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ポンコツ魔術師の凶運  作者: 池金啓太
十四話「世代交代と新参者」

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決着と報告

ウィルがクダを拘束している間に、康太はヤヤとヤカセに対して近接戦を挑んでいた。


ほとんど動けないヤカセに代わって何とか康太を迎撃するべくその体に炎を纏いながら康太に立ち向かおうとしていた。


だがDの慟哭のせいもあってほとんど目が役に立たない状態で康太の攻撃を防ぎきれるはずがなかった。


何より康太はわざわざ戦いができる相手を優先的に倒すような無駄なことはしない。康太はヤヤに斬りかかりながら遠隔動作の魔術でヤカセにも同時に攻撃を仕掛ける。


実物の槍ではヤヤを、遠隔動作によって生み出した攻撃によってヤカセを同時に攻撃してるのだ。


ただでさえ負傷して動けないヤカセに対しての追い打ち、ヤカセは全く反応することができずにその攻撃を受けてしまい完全に意識を喪失させた。


三人のうち一人を拘束、一人を意識喪失させた康太は一気に勝負を決めに入った。


炎を纏いながらこちらに何とか攻撃を当てようとするヤヤの攻撃を防ぎながら槍の射程距離に収めると再現の魔術を発動していた。


自身の放つ斬撃に加え、再現によって顕現した大量の斬撃を一度に受けたヤヤはそれを防ぐこともできずにすべての攻撃を受けてしまった。


体中に傷を受け、すでに戦える体ではなくなったからか、ヤヤはそのまま倒れ意識を喪失してしまった。


「・・・はぁ・・・ようやく終わったか」


「・・・この・・・!放せ・・・!」


「・・・あぁ、まだお前がいたか」


そういえばクダは拘束しただけだったなと思い出して康太はクダの前に躍り出る。


「お前たちから先に手を出してきたんだ、自業自得ってやつだな」


「くそ・・・何なんだよお前・・・!」


「自己紹介はしたと思ったけどな・・デブリス・クラリスの二番弟子、ブライトビーだ。次からは喧嘩を売る相手は選んだ方がいいぞ?」


そういいながら康太はウィルの拘束具に一部穴をあけ、露出したクダの肉体めがけて何度かボディブローを放つ。


だがクダは全く意に介していないようだった。それも当然だといわんばかりに康太は一つため息をついてから魔術を発動した。


蓄積によってため込まれた打撃は一度にクダに襲い掛かり、その意識を完全に喪失させる。


これですべて終わったなとため息をつきながら康太は完全に意識を失っている三人を眺めてこれからどうしたものかと悩んでいた。


この三人が何を目的に小百合の店にやってきたのかが不明なままだったのだ。買い物に来たというのが表向きの目的であることは最初から分かっていたことだとは言え、三人の本当の目的を聞くのをすっかり忘れていたのである。


倒すことを目的にしすぎたなと反省しながらとりあえず目の前にいる三人を拘束しながら最低限の応急処置をし、自分の兄弟子に意見を聞くことにした。


『もしもし、康太君ですか?』


「お疲れ様です姉さん、今対処が終わりました。とりあえず最低限の応急処置も済ませてあります・・・ただその・・・すいません。倒すことに集中しすぎてこいつらの目的を確認するのを忘れていました」


『無事ならば何よりですよ。ちゃんと相手に攻撃させてから反撃しましたか?』


「もちろんです。背中にばっちり攻撃受けましたよ。全部防ぎましたけど」


『それはなによりです。ではそうですね・・・その三人を店に連れてくるのは多少リスクがありますから・・・適当な場所で三人を起こして尋問してくれますか?最低限彼らの目的だけは吐かせてください』


「了解です。方法は?」


『お任せしますよ。私は引き続きお留守番をしていますので、何かあれば報告してください』


何気ない会話の中に真理の狂気じみた発言があったことに康太は気づいていない。というかこういったやり取りが日常的になりすぎて気にしなくなってしまっているのだ。


徐々に精神的に、考えなどが常人のそれとは異なってきていることに康太は気づいていなかった。


さてとと康太は小さく息をついてから気絶したままの三人にそれぞれウィルを纏わせる。拘束具の代わりでもあり三人を同時に運ぶためでもある。


とはいえこれからどうしようかなと康太は少し悩んでいた。尋問をするとなるとある程度悲鳴が出ても気にならないようなところがいい。


可能であれば協会の一部屋を借りたいところだが、三人運んで協会に足を運ぶというのは地味に手間だ。

となるとどうすればいいだろうかと康太は悩んでしまう。


うまく苦痛を与えながらも悲鳴を上げられないような状態を作って尋問するのが一番なのだが、問題が二つある。


一つは立地、悲鳴を上げても問題がなくなるようにするというのもそうだが、多少血が出ることも考慮してある程度人のいない場所が好ましい。


康太は文のように結界系の魔術を覚えていないために人の意識を逸らせるということができない。最悪一般人に悲鳴を聞かれる可能性がある。


この時間に文を呼び出すのは申し訳ない、彼女をこの段階で巻き込むのはなるべくならば避けたいところだった。


一つはすでに彼らが血を流してしまっているということだ。まだ多少の流血ならば問題ないかもしれないが、これ以上の多量の流血となると彼らの命に関わる。


何とか命に関わらない程度の尋問をしたいなと考えているときに康太は一ついい案を思いついた。


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