No.20 惨殺
これでゲリラはおしまい
「おいおいおいおいおいおいおーい!?隔離した意味なくなってる!?」
若い社員T君はまたも絶叫。室内にいる社員全員から「またか」と言いたげな視線を一身に受けるが、そんなこと知ったこっちゃないと泡を食ったように主任の机に突撃する。
「主任!またです!」
「…………続けて」
若い社員T君が叫んだあたりで顔色は一気に悪くなり、“また”と聞いた瞬間に死んだ魚の目になる主任。表情が抜け落ちた顔で、主任は心を無にして続きを促す。
「えっと、PLユリンがサードシティまで来てプレイヤーを狩りまくってます!完全にイジメです!」
「『ルール違反だけど規約違反ではない』……………………。おまけに、ルール違反をしても、悪質な行動をしても、性質は極悪から落ちようがないから怖いもの無しか。なぜプレイヤー狩りを再開したのか、理由はわかるか?」
本来であれば、サービス開始直後からこんな殺人鬼を証明する名札などぶら下げてしまえば、色々と差し障りがある。故に、のちにPKをするとしても序盤はまだ様子見をしたりするのが普通だ。が、ユリンの場合は街にすら入れないのだから特に関係ない。追放刑という極刑をスタート時点でくらっている為、逆に無敵の人が誕生したのは皮肉でしかない。
「僕もずっと監視してる訳じゃないのでなんとも言えないですけど…………前後関係を見ていると、どう見ても憂さ晴らしです。しかも人間関係の類です………」
「保護者はどこ行ったのさ。あの、まだ話の通じるノートとかってプレイヤーは」
主任からすると、PKプレイヤーとして問題児ではあるのだが、理路整然と議論をしようとする意思のあるノートはまだかなりマシな存在だった。ユリン単体ならともかく、彼がいれば。
主任としては、藁にも縋るようにそんなことを言ってしまうのも仕方ないだろう。
「それが、なんか他の初期限定特典持ちプレイヤーを新しくパーティーに入れて、仲良さげに2人だけで戦闘してて………………」
刹那、ゴンっ!と凄まじい音がして室内の全員がビクッとなる。
「ちょっ、主任!?机にいきなり頭突きしないでください!?」
「ごめんごめん、ちょっと疲れてて有り得ないことが聞こえてさ。何がなんだって?」
真っ白に燃え尽きる寸前のような、悟りを開ききった様な、そんな仏の微笑で問う主任。
そんな主任の態度に少し恐ろしい物を感じつつも、T君もタフな社員だ。あえて空気を一切読まずに無慈悲に同じ説明を繰り返すと、訳の分からない────少なくとも日本語ではない────叫び声をあげながら、主任は流れるようにログアウトした。
それはまるで悪霊が強力無比なお経でも唱えられ、強制的に除霊されたような。そんな断末魔を彷彿とさせる叫びと消え方だった。
画面の操作に一切の無駄がない、RTA走者の様な完璧なログアウトだった。
シーンと静まり返る室内。誰もが呆気にとられて動けなくなっていると、10分後くらいに10年分ぐらい老けた主任が戻ってきた。
「嫌い、ほんっと嫌い!どういう確率なんだよ!?おかしいだろうが!このままだと日本にあと1人だけ残っている初期限定特典持ちと接触しても俺はもう驚かないぞ!」
「主任、なぜ自らフラグを立てにいったんです!?」
俺、この戦争が終わったら結婚するんだ。
こんなセリフを主人公の前で吐いたキャラは、十中八九その後の戦闘シーンであっけなく死んで、主人公の心に深い傷を残すのだ。
これをお約束という。
T君には今、主任が軍旗の如く派手で一際大きなフラグを立てたようにしか見えなかった。
「もうこんなの嫌だ!辞めてやる!聞いてた話と全然違う!」
「でも主任、そろそろ娘さんに車を買ってあげるって……」
「そうでしたね!覚えててくれて嬉しいよ!もういいや、熟練者が初心者狩りしまくるとかギリギリ規約違反みたいなもんだからけい──────「主任、該当プレイヤーのみならず、全員1週間もプレイしてないバリバリ初心者です!」そうだったな!サービス開始して1週間経ってないんだからあたり前だよな!このチクショウメ!」
八方塞がりで人目も気にせず慟哭する主任。そのタイミングで他の部署からも問い合わせが来て──────────────
◆
「──────────と言うことですので、その、大変申し訳無いのですが、過度なPKは…………」
『は?』
コンテンツの衰退と終焉は如何にして迎えるのか。オンラインゲームに於ける避けては通れない命題の一つである。
この命題に対する答えは簡単だ。
運営が会計不正や資金繰りでの大失敗、不祥事などの大チョンボをした。
あるいは。
最も大きな要因となりがちなのは、プレイヤーの過疎化である。
オンラインゲームは慈善事業ではない。企業として対策を打ち続けても、予想収益を下回る状況が続けば、損切りされるのは当然だ。
では如何に収益を上げるか?
