表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
10章 墓地エリア
196/544

193話 迷宮の核

キャッスルデュラハン……だと?


そんな馬鹿な……いや、待てよ……エリアモンスターって事は逆に言えば攻撃しなければ攻撃してこないって事だ。


奴と戦うのはあまりに無謀過ぎる。


元々デュラハンは何処かの国で女の姿をしていた。

だが、いつからかファンタジー小説やゲームなどで定番と言える姿になった。


今では首から上は無く、鎧を着た騎士が馬に跨がっている姿が一般的だろう。


そして、そこから姿は殆ど変わらずどのゲームとかでも派生が殆どだ。


馬が馬車や戦車に変わっているものも少なくは無い。


戦車とは言っても昔のヒッタイトが使っていた様な戦車である。


ヒッタイトとは地球で初めて鉄を使ったと言われる国の名前で、その時に戦車などを使った戦法を使ったと言う。


その戦車も今の様なゴツいものでは無く、車輪が付いた乗り物程度の物だったらしい。


その乗り物の上に人が乗って弓を射抜いたりして攻撃をするが、非常に旋回性能が悪く、転倒すれば大怪我は免れなかったと言われている。


そして、話を戻すが今目の前にいるキャッスルデュラハンは引き連れているのが馬車や戦車では無い。


城だ。


城なのだ。


キャッスルデュラハンの本体と言ったら良いのか?

デュラハンで言う人形の部分の大きさだけでもかなりの大きさを誇っている。


上位砂塵鎧兵位のサイズはあるんじゃないか?と思わせるほど巨大な体躯をしている。


デュラハン本体は漆黒の鎧に身を包み、右手には死神の様な巨大な鎌を持ち、左手には自身の頭と思われる兜を盾の様に持っている。


その兜は鎖で左手と繋がっており低い笑い声が兜で篭って辺りに響き渡る。


そして、デュラハンが跨がっている馬……馬と言うのか分からないが、その馬も漆黒の鎧を身に纏っており、首から上は無い。


そして、後ろに付いている城……高さ十メートル前後と城にしては小さめだが、城は漆黒に染まり、城壁は存在しない。


だが、城の窓からは大量の大砲の砲塔が顔を覗かせており、敵対した者を容赦なく射抜きそうだ。


馬の大きさも半端じゃ無い。


キャッスルデュラハンが動く度に漆黒の鎧がガラガラと嫌な音を立てる。


そして、キャッスルデュラハンは無意識なのだろうが、左手の顔でアンデッドを睨むとアンデッド達は意思を失ったかの様にパタリと動かなくなってしまった。


俺達の目の前にはリッチを含めてアンデッド達の死骸が転がる。


一応燃やしておこう。


俺達はキャッスルデュラハンが暴れている?間にリッチ達の死骸を燃やしながら先を急ぐ。


一応デュラハンはアンデッドでは無い。


どちらかと言えば妖精の部類だ。


だから聖属性魔法や火属性は弱点では無い。

水属性や光属性をデュラハンは嫌うと言われている。


だが、俺達に戦う気は無い。


今はのんびりと散歩をしているキャッスルデュラハンだが、戦闘となると一切勝てる気がしない。


キャッスルデュラハンの場合自身の城に何故かアンデッド達が住み着く事があるらしい。


妖精だが、闇属性を使ったりする影響でアンデッド達が強大なエネルギーを好むのだろうか?


それは俺達にはわからない。


キャッスルデュラハンが居た場所の城は消し飛んでおり、何処か寂しい印象を受ける。


この城の本殿では無いのだろうが、この階層のギミックである城自体の一部がキャッスルデュラハンに変化したのだろう。


全く……俺達は何故いつもエリアモンスターと当たるのだろうか?


日が経つにつれてその頻度が上がっている気がする。


ジジイとかだったらレアな素材などが獲得できる為に喜んで狩りそうだが、俺達にはそんな実力は無い。


貴族の屋敷で出てきた、死神の正体がデュラハンかとも思ったが、どうも違う気がする。


あのデュラハンの顔が話す様子は無い。


しかも、あの時バーミリオンファングに対して用は無いとか魂を寄越せと言っていた事から強敵なのは間違い無いだろう。


しかし、魂と言う単語が出ている事と死神の様な容姿……それとあの時は日本語で俺の耳に聞こえた。


ナイトメアの時は夢の中だったから恐らく向こう側が伝えようとした意思が俺の中で勝手に脳内変換された可能性が高いが……。


そう考えると、脳内に直接語りかけてくる系の魔法やスキルは意識しなければ自動翻訳されるって訳か……。


この機能割と便利だな。


そうすると、あの死神が日本語を話せる程の知能を持ったモンスター又はあれが直接スキルで語りかけていたって可能性があるな。


キャッスルデュラハンが、離れて少し寂しくなった城の本殿の入り口から俺達はお邪魔する。


城の中は暗く視界が悪い。


やっぱりアンデッドの階層って事もあってこの城もアンデッドの居城か?


「番犬ヲ討チシ者ヨ我ガ城ヘヨウコソ歓迎スル」


片言の日本語が聴こえてそちらを振り向くと


太い角が二本生えており、身体は細身だが引き締まり紅蓮のように赤いモンスターがいた。


俺は武器を構えて話しかける。


「俺達の言葉が分かるのか?」

「マァ多少ハナ」


その紅蓮の身体をした男からは並ならぬエネルギーを感じる。


「お前はロークィンドの者か?」

「アア、ソウデモアルガコノ迷宮生マレデモアル」


この迷宮生まれ?


そんな事があり得るのか?迷宮で生まれるモンスターの殆どは意思を持たない。


意思を持っているのは高ランクの一部のモンスターだけだ。


そんなモンスターがこの階層にいるのは普通は有り得ないだろう。


「ヤハリ不思議ソウナ顔ヲシテイルナ」

「核ガ分離シタ今トナッテハココハ既ニ迷宮デハナイ」


目の前のモンスターは意味深な言葉を語り腕を組んだ。













評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