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護衛騎士?ヴィンセント  作者: れすた
第五章 縁談&スポーツ
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第三十九話 縁談ですわ!?

 サウレア王国からの使者


 ある日、皇宮へサウレア王国からの使者が訪れていた。


 目的は、両国の友好をさらに深めること。


 そして、そのための一つの提案を持ってきていた。


「友好関係をより深めるため、我が国の第二王子と、アイリス殿下とのご縁談を提案させていただきたく」


「まあ!」


 アイリスが目を瞬かせる。


「相手はどなたですの?」


「サウレア王国の第二王子でございます」


「あら……」


 アイリスは少し考える。


(お見かけしたことがあるような、ないような……)


 エルナは第一皇女。


 まだ正式な縁談が決まっていないとはいえ、王族同士の婚姻を考えるなら、第二皇女であるアイリスに話が来ること自体は不自然ではない。


「一度、ご挨拶してみますわ」


「ええ、お願いいたします」


 そして、顔合わせの日。


 アイリスは向かいに座る第二王子を静かに眺めていた。


(……タイプではございませんわね)


 悪い方ではない。


 身なりも整っている。


 礼儀もある。


 王子としても、それなりに優秀なのだろう。


(でも……)


 アイリスは少し考える。


(これも皇室の者としてのお務めですもの)


 政略的な婚姻。


 国と国との関係を考えれば、受け入れることも必要なのだろう。


 だが、ふと別の考えが浮かんだ。


(……そもそも、結婚をしなくても友好関係を結ぶことはできますわよね?)


 両国が互いに発展していけば、それで十分に友好関係は築ける。


 ならば――


(わざわざ結婚する必要があるのでしょうか?)


 アイリスは首を傾げた。


 その頃。


「これは良い殿方ですな!」


 皇帝が満足そうに頷いていた。


「ありがとうございます!」


 サウレア王国の第二王子も頭を下げる。


 そして心の中では、


(アイリス殿下、とても可憐な方だ!)


(この人が僕の妻に……!)


 と、すっかり乗り気だった。


「では――」


 話が進みかけた、その時。


「……あ」


 アイリスが口を開いた。


「ちょっとお待ちいただいても宜しくて?」


「もちろんです、アイリス殿下」


「ありがとうございますわ」


 アイリスは少し考えてから、皇帝を見る。


「一つ条件がございますの」


「……なんじゃ、急に」


 皇帝は嫌な予感を覚えながらも促した。


「とりあえず申してみよ」


「はい」


 アイリスは第二王子へ向き直る。


「私の護衛騎士と、決闘していただけませんこと?」


「…………」


 皇帝の表情が止まった。


「勝てれば、この縁談を進めさせていただきたいですわ!」


 アイリスはにっこりと微笑む。


「私の夫となる方には、強さも欲しいのですわ!」


「…………」


 皇帝がゆっくりとアイリスを見る。


「アイリス……」


「はい?」


「ヴィンセントとか?」


「もちろんですわ!」


「…………」


 皇帝は目を押さえた。


 そして、そのまま頭を抱える。


「それは、おまえ……」


 だが。


「決闘、受けて立ちましょう!」


 第二王子が力強く答えた。


「…………」


 皇帝の手が、さらに深く額へ沈む。


 アイリスは満足そうに頷いた。


「まあ! 頼もしいですわ!」


 ――皇帝には、もう結果が見えていた。


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