アクティブユーザーを増やすのだ。
行列に人が並ぶように、人を増やせば増やすほど人は集う。人が集うと格差が生まれ、競争が生まれ、より多くのお金を出して上にいこうと投資をする。自然と金を多く落とす。誰かが金を落とすと、対抗して金を落とす者が現れる。自然と課金が過熱する。
故にこそ、オンラインゲームに於けるスタートダッシュは極めて重要な期間だ。
新規のプレイヤーの心をどれだけ序盤でガッチリ掴むか。掴んだ後、どれくらい長期にわたりプレイをしてもらえるか─────それは、売り手側にとって、本日の夕ご飯よりも、妻の御機嫌よりも、何よりも優先し考えるべきことの1つである。
誰しも楽しく1回目を終われば「また次もやろう」という気持ちになれるというものだ。この1回目を超えれば次があり、次があれば「今度はアレをしよう」という具体的な希望が生まれる。
1ヶ月、2ヶ月と経てば、仲のいい人も自然とできる。
学校や会社に置き換えればわかる。スタートして3ヶ月目くらいになると、よくつるむ人がだいたい固定化される。こうなると「自分だけ離脱」とはなりにくい。なんとなく続けてしまう。
3回と3ヶ月。2つの「3」が継続に於ける大体のボーダーになっている傾向にある。
だがしかし、ユリンのようなイレギュラーな存在によって初っ端から恐怖を植え付けられたりすると、新規のプレイヤーの心象には間違いなく悪影響を及ぼす。
部活の体験入部やインターンでもそうだ。お試しで様子見している最中、誰かが顧問や上司に怒鳴られている光景を見たり、あるいは嫌な感じの先輩や社員に絡まれて不愉快な気持ちになった後に「俺、この部活(会社)に入りたい!」となる人はなかなかいない。マゾだけだ。
ゲームが如何に面白くても、『怖い』『不快』が強く刻まれてしまえば、継続へのハードルは高くなってしまう。
これがまだ、第1期のプレイヤーの動向がある程度落ち着き、第2期のプレイヤーが参入したぐらいの段階で起きたことなら運営側があれこれを口を出す必要性も薄かった。
そもそもユリンの行動は規約違反ではないため、口を出すこと自体が御門違いなのだが─────世の物事は綺麗事では済ませられない、本音と建前がある。
正式サービスから1週間も経過していないのに、虐殺祭りなどされたら当然ユーザーのログイン率にデカく響く。直接殺された人が100人に満たなくても、その100人が周囲に噂を流せばあっという間に広がってしまう可能性がある。特にサービス開始したては皆の情報アンテナがかなり高い。噂話にも過敏に反応する傾向がある。
運営側としてはたまったもんじゃない。
───────────ということを非常にオブラートに包んで至極丁寧に説明。『PKをほどほどにしてください。大変恐縮ではございますが、何卒ご容赦賜りますよう、伏してお願い申し上げます』と伝えるために、緊急用のGM回線で主任はユリンに直接連絡をとる。
そのオブラートの遠回しさたるや、山手線で一駅隣へ行くために、わざわざ逆方向へ乗ってほとんど一周したようなレベル。
しかし、ユリンの回答は完全な拒絶の混じった冷たい声。その絶対零度の様な声音だけで主任の胃と心臓がキュッと仲良く縮み上がる。
『理解はしますが納得はしかねます。これは死霊術師の召喚にPLの魂を要求したALLFO側の責任も大きいはず。ボクは仲間のために必要な量のPLの魂を楽な時に溜めておきたいだけ。仕様に則って自己強化に勤しむプレイヤーを運営が止めるなんてあり得なくないですか?ボクは何か間違ったこと言ってますか?』
「絶対それだけが理由じゃ無いだろ!?」とユリンの数々の虐殺シーンのリプレイ───────眼球目掛けて蹴り。抗議しようと開いた口に的確に剣を突き刺して脳まで串刺し。先制Critical4連撃で、初手四肢切断した後に首チョンパ。カップルなら男の方に麻痺攻撃を不意打ちして動けなくしてから、女の方を男の前で滅多刺しetc─────を既に見ていた主任はツッコミたかった。
