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エーテルコード:サイドストーリー  作者: エトコッコ


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20/21

「鬼は外に」


とある日の夕方。


訓練を終えた光井は、フォーム姿のまま、ひとり休憩室でドリンクを飲んでいた。


「はぁ……」


大きなため息をつき、肩を落とす。


そこへ、パトロール帰りの閃がやって来た。


「お、ミチ。おつ〜」


「閃、おつかれー」


軽いやり取りを交わし、閃はコップにドリンクを注ぐと、光井の隣に腰を下ろした。


「どうしたのよ、みっちゃん。そんな肩落として」


いつもの調子で、閃が尋ねる。


「いやー……やっぱ俺、才能ないんかな〜って……」


光井は少し自嘲気味に言った。


「なんで?」


「クレアには毎回怒鳴られるしよぉ……他の3人は当たり前にできることが、俺だけすげー時間かかるしよぉ……」


ドリンクを一口飲み、続ける。


「トルーパーの初機動の時だってさ、3人は3日でできたのに、俺は1週間もかかったし……」


閃は、ふむふむと相槌を打ちながら聞いていた。


「……なぁ、ミチ。1週間で機動できるのも、十分すごいことだぞ?」


「そぉかぁ……?でもさ、ファクターズは1日、つーか2時間で動かしてたんだろ?」


「そりゃ、ファクターと比べるのは相手が悪いだろ。全国の訓練生のデータ知ってる?」


「知らんけど……てか、そんなのあんのか?」


光井は驚いた顔をする。


「あるよ。つーか黒須博士がこっそり教えてくれた。だからここだけの話な?」


閃は声を潜めるようにして続けた。


「トルーパー動かすのに、2週間とか1ヶ月かかるのもザラだぞ?だからミチ、早い方なんだって。他の3人がデキスギくんなだけ」


「……ま、マジか……!!」


光井の表情が、少しだけ明るくなった。


「クレアもなぁー、他の3人を基準にしてるから、要求が高すぎるんだよな。そりゃキツいわ」


「毎回、圧がすごいんだよ……いや、俺がミスるのが悪いんだけどさ……」


クレアの高すぎる基準に、光井はいつも必死だった。


「確かに迫力はあるよな。あいつがファクターだったら、俺らより強いかも」


閃はいたずらっぽい笑みで言った。


「クレアがファクターか……何属性なんだろな?」


光井も想像する。


「“怒属性”とか?」


もちろんそんな属性はない。


「ぶっ!!」


光井は思わず吹き出した。


「専用EDは鬼の形してて…」


「や、やめろって……!!」


光井は笑いをこらえきれない。


「エーテル武器は金棒」


「ははは!!色は赤と黄色のシマシマで……!!」


ついに光井も乗っかっていた。


閃が笑いながら休憩室のドアを開けた。


そこには――


鬼の形相のクレアが立っていた。


…………


数秒の静寂の後、閃はそっとドアを閉めた。

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