう。どうかしたのかな?

「わっ! ちょっと!」

 突然そいつは僕の下着を破り取った。

 そして僕の股間にその液体を塗り始めた。

「ちょっと、止めて。くすぐったい。やだ。止めて!」

 僕は足を思い切りバタバタ動かした。

 偶然、膝がそいつの顔に当たる。

「ぎゃっ!」

 そいつは僕を睨みつけてきた。

「あ、ごめん」

 思わず謝ってしまった。

 怒ったそいつは僕のお腹を思い切り踏みつけてきた。

「あぐっ!」

 今まで感じたことがない激痛と衝撃が全身に走る。息も満足にできない程悶絶する。

 その隙にそいつは僕の体の至るところにその液体を塗ってくる。

 僕は痛みでそんなこと気にしていられなかった。


 そして散々僕の体中に液体を塗りたくると、どうやら満足したらしく、そいつはどこかへ行ってしまった。


 僕は薄暗くジメジメした場所に1人放置された。

読んでくださりありがとうございました。

面白いと思って頂けましたら評価とブックマークをよろしくお願い致します。



ファイが塗られたのは例のアレ(意味深)です。

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