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文明が滅びた近未来で、俺の万能ナノマシンが便利すぎて静かに暮らせない  作者: 月灯り庵


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主人公視点:別に何もしていないはずなんだが

「エリシア?」


様子がおかしい。


明らかにおかしい。


顔色。


微妙。


視線。


不安定。


雰囲気。


いつもと違う。


「問題……ありません……」


問題あるだろ。


誰がどう見ても。


「いや絶対あるだろ」


思わず距離を詰める。


深い意味はない。


本当にない。


その瞬間。


「っ……!?」


なぜかビクッとされる。


なぜだ。


俺何かしたか。


「……?」


エリシアがわずかに視線を逸らす。


極めて珍しい挙動。


「本当に大丈夫か?」


純粋な心配。


打算なし。


一拍。


「……問題……ありません」


だが声が微妙に硬い。


「いや説得力ゼロなんだが」


「…………」


沈黙。


だが先程とは違う。


妙に静かな空気。


湖畔の風。


穏やか。


騒動なし。


ノア沈黙中(奇跡)。


「……」


エリシアがなぜか視線を落とす。


何だこの状況。


「……その……」


非常に珍しい。


エリシアが言葉に詰まる。


「?」


「……近いです」


「え?」


一瞬理解が遅れる。


「あ」


確かに距離が近い。


「悪い」


反射的に一歩下がる。


その瞬間。


「……」


なぜか微妙に残念そうな顔。


ほんの一瞬。


だが見逃さなかった。


「……?」


気のせいか?


いや今のは。


「……いえ……」


エリシアが小さく首を振る。


「……問題ありません」


さっきから問題ありませんしか言ってないなこの人。


だが。


空気が少しだけ変わる。


柔らかく。


静かに。


「……無理するなよ」


自然に出た言葉。


特別な意味はない。


はずだった。


「……え……」


エリシアの動きが止まる。


「……」


視線が揺れる。


「…………」


なぜか頬がわずかに赤い。


「?」


「……大丈夫です」


声が妙に小さい。


「……そうか」


それ以上は言わない。


言えない。


妙な空気だからだ。


だが。


「……」


なぜか少しだけ。


本当に少しだけ。


距離が縮んだ気がした。


物理ではなく。


別の意味で。


遠くで。


「なにこの空気」


リナの声が聞こえた。


聞こえなかったことにした。

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