第45話 朝迄討論会
「あら、車がめっきり少なくなったわね」
「対抗車線の方が多いかな」
「だね」
僕達は西の空に近づく程にオレンジ色になる太陽を背に浴びながら、ひたすら走り続けた。
先頭を走る中田の車に追尾するように阿寒に向かっていたのだ。
「お、もうそろそろだ」
「阿寒の案内板がで出来たわ」
新太君は良子さんに寄り掛かり寝ている更にメグミさんと良子さんも寝ているのだ。
アンタ達は寝たら駄目だろう!はっ?
まさか、夜の討論会に向けて体力を温存しているのか?
助席の三和子さんは相変わらず僕の内腿や、そこは触ったら駄目な所を撫ぜながら何やら小声で変な歌を歌っている。
「論破!論破!ロンロンパ!
サトルさんの論破!論破!ロンロンパ!」
ロンパ、ロンパって君はロンパールームの出身者なのか!ってか見た事あるのか?
やっとの事、高速を降りて阿寒湖にハンドルを切る。まあ、中田のケツをついて行くだけだけど。
「おーい、皆んな起きろよ!ここから少しヤバくなっていたようだ」
「え、どうしたの?お兄ちゃん」
「やたら、鹿飛び出し注意や熊出没の看板が多くなってきたんだ。
だから、シートベルトの確認と急ブレーキなどに対応出来るようにしてくれ!」
「分かったわ」
「うわー!あっちにもこっちにもいるわ」
「くそ!一頭道路に出て来やがった!」
僕はブレーキを強めに踏んで速度を落とすと次から次へと鹿が飛び出してきた
「わっー!なんだこの大群は!」
「お兄ちゃん凄い凄い!本当に鹿の群れだよ!しかも目の前を走っているよ!」
「サトルさん、北海道って大自然なのね」
なんか、ズレた事を言うのはやっぱり三和子さんだった。
「良子さん大丈夫ですか?」
「えっ!あー、私唖然としちゃったわ」
「だよね、数多すぎよ!それにみんなデカいし、ここ国道でしょ!」
周りは背の高い樹木ばかりで森の中を走っているようだ。
走り出すとキツネがちょくちょく脇から出て来るからスピードも出せない。
カーブを曲がると脇に黒い物が?
「うわーー!!熊だーー!!」
「「「えっ!!」」」
車に驚いて懸命に走る熊!
道路脇に入れば良いものを車に追いかけられた形で前を駆けていく。
「黒くて凄く大きいわ!」
なんか、勘違いするだろ!
「三和子!写メよ写メ!」
「分かった」
「落ち着いて三和子ちゃん動画の方がバスるわよ」
「分かった!」
熊は少し走って薮の中に飛び込んで行った。
「ひゃー!流石北海道だね」
「まさか、熊迄見れるとは」
「熊牧場とは違うね、なんか生き生きしていたよ」
「お、新太君よく見ていたね、学校の宿題に書けば皆んなビックリするね」
「……」
「新太君……」
「新太あんた宿題持って来なかったんでしょう」
「うん」
「皆んな、いるんだから一日で終わった筈だよ」
ずびーんと黙り込んでしまった。
良子さん僕達にやらせるつもりだった?まあ小学一年の宿題だすぐに終わるな三和子さんもメグミさんもいるし。
『ポーン!目的地付近に到着しましたナビを終了します』
機械的音声が流れホテルに着いた事を知らせてくれた。
「ふう〜やっと到着だよ」
「お疲れ様ですサトルさん」
「ん、ありがとう三和子さん」
フロントで受付をして部屋に向かう
中田の分はアイツがキャンセルしてお姉さん達と一緒の部屋にしたようだ。
本人からナインが来てたからな。
飯前にひとっ風呂浴びるって事で浴衣に着替えて三和子さんとメグミさん達の部屋に行った。
「空いてるよ!」
中からメグミさんの声が聞こえて僕達は部屋の中に入るとそこでは、美女が二人下着姿で寛いでいた。
「いや〜ん!サトル君のエッチ〜!」
メグミさんと良子さんは窓際の一人掛けの椅子に座り氷の入った冷たいお茶を飲んでいた。
新太君はオレンジジュースを飲みながら地元テレビのアニメの再放送を見ている。
「食事の前に風呂に行こうと思ってね」
「そうなのね、用意するわ」
「サトルさんメグミさんや良子さんの下着姿を見て膨らんでいるの?」
「嫌、これは三和子さんでこうなっているんですよ」
「えっ?」
「サトルそれはチョット無理があるんじゃないか?」
「へへ、御もっともでしゅ」
見たいなら言ってくれと良子さんはいきなりブラをずらして片乳を出した。
ニヤつく良子さんだ。
「いえ、今のことろは結構です」
勝手知っている他人の身体、僕の表情は変わらなかった。
「明らかに膨らんでいるわよサトル君」
「えっ?」
「良子さんがオッパイ出したからなの?
