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学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
9章 砂漠エリア
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156話 砂塵兵とサボテンロード

オーアゴーレムを撃破して俺達は一旦階層の狭間でオーアゴーレム戦で失ったマナを回復させる。


次はボスがいる階層だ。出来るだけ挑むのは万全の姿勢を整えてからにしたい。


そして、出発は明日の朝に決まった。今の時間は既に夜だ。


出発を次の日の朝に定めた理由は夜は視界が確保出来ない為、ボス戦が不利になる事や寒さで無駄な体力を失う事を恐れた為だった。


そして、睡眠を取って翌日俺達は目が覚める。


マジックバックから温かいスープを取り出してみんなで飲んで激励し合う。


やっぱり、温かい飲み物や冷たい飲み物などを温度を保ったままマジックバックに入れておけると大分モチベーションが違うな……。


今度拠点で料理を作り置きして入れておくか。


だが、今の気温は早朝にも関わらず普通に暑い。

しかし、朝から冷たい飲み物などで無駄に身体を冷ますのは良くない。


だから朝は温かい飲み物を飲んだのだ。


そして、元から装備品なども着用したまま睡眠を取っていたので撤収は速い。


さっさと準備を整えた俺達は四十階層へと足を進めた。


もう驚かなくなったがやっぱり転移碑無いんだな……。


そして、四十階層に出るが周りの景色に違和感を感じる。


風景は三十六階層や三十七階層に似ており至って普通の砂漠なのだが、サボテンなどの植物の高さが綺麗に揃えられており手入れが行き届いている様に見えた。


そして、サボテンには赤や黄色の花が咲いており高さはハイマツ位の高さである。

イヌツゲ程の高さの物も並んでおりどこか観葉植物感も感じさせる。


そして、そのサボテンは道を作るように並んでおりまるでここを進んでくれとでも言わんばかりだ。


だが、もう俺達は分かってるぞ。これサボテンが作ってる道通りに進むと罠があって敵にサボテンの影から襲われたり、永遠にボスの所に辿り着かないパターンだな?


自分でも相当捻くれた考えをしている自覚はあるものの今まで散々騙されて来ただけに用心して悪い事はないと思っている。


疑い過ぎてボロが出る事はあるがな。

一応亜蓮達にも意見を聞いてみるか?


「これ明らかに罠っぽいがどう思う?」

「俺が見る限り視認範囲内には罠の類は確認できない。だが、罠の可能性も十分にあると思うぜ」


うん、俺これどう反応したら良いんだ?亜蓮からは罠かも知れないし罠じゃないかも知れないと言う曖昧な答えが返ってきた。


しょうがない。じゃあ、結論を言えば警戒して進もうって事にする。

結局いつも通りだ。罠じゃない事を信じたい。


道迷いの可能性についてはオートマップにお任せである。


しかし、オートマップも視覚依存だからな……道を間違えた事は気がつくだろうが、そこからの切り口は一切分からない。


まぁ、それでも性能はかなり良いと思うんだけどな。







そして、しばらくサボテンロードを進んでいるとサボテンロードの道中に小さな砂嵐?いや、砂がくるくると回っている場所が確認できた。


怪しいなぁ、ただのつむじ風なんだけどどうもただのつむじ風に感じられないんだよなぁ……もう、人間不信になりそうだ。


相手は人間では無いけどな。


近づくとそのつむじ風は中心に集まり人型の生物を形成して行く。


ほらな、予想通りだ。俺達はそいつに対して武器を構える。

これ多分あれだな。砂塵兵だ。


砂塵兵は砂漠にいる砂でできた人型のモンスターだ。

物理攻撃も普通に通るのだが、耐性が高く水に滅法弱い。


水属性の攻撃を受けてしまえば速度や防御力、攻撃力など全能力が低下しかなり弱くなる。


砂塵兵自体はあまり強く無いのだが面倒なのはその連携と合体だ。


複数の砂塵兵は自身の身体同士を分解して別の砂塵兵と合体してパワーアップする事が出来るのだ。


それをされてしまうとかなり面倒だ。

だが、それも水属性魔法を使ってしまえば合体は出来なくなる。


そして、それと同時に砂漠エリアのボスモンスターが何か想像ついて来た。


多分ここはボスモンスターの庭の様な場所だろうな。ここまで手入れをしているって事はそう言う演出だと俺は思ってる。


だが、あのボス戦モンスターとなれば面倒だな。

とにかく面倒だ。


今回のボス戦攻略は割と俺も活躍する場はありそうだ。


そして、目の前の砂塵兵は森階層のボス部屋前のキ◯ピオとは違い固めた砂で作った槍を構えて俺達に襲いかかる。


まぁ、砂塵兵は単体なら十分に完封できるし、今まであまり需要が無かったから使ってなかったものの俺の技は効果抜群だと思う。


属性付与エンチャント ウォーター


別に強力な攻撃を撃ち出す必要は無い。俺は全身に水を纏い砂塵兵を刀で斬りつけると砂塵兵は色が黒く変色しバラバラと崩れ去った。


耐久力もかなり低いな。


だが、相手が砂と言う事もあって武器は一撃でかなり疲弊する。

やれやれ、久しぶりにあの技も使う事にもなるかな?

今回のボス戦は今まであまり使わなかった技も駆使する事になりそうだ。


だが、それはそれで良いと思う。普段使わなかった技を使う事によって、新しい発想も生まれる事があるからな。


結局その後砂塵兵何体かに襲われるが、俺達が苦戦する程の強さでは無いので、サクサクと倒して俺達はボス扉の前に到着した。


うん、深読みし過ぎた。サボテンロードを普通に歩いてて着いたわ。

砂塵兵も奇襲をするわけでも無く、俺達を試すかの様にポツポツと道中に置いてあるだけだった。


毎回思うけど、ボス部屋がある階層って少し手抜きだよな?

まぁ、それはそれでボス戦に集中出来るから良いとは思うんだけどな。


「準備は……問題ないな……」


俺は仲間に声をかけるがそれは今更だな。準備はもう出来てる筈だ。

仲間も俺の言葉に頷きを返したので、俺はボス部屋の扉に手をかけ中に入った。


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