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文明が滅びた近未来で、俺の万能ナノマシンが便利すぎて静かに暮らせない  作者: 月灯り庵


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理解不能な感情の発生について

朝。


湖畔。


異常に静かな空気。


……ではない。


ノアが爆発したので通常運転である。


「なぜですか!?」


「知るか!!」


いつもの騒動。


いつもの光景。


いつもの日常。


……のはずだった。


「…………」


エリシアは黙っていた。


「どうした?」


ガルドが不思議そうに聞く。


「いえ……」


だが様子がおかしい。


いつもの冷静さはある。


だが微妙に違う。


視線。


向いている方向。


主人公とリナ。


「……?」


特に何も起きていない。


ただの会話。


ただのやり取り。


ただの日常。


なのに。


「……妙ですね……」


「何がだ」


「いえ……その……」


言葉を選ぶエリシア。


非常に珍しい。


「先程の状況ですが……」


「状況?」


「……空気が……異様でした」


沈黙。


「え?」


リナが固まる。


「空気?」


「はい」


エリシア真顔。


「極めて不安定でした」


「戦闘前みたいに言うな」


「緊張感の質が異なります」


「なにそれ怖い」


エリシアは続ける。


真面目に。


非常に真面目に。


「周囲の環境音が希薄化」


「発言の間隔変化」


「視線固定」


「明らかに異常事象でした」


「ただの会話よ!?」


「いえ」


きっぱり否定。


「説明不能な違和感が発生していました」


俺を見る。


そしてリナを見る。


交互に。


何かを確認するように。


「……具体的に何が言いたいんだ?」


一拍。


「……なぜか落ち着きませんでした」


全員沈黙。


「え?」


「私が?」


リナが素で驚く。


「いえ」


エリシア首を振る。


「理由は不明です」


「……」


「ですが」


「妙に気になりました」


沈黙。


だが。


空気が少しだけ変わる。


今度は別の意味で。


「……」


エリシア本人だけが自覚していない。


「……なんなのよその反応……」


リナが困惑。


「分析不能です」


エリシア即答。


「厄介な症状出始めたな……」


ガルドが笑いを堪える。


「……恋愛初期症状では?」


ノア余計なことを言う。


「違います」


エリシア即答。


反射速度完璧。


だが。


ほんのわずか。


本当にわずか。


視線が逸れた。


誰も見逃さなかった。


「「「あ」」」


「違います」


二度目の否定。


……非常に怪しい。


こうして。


最上位護衛官の中に、


新たな異常が確認された。


主に感情方面で。

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