なら私も出すわ」
胸をさらけ出そうとする三和子さんを抱きしめてやめさせた。
「これは三和子さんの所為でなったものです。だからこれを治める事を出来るのは三和子さんだけなのです」
「サトルさん」
「三和子さん」
「ほら、風呂に行くよ」
「「……あい……」」
新太君と手を繋ぎながら皆んなと大浴場を目指す。
「新太君は誰と入るのかな?」
「う〜ん今日はお母さんと入る!」
「そっか」
僕がお母さん達と入りたいけど、それは口にしない。
まあ、何回も入っているけどね。
「じゃ、後でね」
僕達は女湯、男湯の暖簾で別れた。
「う〜ん、久しぶりの一人での入浴だ!」
大きな湯船で手足を思いっきり伸ばすと気持ちが良いです〜!
「よう、隣いいか?」
「あん?中田か」
「なんだよその顔は」
「普段通りだよ」
「北海道旅行誘ってくれてありがとうな」
「三和子さんと結婚前の顔出しのつもりだったんだけどな……メグミさんがそれに便乗して中田が強制的に荷物持ちに抜擢されたのさ」
「それは、理解している……けど人生どんな出会いがあるのか分からないものだな
つくづく思うよ」
「ミカさん達か」
中田は黙って頷いた。
「俺の童貞を貰ってくれた事もあるけど彼女達との出会いが俺を大海原に導いてくれたんだと思う」
「波に飲まれて沈没しない事を祈ってるよ」
「え?……あっそうだ、ミカさんが折角だから皆んなで、夕食を一緒にと言われているんだけどいいかな?」
「何自身無さげなんだよ!さっきの意気込みはどうした!そんなんでは、運も逃げていくぞ!」
「わかっよ、そう怒るなって」
怒るなって……僕は何に対して……
ああ……僕自身にだな……
レストランの一角に大声で騒ぐ女性客の一団がいた。
「キャハハハハ!なにこれ!タダシ君なの
こんな写真送りつけるセクハラヤローだったんだね」
お腹を抱えて笑うのはエリナさんだ。
「でも、これ貴方達が撮ったんでしょう
自撮りの割には不自然だわ」
おう、カオルさんは中々の切れ者のようだ。
「ねえ、どうやってスマホのロック解除したのよ?」
「ぐふふ、それはね、」
顔認識のスマホだから、寝ている中田の顔でやったけど、駄目だった。
なら目を指で開いて色々と角度を変えたら解除されたと、後中田に色々と知られたく無い事もあったから、口封じの為にやったと。
笑いながら説明していたメグミさんと良子さん
なんか、こぇーと思った。
中田はミカさんとチチクリ会っていた。
「じゃ、私達も後でやっておけば安心だね」
「タダシは裏切らないけど保険の一つは必要か」
ポニーテールのカオルさんがワインを口にする。その姿がカッコイイのだ。
「それじゃ、おやすみなさい」
「また明日ね」
「バイバイ!お姉さん!」
「バイバイ新太君」
☆
長旅て疲れたのか僕はそうそうに寝てしまったようだ。
「それじゃ、実証実験を始める」
「ミカさんお願いします」
「三和子そんな顔しないの」
「悪いわねこれも実証の為よ」
「分かった」
渋々了承する三和子だった。
ミカは浴衣を脱ぎ下着も脱捨て颯爽とサトル君の寝ている布団に潜り込んだ。
「ん?三和子さん……ごめん我慢できなかったんだね……あっ!そこ気持ちいいよ」
「私まるでビッチじゃない」
「まあまあ、三和子落ち着いていつもの事じゃない」
「サトルさん気付いてくれないよ」
「サトル君らしいと言っちゃらしいんだけど……あ、始まったわ」
「ミカさんの腰使い凄いよ滑らかで早い」
良子さんが感心する中二人が上下入れ替わる。
「三和子、サトル君ベロチューしながらハッスルしてるわ」
「言わないでよメグミ!なんで気付いてくれないのよサトルさん!」
蛍光灯はオレンジ色の小さい電球が灯されているが、まるっきり見えないわけでは無い。
辺りが薄らと確認できるのだ。
つまり、ハッキリは見えないが顔の認識は出来る筈だ。
「もう少しの辛抱だよ三和子。そろそろミカさん行きそうだ」
「あ、行った」
「絡め合うキスしてるよ」
「駄目!突入する!」
一瞬、部屋の中が明るくなり照明が付けられたのだ。
「なっ!三和子さん!!
じゃこの三和子さんは三和子さんじゃ無い?誰だ!えっ!ミカさん!」
浮気の最中に奥さんに踏み込まれた旦那のように狼狽するサトル。
実際そうなのだが……
「サトルさん私悲しいわ!最後までやっても私と分からなかったのね」
「それは……」
言い逃れができないサトル。
「サトル君ありがとう!気持ち良く行けたわ、あなた達が言ったように、最初から最後まで私の事三和子ちゃんと思い込んでいたわね。
三和子ちゃんへの愛情はとても感じ取れたわ、羨ましいくらいにたまに、サトル君を貸してね」
「えー!」
「途中で抜け出して来たから戻るわ今日はありがとうね皆んなじゃ明日ね」
「いえ、こちらこそまた明日」
「あー!良子さん!いつの間にサトルさんに跨ってる!」
「いや、悪い空いていたもんで……あう」
「じゃ、ウチらも討論会始めようかって始まってるし」
「いやー!恥ずかしい暗くしてー!」
「おま!男だろ!」
メグミさんが突っ込んだ。




