第十節 Tの強欲
昔々、あるところに、Tという中年が居た。中年は山へ竹を狩りに出かけた。
「ん……!」
中年Tは山に着き、竹の前で斧を振りかざした。すると、
「つるっ」
「あ……」
Tは手から斧を滑らせ、放り投げてしまった。
「ぽちゃん……」
「!!」
Tが斧を放り投げた先に、何故か不自然に池があり……。
「……」
斧は池の奥底へと沈んで行ってしまった。
「やばっ。どうしよ?」
池の水面の波紋が、静かになくなる頃――、
カッと水面が輝き出した。
「何だ!?」
Tは驚愕した。すると、池から後ろ美人、kが白装束で現れた。
「あなららおとちたのは、きょの、てぃんのおろれすかー? それとろ、きょのぢんのおろれすかー?」
後ろ美人、kは右手に金の斧、左手に銀の斧を持っていた。
「……!」
1、2秒沈黙を保っていたTだったが、右手をバッと掲げて言うのであった。
「はいはい! 金の斧も、銀の斧も、どっちも欲しい。くれ! 全部くれ!!」
後ろ美人、kは暫く黙り込んでしまった。
「ピピー!!」
「バサバサバサ……」
野鳥が鳴き、飛び立つ。
そして――、
「にちゃぁ……」
凶悪な笑みを浮かべた。歯茎がむき出しになっている。
「てめぇは噓つきだ……。強欲だ……。エゴイストだ……。お前をここで殺す!」
後ろ美人、kは、何故か饒舌な標準語になり、背中に隠しいていた中年Tが持っていた普通の斧を左手で構えた。
「ヒッ!」
「ザクり……ブッシャ――!!」
Tは後ろ美人、kに斧で首をはねられ、その頭は宙へ舞った。その出血量は新世紀エヴァ〇ゲリオン弐号機のゼルエル戦さながらだったという。
T、 死す!!




