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第28話  サトルの決心

「挨拶も、やり取りも、着地地点も、全くの無なのだ。


「どうすんべ……」


「そう言う時は私に全てをぶつけて良いのよサトル君」


「え、要はしたいと……」


「言い方!少しは考えて喋れや!」


「スンマソン!メグミさん」


 三和子さんは朝から浮かれていた。

僕とメグミさんとで凡ミスやチョンボをチェックしていた。


 案の定何点かのミスは僕達がカバーしているので問題は無い筈だ。


 三和子さんの両親に対する作戦会議という訳ではないが、メグミさん、良子さんが集まっている。


 良子さんの旦那さんは今日は飲み会で遅いので参加している。


本人曰く、一回はできるよね。


絶対しないから!


 僕は三人のやり取りを見ているしかなかった。時折新太君のゲームのサポートをしたりしていた。


 なんか、凄く盛り上がっているよな、推しのテレビドラマの話になっているし僕は先に寝てもいいよね。



 朝から気温がどんどん上がる雲一つない快晴だ。


 だが、僕の心は曇天で吐きそうだ胃薬を二、三袋持って行こう。


「大丈夫ですか?サトルさん」


「僕、意外にもメンタル弱いかも知れない駄目かも……」


「心配有りませんよ。私の両親だし私が付いています」


「お願いします三和子さん」





「おい、神島大丈夫か?」


「そうだぞ!船がまるっきり駄目なのに遠洋漁業に連れ出された顔をしているぞ」


その例え僕にも、わかるぞ!


「笑っちゃ悪いわよ山下君」


「御免なさい清水さん」


「謝るのは神島さんにでしょう」


「そうでした。面目ございません。

神島スンマソン!」


「ああ、許すよ山下」


この日僕は二袋目の胃薬を飲んだ。


僕とは対照的に三和子さんは絶好調だった。まるで、念願だった結婚が決まったかのような、はしゃぎぷりだ!


えっ!結婚……聞いて無い……誰の……



「三和子!中出し君がホテルまで送ってくれるってよ!」


 笑い出しそうなとこを、我慢しながら伝えてくるメグミさん。


「中田さん!本当に、ありがとうございます!」


 中田は駐車場から会社の前に車を移動してくれて僕達は乗り込んだ。


メグミさんも一緒だ?


 中田は普段徒歩通勤だ。今日の為に呼びだされたのだろう。メグミさんによって本人も嬉しそうだ。


何か可笑しい……僕は違和感に気付いた。軽自動車を運転する中田が蝶ネクタイをしているのだ。メグミさんはイブニングドレス、更に二人きりになったら誰もが押し倒したくなるようなドレスなのだ。


メグミさんの実家パワーで同じホテルのレストランをねじ込んだそうだ。


僕達が心配だと言っているが目が爛爛としていたのを僕は見逃さなかった。


中田はその付き添い……まさかワンチャンがあるのか!……それは無いか。


「今度またメグミと二人で家に来て下さい

ご馳走を用意して待ってますので」


おー、三和子さんも落ち要員の扱いが分かってきてますね。流石優秀な人は違います。



 ホテルに到着そこでメグミさん達と別れた。僕達は仕事帰りという事で二人ともビジネススーツだ。


 入り口で三和子さんにネクタイを直して貰い、いざ出陣だ!


 三和子さんがレストラン入り口で説明し直ぐにテーブルに案内された。


 ふと横を見るとメグミさんと中田が直ぐ近くのテーブルにいた。


 コイツらマジかと思ったが何故か安心できた。僕も気合いを入れなくちゃね


「初めまして、僕が神島サトルです

以後お見知り置きを」


 三和子さんのお父さんは少し驚いた顔をした。


 やってやる。僕の邪魔をする者は全て潰してやるとその時決心したのだ。

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