ー朝の風景ー
ジリジリジリジリ.....。
「んだよ、うるせぇなぁ!!」
俺、能才咲人は、ふとベッドの上にある目覚まし時計を見た。
「ん?時間間違ってるわけじゃないよ...な?」
太い針が「八」を指し、細い針が「六」を指している。そして、俺の通う高校の登校時刻は八時一五分。
そう、お察しの方は頭が良い。まあ、簡単に言うと...
「遅刻じゃねええええええか!!!???」
そう言って俺はパジャマを脱ぎ捨てた。タンスの中から引っ張り出す「凜然高校」の制服。くしゃくしゃふにゃふにゃの極み。こんなの着て行きたくないです。はい。
慌てて階段を駆け下りると、そこには。
「お兄ちゃんどーしたの?そんなに急いで」
「見てわかんだろ!?遅刻だ、遅刻!!」
「え!?もうそんな時間!?ねぇ、なんで起こしてくれなかったの!」
「俺もさっきケータイ様に起こされたばっかじゃ!」
我が妹、能才京子がいたのだった。妹も時間を忘れて寝ふけっていたらしい。実はうちの兄妹は二人とも朝に弱い。これだから学生の朝は嫌なのだ。朝食は食べれないし(うちだけな気がする)自転車でも学校までは二十分かかる(うちだけな気がする)。最悪の立地なのだよ、うちは。コンビニだって家の近くにはないし、どこの過疎地帯だよって感じだ。
「とりあえず、俺はなんも食わないで行くけど、おまえはなんか食ってけよ?」
「お金ないし、食べてる時間ないよ!」
「あーもう!千円やるから食ってけ!コンビニでもよっておにぎりでも買いなさい!」
「本当に!?ありがとう、お兄ちゃん☆」
ああ、なんでこいつはこんなに笑顔が素敵なんだ!
世界一可愛い妹よ!結婚してくれ!!
とまあ、こんな感じで朝を終えるわけだが、今日「あんなこと」が起こることはまだ誰も知らない。




