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12「契約書って…」

「ルヴァ男爵令嬢と悪魔の契約破棄をさせればいいのよね」

「ただ、どうやって契約したかで破棄の仕方が違うぜ。

オメェみたいに、血の繋がりで呼んだならそいつの血筋を絶つか、別のヤツとの重複契約をさせりゃ、契約は無効になる。

一番楽で、ちょい不便なのが、契約書での契約だな。契約書を破けばいいだけ」

「契約書?」


今までの話上何かの隠語だろうとカトレアは思っていた。


「こんなやつ」

「なんでだよ!!」


思っていたものとは違い、普通の紙にいかにも怪しい魔法陣ですというような想像以下のものが出てきてカトレアは思わず叫んだ。

ザクロはカトレアのような反応に慣れているのか爆笑をかましていた。


「どっちかわからないの?」

「直接聞けばいい」

「えぇ?!聞けるの?!」

「契約主は嘘をつくが、オメェの言う悪魔は嘘はつかねぇよ。ただし、オレらは有事の際や契約主からの命令がない以上、契約主から一定の距離を離れられねぇんだよ。そのために、その女が出るパーティーにオメェが出席する必要がある」


パーティー。

あるにはあるだろうがカトレアは出席できないし、招待もキャンセルさせている。

あれだけ堂々と婚約破棄宣言をかましたんだ。誘われるほうがおかしいし、日も立たず、パーティーに出席すれば別の良くない噂が立つからだ。親に迷惑はかけられない。


「私は行けない。これ以上、迷惑をかけたくないもの。バッタリ鉢合わせするとかじゃダメなの?」


両親を裏切りたくない。

カトレアはそう返答すると、ザクロの真紅に染まった瞳がこちらを覗いている。

返答を間違えたのだろうか。急に恐怖がカトレアを支配した。


「んな悠長なことしてられっか!」


ザクロは怒りを露わにして吠える。しかし、突然黙り込んだ。


「なら、カトレア(オメェ)が行ってなきゃいいんだな」


そう呟いたザクロはイタズラを仕掛ける子供のような顔をしていた。

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