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羅針盤が示す異世界で。  作者: AIで書い太郎
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第50章 光が示す未来


 レイの指先が、第四の選択肢に触れた。

 その瞬間――

 世界羅針盤が、これまでにない眩い輝きを放つ。

 ゴォォォォォォン――!!

 神殿全体が黄金の光に包まれ、時間さえ止まったような静寂が訪れた。

《第四の未来を承認》

《最終選定を開始します》

 その声は、今まで聞いてきた無機質な声ではなかった。

 どこか優しく、温かい。

 まるで世界そのものが語りかけているようだった。

 レイは静かに目を閉じる。

「俺は、世界を救う。」

「でも、それは誰かを犠牲にすることじゃない。」

「光も闇も、未来も過去も……全部ひっくるめて前へ進む。」

 その言葉に、アリアは涙を浮かべながら微笑んだ。

「……レイらしい答えです。」

 創世の選定者も小さく頷く。

「歴代の選定者は、正解を探していました。」

「ですが、あなたは正解を創ろうとした。」

 世界羅針盤がさらに強く輝く。

 その光は虚界王にも降り注いだ。

「やめろ……!」

 虚界王が苦しそうに頭を押さえる。

「その光は……!」

 黒い霧が少しずつ剥がれ落ちていく。

 レイは驚いた。

「闇が……消えてる?」

 創世の選定者は首を横に振る。

「違います。」

「闇を消しているのではありません。」

「闇に覆われていた"本来の姿"が戻っているのです。」

 虚界王の身体を覆っていた漆黒の鎧が砕け散る。

 その中から現れたのは、一人の青年だった。

 黒髪に金色の瞳。

 どこかレイに似た雰囲気を持つ青年。

「……俺?」

 青年はゆっくりと目を開く。

「そうか……。」

「私は……。」

 創世の選定者が静かに語る。

「彼は初代選定者の導者でした。」

 その場に衝撃が走る。

「導者……!?」

 アリアも驚きを隠せない。

「初代選定者は世界を守るため、自ら命を捧げました。」

「しかし導者だった彼は、その死を受け入れられなかった。」

「世界を救えなかった絶望が積み重なり、長い年月を経て虚界王へと変貌したのです。」

 青年は苦しそうに笑う。

「守りたかっただけだった……。」

「もう誰も失いたくなかった……。」

 レイは静かに近づいた。

「それでも、お前は間違った。」

「だけど、その気持ちはわかる。」

 青年は涙を流す。

「許して……もらえるのか?」

 レイは迷わず手を差し出した。

「過去は変えられない。」

「でも、未来は選べる。」

 青年は震える手で、その手を握った。

 その瞬間。

 黒い霧が完全に消え去る。

 世界中の門が黄金色に輝き始めた。

《虚界の浄化を確認》

《全門安定化開始》

 各地の綻びが次々と閉じていく。

 リュミエール。

 クロノシティ。

 ティル。

 これまで旅した街々にも光が降り注いだ。

 世界は、ようやく本当の意味で救われようとしていた。

 しかし、その時だった。

 アリアの身体がふらりと揺れる。

「アリア!」

 レイが抱き止める。

 彼女の身体が、光の粒となって少しずつ消え始めていた。

「なっ……!」

 創世の選定者の表情が曇る。

「導者は、世界が完全に安定すると、その役目を終えます。」

「役目を終えた導者は……世界へ還る存在なのです。」

 レイの表情から血の気が引いた。

「そんな……。」

 アリアは悲しそうに微笑む。

「レイ……。」

「最後まで、一緒に旅ができて……幸せでした。」

 レイは首を横に振る。

「ふざけるな。」

「そんな終わり方、認めるか。」

 光はなおも、アリアの身体を包み込んでいく。

 世界は救われた。

 しかし、その代償はあまりにも大きかった。

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