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学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
10章 墓地エリア
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195話 ワイトキング

四十五階層に到達した俺達は、いきなり広くなった階層に驚く。


そこには荒野が広がっており、地面には無数の槍や鎧、そしてモンスターの死骸が転がっている。


先程が城だったという事もあってもう俺達が驚く事は無かった。


成る程な……次は戦地って事かよ……。


広大な荒野には、首の無い鎧やボロボロの鎧を着たスケルトンなどが大量に彷徨っている。


リビングアーマーもいるのか……。


リビングアーマーとは魂を持った鎧の事で、中身は無い。


一応アンデッドモンスターだが、分類はゴーストに位置する。


鎧の様な見た目をしているが故にゴーストには見えないかも知れないが、れっきとしたゴーストで魔法で殲滅しないと鎧を壊しても壊しても立ち上がってくるらしい。


しかし、この階層のスケルトン達やリビングアーマー達には指揮官が付いている様子は無く、ただフラフラと四十五階層を彷徨っているだけだった。


「重光」

深炎ディープフレイム


一応、邪魔ではあったので重光にお願いしてアンデッドモンスター達を殲滅してもらう。


俺としては、スケルトン系アンデッドよりもゾンビ系アンデッドの方が動きも早い為に苦戦した。


だから正直階層のアンデッドがスケルトン中心だと助かる。


だが、スケルトンの中にも上位の種は存在する訳で中々大変だ。


ゾンビと比較して強い点は属性攻撃が、ゾンビよりも通りにくいと言う点や、炎上によって部位欠損を狙い難い事も挙げられる。


しかし、火と聖属性が弱点である事には変わりは無い。


そして、物理耐性はスケルトンのイメージは脆いイメージがあるがゾンビよりも硬い。


ゾンビ系アンデッドの肉体の防御力は特殊な個体を除けば、柔らかい物が多い代わりに毒液を放出したりする。


まぁ、どちらも一長一短だ。


重光の魔法で俺達の正面のアンデッド達がかなりの数消滅する。


これで、しばらくは安全か?


そう思い脚を進める。


俺は歩きながら思った。

やっぱり、ボスが出る階層は少し難易度が低い気がする。


敵の注意が、散漫なのだ。


何体か、ディープフレイムを抜けてくるモンスターはいたものの、アクアの聖属性や火属性攻撃を駆使して難なく倒す事が出来た。


基本的にディープフレイムの殲滅力が高く、自分達の所まで到達する事が出来た敵は僅かである。


リビングアーマーは火属性が効きにくい為少し厄介ではあったが、そこはアクア様様である。


俺達の守護神は間違い無くアクアだ。


俺達のチーム内では最大の癒し能力を誇っている。


見た目的にも性能的にも。


最近少しアクアも大きくなって来たが、まだドラゴンとしては可愛い幼体だ。


ドラゴンの寿命は長く、整体になるまではかなりの時間を費やす事が想定される。


そして、この四十五階層に潜ってから約三日が経過してボス扉の前に俺達は着いた。


正しくは、二日ほど移動してボス扉の前で一日準備を整えたが正しいのだがな。


途中厄介だったのが骨の馬に乗ったスケルトンや、蛇の姿をしたスケルトンなどのモンスター型である。


何しろ、スケルトンであるにも関わらず動きが機敏な為に少し苦戦した。


骨の馬に乗ったスケルトンはスケルトンキャヴァリィソルジャーと言われており、馬の上で槍を構えているものや、弓を射る者まで様々だ。


馬の操作は卓越しており……というよりもう馬も自身の身体同然に扱っている為に厄介なのは言うまでも無いだろう。


スケルトンキャヴァリィソルジャーの最高速度は百二十キロ……つまり、タイラントデスワームやヒュージトレント達と肩を並べる速さだ。


その上身体のサイズがそこまで大きくないので狙い難い。


当然逃げる事も出来ないので、広範囲攻撃や魔法で攻撃して倒した。


次のボス戦がまた集団戦じゃない事を祈る。


最近のボス戦はボス単体で出る事が無くて中々疲れる。


確か、最後にボス戦が単体だったのはグリフォンだったっけな?


「じゃあ、入るぞ?」


特に確認すべき事項も無く、俺の言葉に皆が頷いた。


そして、先程の言葉がフラグになったのかその部屋には大量のスケルトン達と真ん中にローブを羽織った見ただけで分かる格の違うスケルトンがいた。


「やっと来たか……待ちくたびれたぞ?」


普通のスケルトンの数倍はある身長に紫色に金や紅色の刺繍が入ったローブ、そして、ひび割れた眼孔の上には錆びた王冠の様な物が乗っている。


眼球の入っていない眼孔は一部紅色に光っており、白く輝いたり、赤く輝いたりして意思を感じさせる。


まるでそれが表す感情は人間の様に繊細だ。


武器の様な物は持っておらず身体は宙に浮いているのかローブで隠れていて良く見えない。


そして、そのアンデッドは嬉しそうにカッカッと笑い両手に魔法陣を形成して言った。


「我が名はワイトキング。久しぶりの客を歓迎するとしようかのう」


俺はワイトキングの強大な魔力もそうだが、モンスターがここまで流暢に喋る事に驚愕した。








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