ユリンの指摘通り、死霊術師の召喚にPLの魂を条件として盛り込んだのは、間違いなくALLFO側だ。
ALLFOに於いて、運営と開発は完全に独立した組織となっている。いわば運営と言いつつ、昔でいうところのカスタマーサポートセンターみたいなもの。
運営チームはゲーム開発に一切関与していないし、むしろ今すぐ初期限定特典など廃止して欲しいと思っている。が、プレイヤーからすればそんな事情は知ったことではない。消費者からすれば全て一括りだ。
カスタマーサポートセンターが一番よく被る理不尽である。
加えて「合理的に考えて、今の成長しきってない方がPKがしやすいのでPLの魂を集めやすいからPKしている」と主張されれば、ユリンをただの愉快犯と断定しづらい。
殺し方に明らかに悪意が滲み出ているが、「戦意をへし折った方が戦闘を有利に進められるからです」と言われると批判も難しい。
なにが1番厄介かといえば、ユリンは必ず2人以上で行動しているプレイヤーしか襲わなかった点。
これにより初期限定特典の力を利用した一方的な暴力とも言い難く、「数的不利の状態で勝率を上げる為に工夫しました」と言われると否定ができない。
更に、麻痺などを利用して長時間に渡る拘束などをしたわけでもない。「プレイスタイルの範疇です」と強弁されると、運営側から指導できる範疇を超え始めてしまう。
「やめろってことはボクに不利な状態で戦って負けろってことですか?」なんて面倒なことを言われだしたら目も当てられない。
こうなってしまうと、ALLFO運営側としてはかなり返答に困るのだ。
『昨日から運営側は一体どうなってるんですか?其方の不手際の収拾を此方に全て求め続けないでください。先の件だってノート兄……ノートさんがうまく折り合いをつけたから穏便に済んでますけど、ボクはまだ納得していませんからね。迷惑なプレイヤーだと言われようと、いえ、ボクが全て正しいと言う気は一切ありませんが、おかしいことはおかしいと思います』
ユリンが話すたび主任のSAN値は真夏の炎天下に放置されたかき氷の様に溶けていき、ダムが決壊したように胃酸があふれる。
実際のところ、運営サイドはユリンというプレイヤーを大きく見誤っていた。
感情論の割合の多いユリンの糾弾をうまく諌め、表面上は良識を持って接し、ノートは穏便な対処を求めた。対照的にユリンは幼いプレイヤーだと見えただろう。
それ故に、主任としてはユリンに対しては、理屈で圧倒してしまえば、とりあえずは宥められる、あるいはノートを引っ張り出せるのでは、と予測していた。
手早く応急処置をしてしまいたいと考えていた。
だが、ユリンという人物は表面上では感情論主体型ではあるが、理屈や理論が理解できないわけではない。なんせ彼は“理屈と理論の鬼”のような存在の傍らでずっと育ってきたのだから。その手練手管をずっと間近で見ていたのだから。
会談で騒いだのも、昔からのノートとユリンの黄金パターンを自然となぞったに過ぎない。
ユリンが大騒ぎして、吠え立て、過大な要求を突きつけ、相手を委縮させる。そのやり取りを観察し、相手の思考ロジックが読めたところでノートが介入。まるで仲介者のように如何にも妥当そうな提案をして、ノートの要望を飲ませるのだ。
単独でやる場合は『ドア・イン・ザ・フェイス』、2人組以上でやる場合は『良い警官・悪い警官』と呼ばれる、交渉における認知負荷を利用した基本戦術だ。18年寄り添ってきたのだ。この程度、打ち合わせなしでもノート達はできる。
無論、ノートと二人きりの楽しい時間を邪魔された怒りもあった。ノートだけだと穏便にしすぎることもあるから、ここで騒ぐべきだと判断していたのもあるが、ユリンはただ感情の赴くままに吠えていたのではない。
