最初の最初
あらすじ
2320年、人類は肉体を捨て、精神世界で生きていく決断をする。
それは突然の地球の火山の噴火、温暖化や大気汚染のみならず、隕石の衝突などなどの危険性から導きだされたものだった。
人類は全世界の国が一つとなって巨大な宇宙船を建造し、機械にそれを管理させ、新技術のエネルギーによって半永久的に宇宙で生活することを可能にする。
そして宇宙船に乗り、崩壊を待つ地球を捨てたのである。宇宙に旅立ったのは20億人あまりだった。
地球を捨てて、30年。宇宙へと逃げ延びた人類はとうとう肉体から脳を切り離し、そして脳内の中にある精神を保管する技術を開発した。
新しい惑星を探すよりも、肉体を捨て、仮想現実の世界の中で新たな世界で生きていくことを選んだのである。管理は全て科学技術の結晶である人工知能プログラム『アスラ』に全て任される。
そして20億の人類は寿命も何も関係のない。今までの自分すらも捨てて、何もかもが新しい世界へと広大な宇宙船の中で夢を見始めたのである。
その世界はどこか、人々が夢見たことのある幻想的な世界にとても似ていた。
気持ちの良い風が吹き、美しい青空が一面に広がり、緑豊かな土地が広がり、山の峰にはうっすらと雪がかかっている。こんな光景はもう、戦争で荒れ果てた地球にはないものだった。
そう、世界は20億の人類のこうあってほしいという意識から『アスラ』が構築したものだったのである。ただ、同時に必ずしもそれは20億の総意の元であって個人が望んだものが必ず反映されるというわけではない。
だから『アスラ』は一つのプログラムを世界に組み込んだ。
それは転生システム、20億の人々にはそれぞれポイントが定められ、様々な条件を達成することでポイントを増やすことができるのだ。
そして一定ポイントに達することで、転生ポイントを使用すると人間以外に転生することができるのである。そう、この世界では神にすらなれるのだ。
荒れ果てた地球から逃げ出したはずの人類に待っていたのは。
とんでもない人工知能が作り出した仮想世界だった。
果たして人工知能『アスラ』は何を考えているのか。
一体20億の人類に何を求めているのか。
それとも単純に管理を丸投げした人類への嫌がらせなのか。それは誰も分からないが、人類は新しい世界でこの転生ポイントに振り回されていくのであった。




