ーお昼ご飯ー
「・・・まぁ、とりあえず準備もできたことだし。広場に戻るか」
「うん!」
防具も武器も完璧にすべて揃った。冒険に出かける準備はすべて完了した。空は相変わらず晴れ渡っている。3時間前にはこんなことが起きるなんて考えもしなかっただろう。手元の腕時計は正午過ぎを指している。ここが現実ならばもう少しで昼食なわけだが、俺達はそれどころではないほど混乱していた。腹減ったなんて呑気なこと考えているやつは多分いないだろう。そう、俺を除いて。
「あぁ、腹が減っては戦はできないよな!な、未来!」
「あ、そっか!もうすぐお昼の時間だもんね!どこかでご飯食べよっか!」
俺達は昼ご飯を目当てに城下町をまだ歩く。広すぎて迷子にならぬように。
「あんなところに美味しそうな絵がかいてある店があるぞ!行こうぜ!」
「でも・・・。見てよあの値段」
そこには俺達が到底手を出せないような値段が記されていた。もう一桁違っている。いや、見間違えだった。二桁だった。万の位まで行っていた。買える人がいるのかね。いや、いるわけない。てかいたら怖い。
「ジューシービーフタイラントバーガーくれ」
「あいよ!102〇〇円ね」
「はい」
買ってる人がいた!?普通にいたし!!しかもその人は見たことのある人物だった。うちのクラスの人だし。
「真田じゃねぇかぁぁぁぁぁぁ!?」
「おっ、咲人だや!なにしとんや?」
「いやいや、お前ソレ何円だと思ってんの。頭逝っちまったか?」
「いや、逝ってへんて!美味しいものこそ正義だや!」
でも咲人は気付いてしまった。真田は防具も武器も持っていなかった。そこで嫌な予感が咲人の頭をよぎる。
「お前・・・。残り残金いくらだ」
「280円だけど」
「一応聞いておく。防具とか付けてないみたいだけど買ったのか?あと武器も」
「ふぇ? あ・・・忘れてただや!!」
嫌な予感的中。そんな予感しかしなかった。こいつ、もう買えないな。さらば真田。お前の人生は終わる可能性上がったぞ。
「まぁ・・・頑張れよ。じゃな」
「じゃあね真田ちゃん」
「二人ともそんな冷たくしないで欲しいだや!!広場で待ってろだや!」
真田を城下町に置いてきぼりにして俺達は広場を目指した。広場はここから西に進めば着く・・・はず。
でもいくら進んでも広場に出ないどころかさっきいた美味しそうな絵が描いてある場所に来てしまった。そこにはまだ真田がいた。
「あれ、二人とも何やってるんだや?また会ったけど」
「すまん・・・。道に迷った・・・」
「じゃあ、一緒に広場に行くだや?私場所分かるから!」
「いいのか!?恩に着るぜ!」
真田(防具と武器なし)&俺達(防具と武器あり)は広場へ向かって歩き出した。今度こそ冒険の幕開けだ。




