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学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
10章 墓地エリア
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170話 墓地へぼちぼち出向こうか

タイトルこれが言いたかっただけです。

すみませんm(_ _)m

「ただいま、やっと帰ったぜ」

「おお、帰ったか……あそこのボスは中々手強かったじゃろう?」


俺達が転移碑で拠点に転移するや否や、ジジイが待ち構えていたかの様に俺達を出迎え、のほほんと話しかけてくる。


中々手強かった?じゃねえよ……死にかけたぞ……。

だが、今考えるとまだここは四十階層だ。

もっと下の階層に行くと敵は強くなるばかり……。


やべえな、俺の未来真っ暗なんだが……。


ジジイは俺の胸元に付いた僅かな灰を確認したふぅと胸を撫で下ろす。

ジジイ……お前、そのアイテム本当に保険だったんだな……。


いや、今は聞きたい事を聞いておかなければ……。


「おい、ジジイ……カオストロって言う名前の錬金術師を覚えてるか?」

「うむ……昔会ったような気がするぞい」


本当かよ。ジジイは少し間を置いて覚えているのか覚えていないのか生返事で答える。


「まぁ、とにかくだ。そのカオストロってやつがくれた薬品の解析を頼みたいんだが出来るか?」


俺はマジックバックからカオストロの薬品を取り出して目の前に並べていく。


その様子を見たジジイは一瞬目を見開いたが、直ぐに冷静を装って話す。


「記憶型のマジックバックとはな……まさかそれはドロップ品ではあり得ないのう。ワシは多少はロークィンドの文字は分かるものの、解析には時間がかかる。ワシに良い伝手がある。解析はその人にでも……」


うん、知ってた。と言うより元からそのつもりだった。


「分かった。エルキンドの所に行ってくる」


俺達はそう言って足早にエルキンドがいる森エリアへと向かった。


「あれ程のアイテムを手に入れるとは……彼奴らは運や人脈さえも味方に付けているのかもしれんな……」


ジジイはその場に微かに落ちた灰にも視線を落として、そっと呟いて安元達を見送った。


「これを解析して欲しい」

「唐突だね?ここに来るや否やそれかい?せめて挨拶くらいは欲しかったんだけどね……」


エルキンドは苦笑いでそう言いながら手元のトランプをひらひらと左右に振る。


エルキンドの挨拶は挨拶がてらにボードゲームやトランプなどの遊戯をするから率直に言いたい事を伝えた方が良いと俺個人的に思っている。


「まぁ、後で一戦頼むよ。それで解析をお願いするものとは?」


そう言うエルキンドに俺はジジイと同じようにマジックバックからカオストロの薬品や、他にも色々な貰ったアイテムを出していく。


「成る程、錬金術師にはちゃんと会えたみたいだね。へぇ……それにしてもえらく気に入られた物だね……カオストロがここまでするのは珍しい。君達……何を対価に渡したんだい?」


エルキンドは数々の備品を見て感心したように相槌を打った。

俺がアクアの素材を渡した事を伝えるとエルキンドは納得して


「成る程……確かにそれならば納得だよ。良いよ。直ぐ解析するよ。使えそうなアイテムは地球の翻訳を付けて返しておくよ」


「見た感じ、危険な薬品も沢山あるみたいだし少なくとも人に渡す様な物では無いしね。悪いけど加工しないと危ない物は俺が回収しておくよ」


「しばらく時間が経過してまた来てくれたら使える形に加工して渡すよ」


エルキンドはそう言って複数の薬品を回収し、残りの薬品に地球の言葉の翻訳を付けて俺達に戻した。


カオストロの薬品の危険度は俺がよく知ってるから何も異議はない。


その後エルキンドのカードゲームやボードゲームにしばらく付き合わされ、この日はお開きになった。


――次の日


そう言えば、ジジイに装備品を預けていなかったと思い、素材と共にジジイに渡す。


今回、碌な素材取れてないからなぁ……強いて言うならば、バーニングドラゴンフライの耐熱殻とかタイラントデスワームの甲殻、オーアゴーレムの鉱石などである。


どちらかと言えば、状態異常や、属性に対する耐性は高そうだ。

タイラントデスワームの素材も悪くは無いから従来の装備よりは良くはなる筈だ。

まぁ、ここは匠の腕を持つジジイにお任せである。


そして、まぁ、やっぱり砂漠とか言ってるとまた美味い飯が恋しくなるよな。

どうせ、装備品はジジイに預けているわけで、新階層の探索をサブの装備品で行うのは危険だ。


サブの装備品はいつも使っている装備品には多少劣るものの、そこまで劣化した物でもない。


まぁ、予備みたいな物で探索中に防具が大破した時様に何セットかマジックバックに入っている。


勿論、その装備が最新の階層で戦えなかったら意味ないから先程も言った通り、多少の劣化品である。


相変わらずジジイは余った素材で予備装備品まで作る用意周到ぶりだ。


俺達は美味い飯を食う為に、草原階層と浜辺階層に出向いて大量の食料を確保する。


後にこの行動が、俺達の生死を分ける程重要な事になるとは今は思いもよらなかった。


そして、この日はがっつりオークの肉を使った料理を作りお腹いっぱい食べた。


そして、また次の日にジジイは俺達の装備品を完成させて、俺達に手渡した。


相変わらず早くて、丁寧な作業だ。


前の植物チックな見た目とは裏腹に今度はシンビオシスプラントの柔軟な蔦の上からバーニングドラゴンフライの軽くて強度のある甲殻を貼り付けて赤い筋が鎧全体に流れてカッコイイ感じになっていた。


そして、オーアゴーレムの鉱石が鎧のベースに使われており、その複数の鉱石が混ざりあった状態で光を複雑に反射して、絶妙な輝きを放っている。


見た目は人それぞれだが、色の配色は凄く綺麗だ。

オーアゴーレムの鉱石はどちらかと言えば赤色を吸収する感じだからバーニングドラゴンフライの甲殻とはほぼ真逆の色合いである。


タイラントデスワームの甲殻はシンプルにはめ込んだかたちであるが、根元がオーアゴーレムなので、気にならないレベルだ。


ただ、前より少し重さが増えたかな?と言う印象を受けた。


武器もオーアゴーレムの鉱石製で、度重なる加熱にも耐えられそうだ。

俺もそろそろ武器込みのインプレスエンチャントとかを使いこなせるようにならないとな……。


俺達はジジイに礼を行って四十一階層へと足を運んだ。


そして、四十一階層に足を踏み入れた瞬間、寒気が身体を覆った。

いや、寒い訳では無いのだ。


雰囲気が寒いのだ。


そこは薄暗く多数の墓が設置されており、幽霊とかが出てきそうな雰囲気の場所だった。


俺、幽霊とか信じてないタイプだけど、マジで出そうなんだが。

そして、横を見ると山西が真っ青な顔をして嘔吐していた。


俺達、この先大丈夫か?不安しか感じなかった。


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