ノートがいなければいないで、ユリンは筋道を立てて理路整然と話すことはできるのだ。
無論、ノートからすれば『攻撃的すぎるぞ、それじゃ譲歩を得ることも揺さぶりもかけられないじゃないか。叩きすぎて相手のガードが固まりすぎたら、カウンターを打ちにくくなる』と優しく窘められるレベルには違いないが。
しかしながらそんなことは知るはずのない主任は、初対面から考えられないユリンの理論に裏打ちされたキツい切り返しに面食らってしまう。やはり保護者を交えて話すべきだったか、と後悔しても既に遅し。主任は状況を打開すべく必死に頭を回転させる。
「その、ですね、繰り返すようになってしまいますが、過度なPKは結果的にコンテンツの寿命を縮める要因としては大きい物であって、今後ユリン様がトラブルに巻き込まれることも考えますと────」
『トラブル発生に関しては当然ながら織り込み済みですし、リスクもわざわざ教示されなくても理解はしています。本題はそこではありません。何故此方側に事態の収拾を毎回直接要求されなければならないのか。まずその点について納得のいく説明をください』
主任の苦し紛れの説明に割り込むユリン。論点ズラシは許さん。まず質問に答えろ、と主任の穴のある論調を徹底して叩く。
『それとも営業妨害で垢BANでもしますか?徹底抗戦させてもらうので御自由にどうぞ。プレイログは全て保存してあるので誤魔化しも効きませんよ。出るとこ出ましょうよ』
できることなら垢BANしたい!と心の中で絶叫する主任。
厄介な事に、ユリンはとある事情で本当にプレイログを全部リアルタイムでアーカイブ保存しているので、このやりとりを外に公表することもできる。
ユリンがかなり面倒で運営側の頭痛のタネになるタイプの人間であることを主任はハッキリと認識。心の中のブラックリストに太字の赤マジックペンでしっかりと記入。
同時に、このユリンを完全に手懐けていたノートに主任は少し末恐ろしいものを感じた。
「…………すみません。完全に此方側の落ち度です。ですので『あ、謝罪とかどうでもいいです。簡単に謝罪されても水に流す気とかはもう無いので。あれだけ時間取られて話し合いをしたのに、2回目をやられたわけですからね』」
めんどくせえこいつ〜〜!!!と頭を抱えて身悶えする主任。
相手を焦らせて苦し紛れの譲歩を出させる。この相手の譲歩を更に潰して一層追い込むのは、実はノートの十八番だったりする。
しかもタチが悪いことに、通信越しに悲鳴が聞こえるあたりPK続行中と思われ、主任の焦りが加速していく。
胃がコルセットでもつけられているようにキリキリと締め上げられ、心臓は早鐘を打つ。
『どうするんですか?もう何も無いようなら通信切っていいですか?召喚の事を考えると、あと“100人以上”は殺しておきたいんですけど』
「あの、お詫びのアイテムを用意するので、どうかご勘弁を…………!」
そしてメンタルの限界容量を超えてしまい、建前なども全く吐けず、主任はガクリと項垂れるのであった。
◆
「ノート兄〜!ただいま〜!」
The不機嫌というタイトルを付けて飾ってもいい感じの表情で馬車を飛び出して行った時と打って変わり、非常に上機嫌そうなユリン。そんなユリンがご主人を見つけた子犬が尻尾を振るように腕をブンブン振りながら、ちょうど能力検証を終えたノートとヌコォの元に戻ってきた。
「おかえり───って、なんかあったのか?えらく嬉しそうだけど。PKが充実した?」
「うん、100あたりから数えてないけど、サードシティの周りを一周するようにPKしてきた!っていうのもあるけど、ジャーン!!」
そう言ってユリンがインベントリから具現化したのは、プラチナカラーの豪華な意匠が入ったチケットだった。
