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学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
10章 墓地エリア
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192話 死霊城

仲間達から大量の汗と魘されていた事を心配されるが、問題ないと押し切って足を進めて俺達は貴族屋敷を抜けて城の城門の前に来ていた。


貴族屋敷とは比べ物にならない大きさの城門に少し足がすくむ。


問の前には長槍を持ったスケルトンが二体警備をしており、貴族屋敷と違って何処か物々しく、入り辛い雰囲気だ。


城壁の上には弓を持ったスケルトンやバリスタ、大砲が設置してあり敵対はしたくない。


だが、マップの設計上かそこまで数は多くはない。


亜蓮曰くバリスタや大砲も飾りの可能性が高いとの事だ。


遠目から見てもバリスタや大砲は管理されているようには見えず、錆付いており使えそうには見えなかった。


まぁ、スケルトンには整備と言う感覚が無いのだろうから仕方が無いだろう。


バーミリオンファングの命を刈り取った死神もここに居るはずだ。


城門前と城壁上のスケルトンに関しても鎧を着ており少しガタイが良い。


スケルトンウォーリアとスケルトンアーチャーと言ったところか?


スケルトンウォーリアには様々な種類があるが、基本的に片手に武器、片手に盾が基本型だ。


武器は片手剣、斧槍、長槍など様々である。


スケルトンと違って武器や防具の手入れは出来るみたいだが、バリスタや大砲などの手入れは出来ないようだ。


言うて防具も鉄鉱石のプレートメイルとかだから大した防御力は無い。


スケルトンがスケルトンウォーリアになった所で然程問題は無いのだが、問題は指揮官がいる場合だ。


下位のアンデッド系のモンスターは基本的に頭が良くない。


だが、そのアンデッドモンスターに指揮官となる中位から上位のアンデッドが付く事によって統率が取れる様になる。


「重光。遠距離から気付かれずにスケルトンウォーリアとスケルトンアーチャーを倒せるか?」

「ええ、問題ないわ」


見つからない事に越した事は無いので俺達はスケルトン達に察知されない距離で待機して重光の詠唱を待つ。


そして、重光がマルチフレイジングランスで城上と城門前のスケルトンを撃破する。


勿論スケルトンには痛覚や発声器官も無いので白い骨は黒く焦げながら炎と雷の槍を受けて砕け散る。






さてと……それで城門の前に来た訳だが、どうやって入ろうか……。


城の門は閉まっており、入れそうに無い。


門の隣に兵士が出入りする為の扉があるがそこも鍵が閉まっており、入る事が出来ない。


スケルトンが中に入るのを待つべきだったか?


次のスケルトンが交代するタイミングを狙うか……。


スケルトンには仲間が死んでも悲しみなどの感情は無い。


元々死んでいる事もあって死には疎い。


それに感情も殆ど無いのだろうな。


スケルトンが分かるのは敵か味方位だろう。


それを判断するのも、指揮官がいなければ生者や自身を攻撃した相手じゃないと敵と判断出来ない。


まぁ、生者は例外無く襲おうとするみたいだから結局俺達は襲われる。


今ここのスケルトン達は指揮官の指揮下には入っているのか入っていないのかは不明だ。


そして、兵士用のドアが開いて再びスケルトンウォーリアとスケルトンアーチャーが配置される。


そのタイミングを狙ってスケルトン達を再びマルチフレイジングランスで射抜いて俺達は中に入る。


うわ、これ結構ヤバイかもな……砂漠の宮殿と比較してもこっちの城の方が圧倒的に広いな……。


城壁の中に入った俺達が見たのは巨大な城だった。


中では太ったアンデッドが石材などを何処かに運んで行く様子や、スケルトンウォーリアなどが、一糸乱れぬ様子で指揮官の元行進をしている様子が伺える。


指揮官はリッチか……強さ的には大した事は無いが、これがこの城の主って事は無いだろうし、複数体いれば厄介だ。


リッチは痩せ細った身体に血管が浮き出ており髪の毛は殆ど抜け落ちているゾンビの様な容姿をしている。


だが、皮膚の色は血色悪いにしろまだ人間っぽさは残っている。


だが、重光のマルチフレイジングランスに対して感知が出来ていないと言う事は強さも高が知れていると思われる。


城の後ろには何も見えない事から、次の四十五階層への入り口は城内にある可能性が高いな……。


これ進まないと駄目か……?


リッチの面倒な所は下位アンデッド作成でアンデッド達を生成出来るところでもあるし、先程言ったアンデッドを指揮する能力だ。


リッチの強さは単体の強さでは無い。


(ドンッ)


何だ?


いつもならばこれくらいの揺れは何の問題も無いのだが、大地が揺れて俺の中で嫌な予感がよぎる。


城が傾いた?


今目の前の城が揺れた気がしたのだが、気の所為か?


(ガラガラガラ……)


いや、動いている。


俄かには信じたくは無いが城が動いていた。


「おいおい、嘘だろ……」


あの添島でさえ呆気に取られてその様子を眺めている。


そして、城の地面が持ち上がり胴体が姿を見せる。


俺達は咄嗟に距離を取る。


奴にはそれ程の威圧感が遠目から見てもあった。


「馬鹿な!城死神騎士キャッスルデュラハンだと……!」


俺は確率的にも出る筈の無いエリアモンスターの名前を思わず叫んだ。







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