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命を継ぐ者(ラシル)の旅  作者: みのりっち
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四魔慰撫

年の瀬を迎え、宿で数日まえから大掃除が始まっています。宿泊客はガウリアさんと私だけなので、一緒にお手伝いをします。


「ミサト、タマキ、お部屋のお布団全部干しなさい。終わったら窓ふきね!」

「ハーイ!」

その間、ガウリアさんと私で、お部屋の大掃除です。お母様は、お料理の準備で大忙しです・・・。男衆は、宿の外側担当で、壁や庭、門をきれいにしていきます。


「ラシルさんや、午後に手が空いたらちょっと付き合っておくれ」

出ました!ガウリアさんの何気ないお誘い。これは、必ず何かがあります・・・。


「ふぉふぉふぉ、よく分かったな!」

がウリアさんの行動パターンはお見通しです。それに私、トゥルクで鍛えられましたから・・・。


・・・・・・・・・・


お昼を食べ、ガウリアさんと裏山に向かい、見晴らしの良い小高い丘に着きます。

「ふむ。このへんで良いか? ラシルさん、これから四魔慰撫を行う」

「はい?」


「暦というのがあり、1年は大きく4つの要を通る。大きな流れでいうと、暖かくなり、暑くなり、涼しくなり、寒くなる、ということを毎年繰り返す。」

主に農、いわゆる作物の種まきに関係するそうです・・・。


「この4つの要には、それぞれ魔物が番をしておる。そして、自分の番が来ると、人の耳には聞こえぬ魔物の声で寿ぎの祝詞を奏上するらしい。我らにはわからぬが、植物はそれを聞くことが出来る」

へ~、そうだったのね・・・。


「それ故、いつ芽を出し、花を咲かせ、実をつけ、種となって眠りにつけばいいかを知るという・・・。四魔慰撫は、これら四つの魔物の働きに感謝し、来年もまたよろしくと願うこと・・・」


ガウリアさん、供物を捧げ魔法陣を描き、真言を唱え始まめます。私も、それに続いて唱和します・・・。


「古の盟約に従い地に住まう地主神よ、時を告げる四魔の大いなる働きにより、この1年、日巡りが乱れることなく無事過ごせたこと、感謝を申し上げます。来年もまた、新たなる日巡りのもと、大いなる働きが続きますよう、お願い申し上げます・・・」


暫く、感謝の祈りをささげた後、時の乱れを整える方法も教えてもらい、ようやく丘を降りていきました・・・。


「おお、忘れておった。明日は、日と月の神様への新たな年の挨拶じゃ。早起きするように・・・」

もう、ガウリアさん! 私、トゥルクで仕事を終えて、お休みのためにこの村に帰ってきたのですよ・・・。



次回、顔合わせ、です。

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