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学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
10章 墓地エリア
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183話 アンデッド達の生命力

あいつら、ジ◯―ズでもなんでもねえよ!ただのボーンシャークだわ。


ただ、この数となると……重光も足場の形成をやめて攻撃に移った方が良さそうだな……。


とか思ってたが、その必要は無さそうだ。


重光は既に並立詠唱でマルチフレイジングランスを詠唱しており、身体の周りに複数の炎と雷の槍を浮かべている。


あれ?でも足場の形成は止まってるな……。


重光の形成した槍がアンデッド達に向かって飛んで行き、土台から引き剥がす。


そして、その瞬間重光の周りにまた複数の雷や炎の槍が形成された。


なるほど。


マルチフレイジングランスを並立詠唱してるのか……確かにそれならば、間髪入れずにマルチフレイジングランスを放てると思うが、一度に撃てる数増やすのとは違うのか?


俺は魔法には一切詳しく無い為よく分からないが、皆にエンチャントで火属性を付与するだけでもかなり変わるだろう。


ただ、沼地のアンデッドも火属性に弱いのは間違い無いのだが、泥が纏わり付いているのと直ぐに水中に落下してしまう事もあって炎上し難い。


亜蓮のナイフ位ではアンデッドと言えども炎上させるのは難しく、属性攻撃を使えない近接職にとっては土台から登ってくるアンデッド達を引き剥がすのが精一杯だ。


山西に関しては俺をノーヴィスブードゥーの攻撃から守った様に爆発を起こす事は出来るが、威力が足りず、普通に殴った方が強い。


ボーンシャーク自体は、アクアの魔法で弱体化しているのもあるがそれでも流石に大きさ故にエンチャントで対処するのは厳しい。


ただ、インプレスエンチャントもマナ消費が大きいからあまり撃ちたくないのは事実だ。


いつもならば、添島に骨砕きは任せられるのだが、足場的に添島も強く踏み切る事が出来ないでいる。


薙ぎ払いなんてしたら俺達を吹き飛ばしてしまう可能性もあるし上段切りの踏み込みも深くは出来ない。


「ギュイイ!」


アクアが、聖属性の水球を吐いて飛び上がるボーンシャークを一瞬で粉々にしていくが、正直あまりアクアに攻撃はして欲しく無い、


アクアと俺はどちらも消耗を抑えないといけないのだ。


二人ともこの沼墓を攻略するにあたってキーカードなのだ。


オリヴィエを使えなくなったら終わりと考えて良いだろう。


そして、ボーンシャークは砕くと骨ピラニアとなるが、 骨ピラニア自体は弱いので山西でも十分に対処可能だ。


まぁ、今回はまた重光の魔法に助けられてるんだけどな……。


すまん、またあれやるわ。


内部圧縮属性付与インプレスエンチャント ファイア


俺は沼地に腕を突っ込んでインプレスエンチャントを自分達の進行方向に向かって発動させる。


腕をアンデッドが掴んでくるが、関係ない。


何故ならば……!


(ドカァァァアン!!!)


はい、大爆発。


再び俺は沼地の泥を巻き込んで水蒸気爆発を発動させた。


「お前さぁ……いや、何でもないわ」


その音を聞いて添島が何か言おうとしたが、足場を作れば良い話なので言うのを止める。


うん、大体何言われるか分かってたけどそこは敢えて突っ込まないでおこう。


俺達の進行方向の沼地からは湯気が上がっており、砕け散った骨などが散乱している。


植物の破片のようなものまである様だが、沼地エリアの様にモンスターの死体は浮き上がって来ない。


ここ、マジで死の沼じゃねえか……。


そして、植物の破片を見る限り原型がない程粉々になっているが、破片はかなりの量散らばっている事からかなり巨大な植物だった事が分かる。


あんなのが地中から襲って来たら一たまりも無かった。


インプレスエンチャントを撃ち込んでおいて正解だったか?


ここがマジの異世界だったら他の冒険者とかいる事想定しないといけないが、この迷宮はそれを考える必要がない為、その辺の配慮が要らない。


たまに、人がいるが大抵の人間はもう死んでいる事が多く、俺達よりも強い。


しかも、強さは圧倒的だ。


そんな人達が俺の攻撃程度で死ぬはずは無いだろう。


この水蒸気爆発の威力はとてつもない威力だけどな。


後ろの方も掃討し終えた様で、重光は額に浮かんだ大量の汗を拭いている。


ん?汗……?


俺はその汗に違和感を感じた。


おかしい。


この沼墓の階層の気温はどちらかと言えば肌寒いくらいだ。


多少動いたとは言え、あそこまで汗を掻く物か?


近接職の俺達でさえ汗一つかいて居ないのにそれはおかしい。


「重光、お前……何かアンデッドの攻撃を食らったとか無いか?」

「いえ、特には……」


アンデッドの攻撃を食らってない……?


じゃあ、俺の気の所為か?


一応重光には状態が分からない以上キュアとリカバーを自身にかけて貰って対処する。


すると、重光の大量の汗は止まった。


キュアとリカバーで対処出来たって事は何かしらの状態異常にかかってたって事か?


俺達もその状態異常にかかる可能性もあるし、用心しておくか。


その時俺は気が付いていなかった。


倒した筈のボーンシャークの骨が再び動き出していた事に。

そして、土台から引き摺り下ろしたアンデッド達がまだ息絶えていない事も……。








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