「ん?まさかプレイヤードロップ?売ったら高そうだが…………」
「違うってばぁ。ノート兄とヌコォにももうすぐ送られてくるから詳細はそっちで見て!」
ユリンがワクワクした表情で待っていると、ノートとヌコォにメール受信の通知が来る。
メール送り主はALLFO運営チーム。とても丁寧な挨拶から始まり、謝罪文が長々と綴られている。まるで一年に一回しか会えない恋人への恋文のような長さである。
「ユリン…………。まず、うん、すごい。よくやった。めっちゃナイスだ。その上で、注意するけど、よほどアホなことしてこない限り、運営に喧嘩を売っちゃダメって昔から言ってるだろ。可哀想でしょうが。文面見てる感じ、対応してる人、絶対開発とかと関係ない人だぞ」
長い文面に一応高速で目を通しつつ、褒め3割宥め7割といった感じでポンポンとユリンの頭をノートは軽く叩くように撫でる。
「だって利用規約に違反しても無いのに要求ばっかされて、はいはいと素直に従ってるのもおかしいと思わない?あっちの言い分も立場を考えたら理解できなくもないけど、結局は運営側の都合でしょ?」
「理屈としては通ってるが、権力を持っている敵は作らない方がいいんだぞ。正論と書いて暴力と読むんだ。正論はだいたいのもめ事の温床になっている。また機会があれば、次は穏便にぶんどってこいよ。ま、それはそれとしてだ、オンラインゲームでこんな強力なアイテムを獲得できたのはとんでもないアドバンテージだ!ナイスだユリン!」
「うん!」
褒められてうれしそうに飛びついてきたユリンを抱き留め、頭をくしゃくしゃと撫で回すノート。
ヌコォとしては「ユリンの腹黒さは明らかに兄さんの影響が非常に大きいし、ユリンはユリンでワンちゃんみたい。やっぱりペットは飼い主に似てくる」などと若干失礼な事を考えながら、不思議な関係性で結ばれた2人をボーっと見つめていた。
「それで、この“特殊引換券”だったか?使用すると詫び用のアイテムの選択画面が表示されて、選択したアイテムを1つゲットできると。ラインナップは?」
「お詫び用のアイテムって松竹梅みたいにランク分けされてて、その中でも1番いいランクぶんどってきたよ!でもアイテムのラインナップって同ランクでもいっぱい種類が用意されてるから、何が候補になるかはランダムなんだって。だから前回提示された物とは違うラインナップになってるはずだよ」
ここはユリンもかなり粘った。
なんとかこれ以上ノート達を強化したくない主任。前例を持ち出してお詫びはこれがいい、とごねるユリン。主任とユリンの攻防の結果は、ユリンの手にあるチケットを見ればお察しである。
「さよか、でもユリンだけじゃなくパーティーメンバーの俺とヌコォにもチケットくれたのね」
「うん!だってパーティーごと撤退を指示してきたから、当然きっちりパーティー全員分あるんだよね?って言って分捕ってきた!あとノート兄の死霊術師用の魂のストック、PLの魂だけ追加で500個補填するってさ!」
そして、ユリンが分捕ったのはチケットだけではなかった。
「何故に?すごいな補填の仕方。ヤケクソじゃん」
「PLの魂あげるから現状のPL達がある程度安定するまで、シティーから離れて僻地に引きこもっててほしいんじゃない?こっちがPKをする理由をできるだけ減らしたいんだと思う」
「棚からぼた餅だな。それは有り難い。そういうことなら、帰るか、ストーンサークルまで」
運営からの干渉により、予想外の収益。これにより欲しいと思っていたものはあらかた手にしたと判断。
ノートが帰還を宣言すると、ユリンとヌコォも同意するように頷くのだった。
ユリンもおバカじゃないのよ
ノートがいる場所といない場所で性格がだいぶ変わるだけなの
わたし感想乞食だから感想くれるとゲリラ率上がるのよ




