ラシルの夢
場面はアルマー村に戻ります。龍巫女の占い館は、現在臨時休業中です。
私は、先日の巫女舞の疲れがでたのか、体調が悪く寝込んでしまいました。
「ここのところ、忙しかったでしょう。ゆっくり休んでね。巡礼はしばらく来ないから安心して!スープと軽い食事を用意したから、お腹がすいたら少し食べるといいわ」
お母様は、そう言って部屋のドアを閉めます。外は、雨が降っています。ミサトちゃんとタマキちゃんも、龍巫女姉様のお休みの邪魔にならないように! と言われおとなしく遊んでいます。
ふと天井を見ると、木目がぐるりと動いている気がします・・・。
う~ん、これはまずいかしら?
・・・・・・・・
(あのね・・・・それでね・・・)
いつの間にか寝ていたらしく、誰かのひそひそ声で目が覚めました。
ミサトちゃんとタマキちゃんかしら?
あ、目が覚めたわよ、じゃあ行きましょう。見知らぬ女の子と男の子が、私の手を引いて駆け出していきます。えっ、ちょっと待って・・・。
二人は私の手を引き、集落を抜け、深い谷沿いの道を進みます。
反対側の斜面には、家畜が草を食んでいます。こんな場所があったなんて知らなかったわ。
そして、小高い山をどんどん登って行きます。ふと振り返ると、今までの道のりが一望でき、山向こうには雪に覆われ白く輝く高い山が顔を出しています。荘厳な姿に圧倒され、何故か涙が出てとまりません。
二人はなおも、山の頂を越え尾根から尾根へと進みます。大きな岩がいくつも突き出たところに出て、ぴょんぴょんその上を飛んで行きます。その突き当りにとてつもない巨石があります。その先は大きな火口跡があり、青色に輝く広大な湖が広がっていました。どうやらここで行き止まりなのね。
巨石の上で、雄大な景色を堪能します。よくみると、頂上付近に座面のように滑らかに削られた窪みが2つありました。
(どちらに座ろうかしら? よし、左にしましょう)
座って正面を見ると、そのはるか向こうから何かが伸びてきて、私の体を通り過ぎていきます。
・・・未来の子供達の為に・・・・
誰かがささやく声が聞こえました。気のせいかしら?
意識が遠のいていきます・・・。
・・・・・・・・・・
隣の部屋でミサトちゃんとタマキちゃんが小声で話しをしています。
(龍巫女姉様、夢の中で何をしていると思う?)
(あのね、神様のお宿でお休みしているの)
(龍巫女姉様、ゆっくりお休みできるといいね)
(うん!)
次回、再始動です。




